住宅を建ててから10年、20年と経過すると外壁の塗装に劣化がみられてくるために、「そろそろ外壁塗装しようか…」と考えるようになります。
新築時に「メンテナンスフリーですよ」と言われることもありますが、そうは言ってもやはり雨風や紫外線の影響は受けるものです。
しかし、そのような影響を受けにくい外壁だと説明を受けているのなら、外壁塗装が難しい『難付着サイディングボード』かもしれません。
もし何もしらずに、DIYで塗装しようものならすぐに塗装面が剥がれてしまうかもしれません。
また経験の浅い業者であれば、難付着サイディングボードと気付かずに通常の塗装をしてしまい、大きな不具合を生じさせてしまうこともあるのです。
それだけ『難付着サイディングボード』は塗装が難しい外壁なのですが、一般の方であればご存知でない方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、難付着サイディングボードとはどのようなものなのか徹底的に解説いたします。
特徴や見分け方、注意点、外壁塗装の方法について、わかりやすくお伝えしていきますので、ぜひじっくりとご覧ください。
難付着サイディングボードの特徴と外壁塗装
難付着サイディングボードは、冒頭にもお伝えした通り、外壁塗装が難しいと言われている外壁のことを指しています。
汚れがつきにくく、色あせしにくいという特徴を持っている外壁ですが、そのような特徴を持っているが故に、塗装もつきにくい性質があるのです。
難付着サイディングボードの特徴をお伝えし、なぜ外壁塗装が難しいのか丁寧にご説明していきましょう。
・難付着サイディングボードの特徴
難付着サイディングボードとは、2001年以降に登場した外壁で、新しい技術によって汚れがつきにくく、色あせしにくい性質を持っています。
そのため住宅を建てた際や購入した際に、「メンテナンスフリーです」などと言われるのは、この難付着サイディングボードであることケースがたいへん多いのです。
難付着サイディングボードというネーミングは覚えていないものの、担当者から「メンテナンスが簡単」「綺麗が長持ち」などと聞かされた記憶は残っているかもしれません。
また、同時の設計書や仕様書などが残っている場合には、それらで難付着サイディングボードであることが確認できる可能性があります。
この外壁には特殊な塗装やコーティングがなされているのが特徴です。
光が当たることによって化学反応を起こし汚れを分解するものや、表面がツルツルしていて汚れがつきにくく、雨によって汚れが流れてしまうようなものもあります。
そのように、いつまでも綺麗な外壁を保つために開発されたものではありますが、それだけ通常の塗料までも付着しにくいと言い換えることもできるのです。
・難付着サイディングボードに汚れがつきにくく綺麗が長持ちするワケ
難付着サイディングボードは近年開発された特殊な塗料が使われており、「光触媒塗料」「無機系塗料」「フッ素塗料」といった塗料が用いられています。
「光触媒塗料」とは、太陽の光に反応して汚れを分解する特徴を持っている塗料です。
酸化チタンと呼ばれる主成分は紫外線に反応して活性酸素を発生させる特徴があります。
活性酸素は空気中の汚れを分解する働きがあるとされているために、この効果によって外壁にも汚れがつきにくいのです。
高い耐久性も兼ね備えているために、高い人気を誇っています。
「無機系塗料」とは、鉱物やレンガ、ガラスなどといった無機物を配合して作られている塗料です。
このような無機物は太陽の光が直接あたっても劣化しない特徴を持っています。その特徴を活かした塗料であると言えるでしょう。
外壁の表面がツルツルしているのが特徴的で、汚れがつきにくく、色あせしにくいために人気のある塗料です。
「フッ素塗料」とは、蛍石を原料とした合成樹脂が主成分の塗料です。
優れた耐久性や耐候性を持っている塗料で、特に紫外線の影響を受けやすい外壁に用いられることが多くなっています。
劣化しにくいためにいつまでも綺麗な外壁を維持することができ、親水性にも優れているために雨と一緒に汚れを落とすことができ汚れがつきにくいのです。
・難付着サイディングボードには塗料が付着しにくいという特徴も
上記でご紹介したいずれの塗料も、耐久性が高く、汚れがつきにくいという特徴を持っているために、特に紫外線の影響を受けやすい外壁では多く用いられるようになりました。
ただ、汚れがつきにくいという特徴は、同時に塗料もつきにくいという性質を持っていると言い換えることもできます。
実際に、この難付着サイディングボードに通常の塗料を塗った場合、塗料が乾燥した次の日に爪で引っ掻いたり、ガムテープを貼って剥がしただけでも塗膜が剥がれてしまうことがあるのです。
