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「遮熱塗装って本当に効果があるの?」
近年、暑すぎる夏が続いていることから「エアコンが欠かせない」というご家庭も多いのではないでしょうか。
そこで外壁や屋根に「遮熱塗装」を選ばれるケースが増えています。
遮熱塗装で活用される塗料とはどのようなものなので、本当に遮熱塗装は効果があるのでしょうか。
そこでここでは、遮熱塗装に着目して、どのようなものなのか、その特徴やメリット・デメリットなど、プロの塗装業者が徹底解説していきましょう。
遮熱塗装とは
遮熱塗装とは、温度上昇を防ぐ効果の高い塗料を活用して外壁や屋根に塗装し、室内の温度を快適に保つことを期待するものとして注目されています。
太陽光を反射させる効果に優れており、室内に熱を伝えにくくして、温度上昇を防ぐ効果があります。
・遮熱塗装とは~太陽光を反射させる機能に優れた塗料
遮熱塗装とは、遮熱性能に優れている塗料を活用した塗装のことを言います。
屋根や外壁は太陽光が当たると熱を生じさせ、それがそのまま内部にまで伝導して室内の温度上昇に繋がります。
遮熱塗料は太陽光を反射させる機能に優れており、外壁や屋根に当たる太陽の熱が吸収されるのを防ぐことができます。
そのため、温度上昇しやすい夏場においても室内の温度上昇を抑え、室内を快適に保つ効果が期待できます。
実際、施工前と施工後の温度差を調べてみると、外壁や屋根の表面温度には15℃~20℃程度の差が生じ、また室温も5℃程度の低減がみられるといったデータも存在します。
このようなことから見ても、夏場の電気代の削減や省エネに大きな効果が期待できるものになるのではないでしょうか。
・遮熱効果とは
遮熱塗料の持つ遮熱効果には4つのポイントがあり、
①太陽光を反射させる効果に優れている
②熱を放射して外部に逃がしてしまう
③熱を住宅内部に伝えにくい
④遮熱の持続性に優れている
といったものが特徴となっています。
特に、遮熱塗料の優れている点は①の太陽光の反射です。
遮熱塗料には太陽光の反射を「高日射反射率」として示されており、一般的な塗料と比較すると高い反射率が示されていることがわかります。
また、④の遮熱の持続性も大きなポイントなるもので、①の高日射反射率と大きく関わっています。
特に、汚れの付きやすい塗料であれば、当然ながら太陽光をうまく反射させることができませんので、低汚染性が遮熱塗料の特徴となっています。
・遮熱塗料と断熱塗料の違い
遮熱塗料と同じように、室内の温度上昇を抑えるイメージがある塗料に「断熱塗料」があります。
遮熱塗料とはどのような違いがあるのでしょうか。
断熱塗料は保温効果に優れている塗料ですが、遮熱塗料のように光を反射させて熱を抑えるようなことはできません。
外部からの熱や冷気による影響を抑えるため、エアコンによって夏場は涼しく保つことができ、冬場は熱を逃がさず暖かい状態を保つことが期待できます。
そのようなことから、
遮熱塗料:太陽光を反射させて熱を逃がす
断熱塗料:室内の温度を保つ
という違いがあることがわかります。
また、コスト面で大きな違いがあり、断熱塗料は遮熱塗料よりも価格が高額であることが知られています。
遮熱塗装の費用相場
遮熱塗料は、一般的な塗料よりもコストが高くなる傾向にあると言われます。
ただ、太陽光を反射させて熱を逃がしてしまう優れた性質を持っているために、一般的な塗料よりも高い耐久性にも注目しておく必要があります。
・遮熱塗料と一般的な塗料との費用相場の違い
一般的に活用されるシリコン塗料の場合、その相場は1㎡あたり約1,700円~3,500円程度となっていますが、遮熱塗料の相場は約3,000円~5,500円程度になります。
単純に価格だけで比較すると、遮熱塗料の相場が高いことが見て取れます。
ただ、日進産業が販売されている遮熱塗料『ガイナ』は、1㎡あたりの相場は4,300円~5,800円/㎡となっていますが、期待耐用年数が15~20年と公表されています。
コストと耐久性による塗り替え頻度を比較して検討するといいでしょう。
・人気の遮熱塗料と費用相場
遮熱塗料 | 単価相場 | 期待耐用年数 |
サーモアイSi
(日本ペイント) |
3,700円~4,000円/㎡ | 6~10年 |
クールタイトF
(エスケー化研) |
3,700円~4,500円/㎡ | 8~10年 |
ガイナ
(日進産業) |
4,300円~5,800円/㎡ | 15~20年 |
良く活用されている遮熱塗料を3点ご紹介します。
『サーモアイSi(日本ペイント)』は、シリコン樹脂塗料で、耐久性が高い屋根用遮熱塗料です。
一般的な塗料と比較してもそれほど大差はないことから、屋根塗装に採用されるケースが多くなっています。
『クールタイトF(エスケー化研)』は、フッ素樹脂系の塗料で、太陽光線の中でもエネルギーの強い近赤外領域を反射して、熱を逃がしてしまう性質に優れています。
また低汚染性能が高く、汚れが付着することによって遮熱効果の低下を防ぎます。
『ガイナ(日進産業)』は、その他2点と比較すると若干費用が高くなっていますが、期待耐用年数が15~20年と長くなっています。
これは、紫外線に強いセラミックを多層化しているためで、夏の冷房に対する効果だけではなく、冬の暖房に対する効果にも優れていると言われています。
また、水性であるために安心して使用することが可能です。
遮熱塗料の注意点
