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「外壁にひび割れがあるのだけど…」
「このまま放置しておいて大丈夫?」
何気なく外壁に目をやって、ひび割れを発見したという方は多いのではないでしょうか。
そのまま放置しておいていいのか、すぐに補修しなければならないのか、あるいは業者に相談が必要なのか…。
大切な住宅のことですから気になるのは当然でしょう。
ひび割れの中には、早急な補修が必要ではないものもありますが、雨漏りの原因になってしまうものや、最悪の場合、倒壊の恐れがあるようなものもあります。
そこでここでは、外壁のひび割れに着目して、どのような種類があるのか、その特徴や注意点、補修方法など、プロの塗装業者が徹底解説していきましょう。
外壁に生じるひび割れの種類と特徴
外壁に生じるひび割れには、さまざまな種類のものがあり、それほど急いで対応しなくて良いものから、専門業者に相談して早急に対処しなければならないものまであります。
よくみられるひび割れの種類とその特徴についてお伝えしていきましょう。
・ヘアクラック
『ヘアクラック』とは、字の通り、髪の毛のようにとても細く短いひび割れのことを指しています。
ひび割れの大きさは、幅0.3mm以下のものを言います。
外壁そのものにひび割れが生じている訳ではありませんので、すぐに雨漏りが生じたり、建物が崩れてしまうような心配はありません。
ヘアクラックが発生してしまう原因は、紫外線や風雨などの外部環境であると考えられます。
外部環境の影響を受けやすい外壁は、収縮や膨張を繰り返すことによって、少しずつ塗膜が劣化してしまい、ついにはひび割れが生じるのです。
つまり、ヘアクラックは外壁に塗装されている塗料の劣化症状であると考えられます。
前回の塗装から10年以上経過しているようであれば、そろそろ塗装の時期であると認識しておく必要があるでしょう。
ただ、塗装から短い期間でヘアクラックが生じている場合には、3工程ある塗装作業において、十分な塗装感覚を設けずに上塗り仕上げをしてしまった可能性があります。
外壁塗装は「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗りによって強固な塗膜をつくり上げていきますが、それぞれの工程でしっかりと乾燥させないと、表面にひび割れが生じることがあるのです。
・構造クラック
『構造クラック』とは、建物の構造上の欠陥や外部要因によって、外壁内部からひび割れが生じている状態を指しています。
ひび割れの大きさは、幅0.3mm以上のもので、とても大きなものであるケースもあります。
外壁表面だけに生じているようなものではなく、外壁そのものに生じている危険な状態であるため、早急な点検や補修が必要であると考えられます。
構造クラックが発生してしまう原因は、想定以上の大きな地震が発生したり、地盤が沈下していたり、基礎が劣化しているなど、建物に負荷がかかっていることにあります。
建物が大きく揺れたり、歪んだりしてしまうことによって、外壁材に負荷が大きくかかってしまい、ひび割れが生じるのです。
ひび割れから雨水が侵入し、雨漏りが生じてしまう可能性や、深刻なひび割れの場合には建物が倒壊してしまうリスクも考えられます。
そのため、外壁に補強を施しておかないと、これからもひび割れ部分に歪みが生じることになりますので、さらに症状が悪化してしまう可能性があります。
・乾燥クラック
『乾燥クラック』とは、モルタルの外壁によくみられる現象であり、ひび割れの大きさは間近でみると確認できるとても小さなひび割れのことを指しています。
外壁そのものに生じているようなものではなく、塗料の塗膜に生じているひび割れですから、すぐに補修しなければならない重大なものではありません。
乾燥クラックが発生してしまう原因は、外壁塗装の工程において、塗膜が完全に乾燥する前に重ね塗りすることによって、素地が乾燥して収縮を起こし塗膜がひび割れしてしまうというものです。
ただ、このひび割れは、塗膜表面のみに現れるものですから、完全に乾燥してしまえば、それ以上ひび割れが広がることはありません。
乾燥クラックを生じさせないようにするには、外壁塗装の下塗りには微弾性フィラーを使用しておき、上塗りに弾性塗料を使用しておくと、素地の乾燥収縮による影響を受けにくい外壁となります。
・縁切れクラック