そのため、雨風などだけでも数年程度で簡単に塗膜が剥がれてしまうことになってしまうのです。
このような事実をなぜ一般の方でも知っておくべきかと言うと、塗装業者の中には知識不足の職人もいて、難付着サイディングボードであることを理解せずに通常の塗装をしてしまうことがあるからです。
数年程度には剥がれ落ちる箇所が出てきますが、新たな塗りなおしができず、外壁そのものを貼り換えなければならないような事態にも発展しかねません。
そのため、外壁塗装の業者選びはとても重要で、難付着サイディングボードの塗装経験が豊富な業者を選ぶ必要があるのです。
難付着サイディングボードの外壁塗装で注意が必要な理由
難付着サイディングボードは汚れにくく耐久性が高い特徴を持っていますが、決してメンテナンスフリーであるというものではなく、10年を経過する頃には劣化が生じます。
一般的には10年~20年を目安にして外壁塗装に取り組む必要があると考えられていますが、外壁塗装をするにはいくつかの注意点があります。
・適切な施工を行わないと数年で塗膜が剥がれてくる
上記でもご紹介した通り、難付着サイディングボードは汚れがつきにくく、綺麗が長持ちするという特徴がある反面で、塗料までもつきにくいという性質を兼ね備えています。
そのため、仮に劣化した部分だけDIYで塗ってしまおうと考えると、結局のところ、数年程度で塗膜が剥がれ落ちてくることになりますので注意が必要です。
難付着サイディングボードであれば10年程度であれば、まだ艶も十分残っていて全体的には綺麗を維持しているのではないかと考えられます。
ただ、雨風の影響をまともに受ける場所や、日当たりの良い部分などであれば、どうしてもその部分から劣化してくるようになります。
そのため、部分的に塗装しておきたいと考える方は多いように感じます。
ただ、通常の塗料ではすぐに剥がれ落ちてしまうことになり、しかも塗ってしまった部位の塗料を剥がす作業はとても大変です。
必ず難付着サイディングボードではないのか、確認してから塗装作業を行わねばならないのです。
・業者選びが重要!難付着サイディングボードのトラブル
難付着サイディングボードであるのかどうか、また難付着サイディングボードにどのように塗装すればいいのかについては後述しますが、それらの知識のない塗装業者が存在しますので注意が必要です。
例えば、直接自宅へ営業に来るような見知らぬ外壁塗装業者に依頼することがあるかもしれません。
中には経験や知識がなく正しい塗装ができずに、すぐに塗膜がどんどん剥がれ落ちてしまうといったトラブルが実際に起きています。
もし、このようなトラブルが生じた場合には、外壁すべてを交換する必要があります。
塗装を剥がす剥離剤というものもあるのですが、外壁そのものを損傷させてしまう可能性があるために、サイディングボードそのものを交換しなければならないのです。
このようなトラブルを避けるためにも、塗装業者選びは特に重要であるということを認識しておく必要があります。
難付着サイディングボードの見分け方
自宅の外壁が難付着サイディングボードなのかどうか、まずは見分けることが外壁塗装に取り組むためにとても重要になります。
そのポイントとして4つにまとめましたので、お伝えしていきましょう。
・住宅を建築した時の設計書や仕様書を確認する
住宅を建築する際には設計書が必ずあり、また住宅を設計・施工するために設計書に記載できないものについては補足的に仕様書が用いられます。
もしこれらが残っているのであれば、外壁材の製品名や品番を知ることができますので、難付着サイディングボードかどうか知ることができます。
どこにあるのかわからない、また失くしたようであれば、当時のことを思い出してみましょう。「メンテナンスが不要」とか「汚れにくい」などと担当者が伝えてはいなかったでしょうか。
もちろん、この記憶で難付着サイディングボードであると確定することはできないのですが、より信憑性の高い情報になるかもしれないのです。
難付着サイディングボードが世に出回ったのは2001年くらいからですが、汚れにくさや色あせしにくさをウリにしていた可能性があります。
・建築時の年代に注目する
難付着サイディングボードで活用している新しい塗料の技術が実用化され、製品化されるようになったのは2001年くらいからです。
つまり、それ以降に建てられた住宅の場合であれば難付着サイディングボードである可能性が高く、それ以前に建てたのであれば従来のサイディングボードであるでしょう。
近年になればなるほど、その割合は高くなりますから、比較的新しい建物であれば難付着サイディングボードの可能性は高いと言えます。
・チョーキングが発生しているか
