サイディングボードやALC(軽量発砲コンクリート)パネルなどの外壁材を壁面に貼り付けるために重要な「コーキング」。
高い柔軟性の特徴を持っている目地充填剤のことを言い、「シーリング」と呼ばれることもあります。
固い外壁材と外壁材のすき間をなくすことができ、すき間を防いで外側からの雨水やホコリなどの侵入を防ぎます。
しかしこのコーキングは外壁塗装を行うことによって、あとから『ブリード現象』と呼ばれるさまざまな現象が現れることがあります。
ここでは、コーキングの『ブリード現象』について、外壁塗装のプロが徹底解説いたします!
コーキングの『ブリード現象』とは?外壁はどうなるの?
これから外壁塗装に取り組むご家庭の中には「ブリード現象」が起きないようにするにはどうすればいいのか、気になっている方も多いでしょう。
あるいはすでにブリード現象と思われる現象が現れており、どのように対処すればいいのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そもそもコーキングに現れるブリード現象とはどのようなものなのでしょうか。
詳しく解説していきます。
・コーキングのブリード現象とは
コーキングのブリード現象とは、コーキング剤のうえに塗装を行ったあとに、黒っぽく変色してしまう現象のことを言います。
塗装後の1~2年後くらいから現れはじめ、「コーキングが劣化しているのでは」「何か問題が生じているのでは」と感じる方も少なくありません。
ブリード現象が生じやすいコーキング剤が存在し、そこに塗料を塗ることによって塗料の成分が反応を起こし、黒く変色してしまうのです。
この変色は劣化を伴って生じるものですから、美観が損なうというだけではなく、コーキング剤自体の耐久性も低下しています。
塗装の劣化も早まるものですから、短期間のうちに塗料が本来持っている機能を低下させてしまうことも考えられます。
場合によっては1年から2年程度で塗装をしなおさなければならないこともありますので、ブリード現象が起きないように対策を講じておかねばならないのです。
ただ、すべての外壁塗装業者がブリード現象を把握している訳ではありませんので、しっかりと理解している業者に依頼することが必要になるでしょう。
・ブリード現象の原因
ブリード現象はコーキング剤に含まれる「可塑剤(かそざい)」と呼ばれる素材が内部からにじみ出て、塗料と反応を起こしてしまうことが原因です。
可塑剤とはコーキング剤に柔軟性を持たせるための素材で欠かせないものです。
輪ゴムや消しゴムなどにも使用されている添加物であり、劣化によるヒビ割れや剥がれを起こしにくくするものです。
コーキング剤は外壁材と外壁材のすき間を埋めていくために活用されています。
外壁材はとても固い素材で作られていますから、いくつもの外壁材をすき間なく繋ぎ合わせることは不可能です。
しかし、コーキング剤を活用すると、高い柔軟性を持っていますから、外壁材をうまく繋ぐことができ、しかもクッションの役割にもなるのです。
そのようなことからコーキング剤が広く活用されているのですが、可塑剤が含まれているものであればブリード現象が生じるリスクがあることを理解しておかねばなりません。
近年では可塑剤が含まれていないコーキング剤が活用されるようになりました。
しかし過去のものには可塑剤が含まれるものが多かったために、塗装の際には注意が必要であると言えるでしょう。
・ブリード現象はどこに発生するの?起こりやすい場所
ブリード現象が起こりやすい場所は、可塑剤の入ったコーキング剤を充填した箇所に生じます。
コーキング剤の見た目に黒っぽく変色が生じていたり、触ると表面がベタベタしていたりしていることによって気がつきます。
主にコーキング剤が使用されているのは、サイディングボードの目地やモルタルのひび割れ補修している箇所などが挙げられます。
特にモルタルの外壁の場合、ホワイト系やクリーム系など白や薄い色の塗料を活用していることが多いので、黒っぽく変色してしまうととても目立ちます。
美観を損なうだけではなく、塗料の劣化にもつながりますので、外壁塗装のやり直しが必要になることも珍しくありません。
・コーキングがブリード現象を起こすまでの期間は
コーキングのブリード現象は、塗装をすればすぐに現れるというものではなく、1年から2年経過した後に現れる特徴があります。
塗装から1年や2年と言うと本来であれば、まだまだ塗装の効果が発揮できる時期であると言えるでしょう。
ただ、ブリード現象によって塗料の劣化が始まり、黒っぽく変色し、触ると表面がベタベタしていますから、結局は塗装し直す必要が生じてしまうのです。
わずか2年足らずで塗装し直すことになると、それだけ無駄な費用を費やすことになります。
そのためブリード現象には十分注意して外壁塗装に取り組まねばならないのです。
コーキングのブリード現象によってどうなるの?