『縁切れクラック』とは、外壁塗装の作業を中断したり、部分的にやり直しすることによって、塗料のつなぎ目部分にひび割れが発生する状態のことを言います。
モルタル外壁の外壁塗装においては、一度に一面すべてを仕上げていきますが、その作業途中にいったん中止するようなことや、部分的にやり直しするような場合には、塗料の乾燥具合に差が生じてしまい、塗り継ぎ部分にひび割れを生じさせやすいのです。
ひび割れの大きさが幅0.3mm以下のものであれば下塗りで処理することが多く、0.3mm以上のものであればシーリング材で補修します。
外壁にひび割れが発生する原因
ひび割れが発生する原因は、大きく「塗料によるもの」「外壁そのものによるもの」に分けることができます。
それぞれに対処法は異なります。
・経年劣化
外壁に生じているひび割れの多くは、経年劣化によるものです。
外壁に塗装されている塗料は、紫外線や風雨などの影響を受けますので、少しずつ劣化が進行します。
また、外壁材にはモルタルやサイディングボードがよく活用されていますが、これらは外部環境によって膨張と収縮を繰り返しています。
塗膜が劣化してしまうと、そのような状況に耐えられなくなってしまい、ひび割れを起こしてしまうのです。
・外壁塗装の施工不良
外壁塗装の工程は、「下塗り・中塗り・上塗り」の3度塗りが基本となっていますが、下塗り後の乾燥が十分でない状態で重ね塗りしてしまうと、ひび割れしやすくなります。
また、外壁塗装の途中に雨天などで作業を一時的に中断して作業を再開するような場合、塗り継いだ部分の乾燥度合いが異なるために、ひび割れが生じやすくなってしまいます。
・地震や振動
地震や地盤沈下などによる振動によって外壁に大きな負担が生じるような場合や建物の構造に欠陥があるような場合には、外壁そのものにひび割れが生じることがあります。
塗膜だけに生じているものではないために、ひび割れの幅が広く、深さもあるようなケースも多いことから、耐震性能が下っている可能性があり、最悪の場合には倒壊してしまうこともあります。
そのため、早急な対処が必要となるものも少なくありません。
外壁のひび割れの注意点
「少しくらいのひび割れだから大丈夫だろう」と高を括っていると、さまざまな被害に発展してしまうことがあります。
どのような悪影響をもたらしてしまうのか、ご説明していきましょう。
・雨漏り
外壁のひび割れは、そこから雨水が侵入してしまうことになります。
特に、亀裂部分の幅が大きいものであれば、外壁部分だけではなく、内部の壁にまで雨漏りしてしまうようなこともあります。
雨水がひび割れから入り込んでしまうと、外壁自体が黒ずんでしまったり、外壁内部が腐食してしまうようなこともあります。
・建物の耐久性の低下
ひび割れが予想以上に深刻な場合には、建物自体の耐久性が低下している可能性があります。
耐久性が低下してしまうと、地震などの振動によって外壁が崩れてしまうことや、建物が倒壊してしまうリスクも考えられます。
また、小さなひび割れであるとしても、雨水が少しずつ侵入すると劣化を進行させることになり、モルタルやサイディングの下地部分が腐食してしまう可能性もあります。
そのため、外壁のひび割れは予想以上に深刻なトラブルに発展してしまう可能性があると理解しておくことが大切です。
・カビの発生・健康被害
外壁に生じているひび割れから雨水が侵入すると、湿気によってカビが発生しやすくなります。
特にひび割れ箇所が、日光に当たらない場所や汚れが多くみられる箇所であれば、カビが成長しやすく、どんどん増殖していくことになります。
そのままカビが増えていくと、空気中にカビ菌が漂うことになり、健康に対しても悪影響を及ぼします。
アレルギー症状や感染症などを引き起こすきっかけになることも珍しくありません。
・シロアリの発生
ひび割れから雨水が侵入し続けていると、その箇所にシロアリが発生してしまうことがあります。
シロアリは腐食した木材を好む習性を持っていますので、シロアリを発生させないためにも湿気対策はとても重要なのです。
しかし、ひび割れに気づかずに放置した結果、外壁内部にシロアリが大量発生しているようなことがあります。
シロアリの発生は、建物の耐久性を低下させてしまうリスクがありますので注意が必要です。
・美観を損なう
外壁のひび割れは、それだけで建物が古びた印象になってしまい、雨水がどんどん侵入し続けていると、雨染みによって黒くなってしまいます。
雨染みをそのまま放置しておくと、外壁の劣化を早めてしまい、塗膜がどんどん剥がれ落ちて美観を損なうことになります。