難付着サイディングボードは耐久性が高く、耐用年数も長くなっていますので、外壁に「チョーキング(白亜化)現象」が起きにくくなっています。
チョーキング現象とは、外壁の表面に触れてみると、手にチョークのような白い粉が付く症状のことを言います。
この白い粉の原因は、塗料に含まれている顔料が風雨や紫外線、太陽の熱などによって劣化することにあると考えられています。
一般的な塗料の場合、外壁の状態にもよりますが10年を経過する頃にはチョーキング現象が現れるようになります。
しかし、難付着サイディングボードの場合では、10年程度ではチョーキング現象が起きるようなことはほぼありませんし、見た目の色あせなどもそれほどみられません。
そのため、築年数が10年を経過しているにも関わらずチョーキング現象がみられないようであれば、難付着サイディングボードである可能性が高いと言えるでしょう。
・ラッカーシンナーでも塗料が溶けない
通常のサイディングボードの場合であればラッカーシンナーで擦ってみれば塗膜が溶けて色が落ちますが、難付着サイディングボードでも溶けることはありません。
ラッカーシンナーとは、塗料を希釈するために使うシンナーのことを言います。
一般的な外壁塗装の場合、塗料用のシンナーを活用しますが、それよりもラッカーシンナーの方が溶かす力は強い特徴があります。
実際に試してみる場合には、要らないタオルなどにラッカーシンナーを含ませて、外壁の隅など目立たない箇所で行うようにしてください。
ただし、ラッカーシンナーは人体への影響が大きく、引火性も強いために、換気や火気には十分注意しながら使用するようにしましょう。
難付着サイディングボードの外壁塗装の方法
難付着サイディングボードに塗装する作業は、難しいということをご理解いただけたのではないでしょうか。
しかし、塗装できないというものではなく、正しい方法で塗装すれば、メンテナンスは可能となっています。
どのように進めていけばいいのか、お伝えしていきましょう。
・専用の下塗り材を活用する
難付着サイディングボードに塗装する場合には、専用の下塗り材を使用しなければなりません。
冒頭からお伝えしている通り、難付着サイディングボードは汚れがつきにくく、塗料までもつきにくい性質を持っています。
そのため、密着性の高い、専用の下塗り剤を活用することによって、効果的に外壁塗装に取り組むことができるのです。
外壁塗装は一般的に、下塗り、中塗り、上塗りの順番で3回塗りが行われます。
サイディングボードに直接塗るのは下塗り剤ですから、中塗り・上塗りを効果的に行うためにも、下塗り材の密着性がとても重要になるのです。
専用の下塗り材であれば、難付着サイディングボードであっても十分に密着させることができます。
また丁寧な塗装業者であれば、塗膜がきちんと外壁に密着するか、塗装テストを行ったうえで塗装を開始していきます。
・専用の下塗り材とは
下塗り材にはさまざまなものがありますが、難付着サイディングボードに活用できる下塗り材であるか判断するには、塗料の概要に記載されている「適用下地」をみるといいでしょう。
「光触媒」「無機系」「フッ素」など特殊な処理をされているサイディングボードでも活用できる旨が記載されていれば、使用することが可能です。
代表的な専用の下塗り材には次のものがあります。
関西ペイント:アレスダイナミックシーラーマイルド
日本ペイント:ファインパーフェクトシーラー
エスケー化研:エスケーハイブリッドシーラーEPO
ただ、難付着サイディングボードの種類によっては、通常の下塗り材を活用できるものもあります。
塗装業者に確認してみると良いでしょう。
まとめ
難付着サイディングボードの外壁塗装について、詳しくご紹介しました。
難付着サイディングボードは汚れがつきにくく、綺麗が長持ちする性質があり、近年多くの住宅建築において活用されています。
ただ、塗料もつきにくい特徴があるため、外壁塗装に取り組むためには注意も必要なのです。
特に経験や知識が不足している塗装業者の場合においては、間違った塗装方法をされてしまうことがあります。
そのため地元に密着し、実績豊富な業者を選んでおくことをおすすめします。
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この記事の著者について
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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
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