- コーキングそのものの劣化
- 塗装が劣化してしまう
- 黒く変色して悪目立ちしてしまう
コーキングに生じるブリード現象は、上記3つの現象が特徴的です。
とにかく何もいいことのない現象ですから、しっかりと理解して、ブリード現象が起こらないように塗装に取り組むことが大切です。
それではこの3つの症状について詳しくお伝えします。
・コーキングそのものの劣化
コーキングのブリード現象とは、上記でも説明した通り、コーキング剤から可塑剤と呼ばれる素材が染み出して塗料と反応している状況のことを指しています。
一般の方であればピンとこないかもしれませんが、筆箱の中に入れている消しゴムがベトベトとしていたり、日常で活用している輪ゴムが物にくっついてしまったりしているところをご覧になった方は多いでしょう。
消しゴムや輪ゴムにも可塑剤が含まれており、それらが染み出すことによってこのような状況を生み出しているのです。
例えば、ベタベタした輪ゴムの場合、十分に伸びたり縮んだりできなくなっているのではないでしょうか。
これと同じことがコーキングにおいても生じています。
コーキングには外壁と外壁を柔軟につなぎとめる重要な役目を持っていますが、弾力性がなくなっていることが考えられるのです。
・塗装が劣化してしまう
コーキングのブリード現象は、コーキング剤そのものの劣化だけではなく、塗料までも劣化させてしまいます。
コーキング剤から染み出した可塑剤は、塗料の素材に反応してしまい塗料そのものが変質してしまうのです。
塗料が変質してしまうと、本来持っている耐久性をはじめとするさまざまな機能が低下してしまい、短期間で塗り直しが必要になる恐れがあります。
一般的な塗料では、10年程度の耐久性があると考えられていますが、ブリード現象は1年から2年で生じてしまいます。
そのため劣化が生じてしまうことによって塗り直しが必要となった場合、それだけ無駄な費用が生じることになるのです。
メンテナンスコストを下げるために、耐久性の高い塗料を活用したとしてもブリード現象によって無駄になってしまうこともありますので、特に注意が必要でしょう。
・黒く変色して悪目立ちしてしまう
ブリード現象は黒っぽく変色することが特徴で、とても悪目立ちしてしまいます。
外壁のカラーがブラック系であればまだしも、ホワイト系など白っぽい塗料を活用している場合には、かなり美観を損ねてしまうことになります。
ブラック系の外壁であるとしても、ブリード現象が生じている箇所を見てみると、かなり色にムラが出て、グレーぽい感じが強くなってしまいます。
コーキングにまんべんなく症状が現れるわけではなく、意図しない形で変色してしまうことになりますから、せっかく綺麗に塗装したのであれば絶対に避けたい現象でしょう。
コーキングのブリード現象を防ぐには
- ノンブリードタイプのコーキング剤を使用する
- 専用のプライマーを塗布する
- 古いコーキングを除去して新しいものを打っていく
- ブリード現象を熟知している塗装業者に依頼する
コーキングや塗料が劣化し、美観まで損なうことになりますから「ブリード現象は絶対に避けたい!」と実感されていることでしょう。
ブリード現象は防ぎきれない現象ではなく、対策を講じることによって避けることができます。
ブリード現象を防ぐための方法として、上記4つのポイントにまとめてみました。
順番に詳しくお伝えしていきましょう。
・ノンブリードタイプのコーキング剤を使用する
コーキングに含まれている可塑剤がブリード現象の原因になるとお伝えしましたが、近年ではこの可塑剤が含まれていないタイプが販売されています。
このコーキング剤のことを「ノンブリードタイプ」と呼ばれており、現在施工されている住宅においては主流となっています。
そのため住宅で使われているコーキング剤が、ノンブリードタイプのものか、可塑剤が含まれているものか確認しておくと安心です。
新築の場合であれば、施工業者に対してどのようなコーキング剤を使用したのか聞いておくといいでしょう。