外壁に生じたひび割れの補修方法と注意点
冒頭からもお伝えしている通り、外壁のひび割れはさまざまなリスクを伴うものです。
そのため、小さなものでも速やかに補修することが大切です。
ただし、ご自身で補修するDIYに取り組む場合には注意点があり、難しいケースであれば塗装業者など専門業者に相談することが適切です。
・DIYの注意点
外壁のひび割れに対する、プロが行う作業の一例をお伝えしましょう。
「Uカットシール工法」においては、専用工具を活用してひび割れ部分をカットして、その部分を綺麗にし、プライマーを塗布したうえで専用のコーキング材を充填、さらに塗装仕上げを行います。
ただ、補修作業は簡単なように思えるかもしれませんが、ひび割れの状態や箇所によっては一般の方が行うにはかなり難しいケースもあります。
外壁のひび割れは、小さなものでも深刻な状況である可能性もあることから早めの補修が必要ですが、塗装業者に相談するとなお安心です。
しかしそれでも、「まずは自分で補修して様子をみよう」という方も多いのではないでしょうか。
DIYでひび割れの補修をする際の注意点として、
- 補修がうまくできないと劣化がどんどん進行してしまう
- 外壁のひび割れ補修で使うべきではないコーキング材がある
- 高所の補修作業は転落の危険性が
などといったものがあります。
しかし、間違った補修方法では劣化を早めてしまうことになります。
さらにホームセンターで販売されている「シリコン系コーキング材」を活用してしまうと、塗膜剥離の原因になってしまうことも考えられます。
また、ひび割れ箇所によってはハシゴで登って作業する必要があることから、転落してしまうリスクがあるでしょう。
無理してDIYに取り組んで、外壁の状態をさらに悪化させてしまったり、転落して怪我をしてしまうくらいなら、プロの塗装業者に相談してみることをおすすめします。
・塗装業者に依頼する
外壁のひび割れについてご紹介してきましたが、やはり安心であるのはプロの塗装業者に相談することです。
ひび割れの状態を診断したうえで、適切な対処法を提案してもらうことができます。
ただ、塗装業者の中には、経験値が低く、ひび割れの状態を適切に判断できない塗装業者も少なくありません。
もし、適切な補修がなされないとしたら、さらにひび割れの状態を悪化させてしまい、大きなトラブルに発展しかねないのです。
そのため、地元で実績豊富な塗装業者に相談するようにしましょう。
地元に根付いて営業活動を行っている塗装業者であれば、ひび割れの状態を適切に診断し、正しい補修方法において作業ができます。
また、工事が終ってからでも保証してもらうことや、アフターフォロー、メンテナンスなども行き届いています。
まとめ
この記事では、外壁のひび割れの種類や特徴などについて詳しくご紹介しました。
外壁は紫外線や風雨、地震など外部環境の影響を受けやすい箇所ですから、劣化に伴ってひび割れが生じてしまうことがあります。
ただ、早期に発見して適切に対処すれば、外壁を長持ちさせるだけではなく、暮らしの安全を守ることができます。
しかし、そのまま放置してしまうと雨水が侵入して、雨漏りや腐食、シロアリなどの悪影響によって、最悪の場合には住宅を損傷させてしまうことにも繋がります。
DIYで補修することも可能ですが、安心した暮らしを守るためにも、プロの塗装業者に相談することをおすすめします。
「こんな相談しても嫌がられないかな?」
「まだやるか決めていないんだけれど…」
など、ご心配不要です。
「HPを見たのですが…」と、0120-711-056(年中無休8時〜19時)まで、お気軽にお電話下さい。川崎市・横浜市を中心に神奈川県全域が施工エリアになります。お家の外壁塗装、屋根塗装は職人直営専門店の「池田塗装」にお任せください。
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この記事の著者について
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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
一人でもそういう方がいなくなり、私たちが地元の皆さまに貢献できればと思っています。川崎市・横浜市にお住まいで、外壁塗装についてお悩みの方はお気軽にご相談下さい。(会社概要・本店について|青葉店はこちら)