これからコーキング材を充填するなど、メンテナンスを行う場合にも、ノンブリードタイプのものを活用してもらうように伝えておくようにするようにしましょう。
・専用のプライマーを塗布する
一昔前に施行されたコーキング剤の場合であれば、可塑剤が含まれているものである可能性があります。
当時の施工業者に確認することが難しい状況もありますので、そのような場合であれば「逆プライマー」「ブリードプライマー」をコーキングの上から塗布すると良いでしょう。
これらはプライマーと呼ばれているもので、コーキングから染み出た可塑剤の成分が、塗料との反応を防ぐことができます。
・古いコーキングを除去して新しいものを打っていく
そもそもコーキングの耐久年数は5年から10年程度と言われています。
すでにひび割れや剥がれなどが見られている場合には、かなり劣化が進んでいることが見受けられます。
あるいはコーキングの表面がベタベタしている場合には、可塑剤が染み出して、コーキングの柔軟性が奪われている可能性もあります。
そのような場合には、古いコーキングを除去して、ノンブリードタイプの新しいコーキング剤を打っていくことをおすすめします。
・ブリード現象を熟知している塗装業者に依頼する
塗装業者の中には、コーキングのブリード現象について全く知識がないということが残念ながらあります。
ブリード現象についての知識がない中で、外壁塗装に取り組んでしまった場合、短期間のうちに塗装を劣化させてしまったり、黒く変色させてしまったりしてしまうことになります。
そのようなことから、外壁塗装を検討している場合であれば、必ずブリード現象について熟知しているプロの塗装業者に依頼することが大切です。
外壁塗装の見積もりを出してもらうような際に、ブリード現象について質問してみるといいでしょう。
本当に理解しているプロの塗装業者であれば、その対策について具体的にさまざまな提案があるはずです。
コーキングのブリード現象を発見したら
コーキングにブリード現象を発見した場合、そのまま放置しておくことで、さらに劣化や変色が広がってしまう可能性があります。
なるべく早く補修することが大切です。
上記でもお伝えした通り、ブリード現象はコーキングと塗料を劣化させてしまうものです。
そのため、ブリード現象が生じているコーキングを除去し、再充填した後に塗装し直す必要があります。
コストのことが気になることは当然のことですが、ブリード現象はどんどん進行していくものですから、塗装面に大きな悪影響を及ぼすことになります。
可能な限り、早期に補修することをおすすめします。
まとめ
コーキングの『ブリード現象』について詳しくお伝えしました。
ブリード現象とはコーキングに含まれている可塑剤が染み出すことによって、塗料の成分に反応してしまうことを指しています。
- コーキングそのものの劣化
- 塗装が劣化してしまう
- 黒く変色して悪目立ちしてしまう
といった悪影響を及ぼすことになり、さらに塗装面に広がっていく可能性がありますので、できる限り早期に対処することが大切です。
ノンブリードタイプのコーキング剤を使用することや、専用プライマーの塗布、古いコーキングを除去して新しいものを打っていく、といった対策によってブリード現象を防ぐことができます。
また何よりもブリード現象を熟知しているプロの塗装業者に依頼することが大切でしょう。
外壁塗装を検討しているのであれば、地元に密着し、実績豊富な業者を選んでおくことをおすすめします。
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この記事の著者について
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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
一人でもそういう方がいなくなり、私たちが地元の皆さまに貢献できればと思っています。川崎市・横浜市にお住まいで、外壁塗装についてお悩みの方はお気軽にご相談下さい。(会社概要・本店について|青葉店はこちら)