- より遮熱効果を求めるならホワイト系の色を選ぶようにする
- 冬に暖かみのある日射を遮ってしまうことも
- 効果を実感しやすい住宅の構造がある
遮熱塗料にはいくつかの注意点がありますが、上記の通り3つのポイントにまとめることができます。
遮熱塗料はさまざまな色を選ぶことができますが、太陽光をもっとも反射させるのはホワイト系になります。
ブラックやブラウンなどでも遮熱塗料は存在するのですが、より効果を得たいのであれば、ホワイト系を選んでおくようにしましょう。
例えば、サーモアイSi(日本ペイント)で公表されている『クールブラック』『クールホワイト』を全日射反射率を比較してみると、
クールブラック:28.4%
クールホワイト:91.0%
と大きな差があることがわかります。
また、遮熱塗料は冬場においては冬場の日射まで反射させてしまい、せっかくの南向きの部屋でも暖かみが感じられなくなる可能性があります。
そのため、夏場の暑すぎる室温の上昇を改善したいのか、冬場の暖かさを優先させるのか、しっかりと検討しておく必要があります。
さらに、住宅の構造によっても、遮熱塗料に期待できる効果が異なります。
例えば、吹き抜けの住宅であれば、屋根裏がないために屋根から熱が伝わりやすい構造となっているために、遮熱塗装によって効果が実感しやすいと言えます。
室内空間が広いために、今までがエアコンが効きにくかったとしても、遮熱塗装によって効きやすくなる可能性があります。
また、ロフトのように屋根に近いスペースにおいては、屋根に遮熱塗装すると温度上昇を抑えることができるために、効果を実感しやすいでしょう。
つまり、近年よく見かけるような住宅構造の場合には、比較的、遮熱塗装のメリットを実感しやすいと言えるのではないでしょうか。
遮熱塗装のメリット・デメリット
太陽光を反射させ、熱を逃がすことによって室内を快適にしてくれる遮熱塗装ではありますが、メリットだけではなくデメリットも存在します。
遮熱塗装を検討しているのであれば、メリット・デメリットのバランスを比較して、検討するといいでしょう。
・遮熱塗装のメリット
- 室温の上昇を抑えられる
- 夏場の電気代の削減に繋がる
- コストパフォーマンスに優れている
遮熱塗装のメリットには、上記の通り、3つのポイントにまとめることができます。
遮熱塗料は、夏場の温度上昇の原因となる太陽光を反射させ、熱を逃がすことで室内の温度上昇を抑える効果が期待できます。
近年の夏は40度に近づくような暑すぎる日が観測されるようなこともありますが、そのような猛暑であっても太陽光を反射すれば、室内温度を快適に保つことができます。
塗装前と比較して3℃程度の低下が期待でき、かなり体感で涼しく感じられることになります。
また、室内温度の上昇を食い止めることができれば、必然的に電気代の削減・省エネに繋げることが期待できます。
室内温度が3℃程度下れば、それだけエアコンの設定温度も必要以上に下げる必要がなくなったり、使いすぎることもなくなるからです。
さらに、遮熱塗料は耐用年数の長さも特徴となっています。
一般的な塗料では塗り替え時期は10年程度と言われますが、遮熱塗料では15年から20年程度のものも存在します。
その理由として、太陽光の反射に優れているために劣化が生じにくいという点と、汚れに強い低汚染性に優れているという点にあります。
そのようなことから、塗り替え頻度を下げることもできますので、コストパフォーマンスにも優れていると言えるのではないでしょうか。
・遮熱塗装のデメリット
- 一般の塗料よりもコストが高くなる
- 冬場の日射まで防いでしまう
- 汚れが生じると遮熱効果を発揮しない
遮熱塗料は優れた遮熱効果を持っていますが、その分、コストも一般的な塗料と比較して高くなっています。
例えば、一般的に活用されるシリコン塗料の場合、その相場は1㎡あたり約1,700円~3,500円程度となっていますが、遮熱塗料の相場は約3,000円~5,500円程度になります。
ただ、耐用年数が、一般的な塗料と比較すると1.5倍から2倍程度になるものもあることから、コストパフォーマンスの観点から判断することも大切でしょう。
また、遮熱塗料は夏場の太陽光を反射させ熱を逃がしてしまう性質があるため、冬場の暖かな日射まで逃がしてしまうことになります。
夏場は暑いと感じているとしても、冬場では暖かく感じて恩恵を感じているというご家庭も多いのではないでしょうか。
そのような場合には、夏場の快適さと冬場の暖かさのどちらを取るか、慎重に検討する必要があると言えるでしょう。
建物の向きや配置などを考え、遮熱塗装の実績豊富な塗装業者に相談しながら決めるようにします。
さらに、塗膜が汚れてしまうことで、太陽光を反射させにくくなってしまうことがあります。
そもそも遮熱塗料は低汚染性に優れているために、汚れがつきにくく、また雨で汚れを流してしまう性質を持っていますが、定期的な洗浄を検討しておくといいでしょう。
遮熱塗装の部位はどこがいい?
遮熱塗装する部位は、「外壁」もしくは「屋根」が検討されることになります。
太陽光を反射させるという性質を持っていることから、より太陽による影響を受けている部位に塗装することによって、コストパフォーマンスを高めることができます。
・外壁への遮熱塗装
外壁への遮熱塗装を検討するにあたって、南北あるいは東西に受ける日射量がどの程度なのか把握しておくことが重要になります。
夏場においては、東西の日射量が高くなりますので、例えば西日が当たって温度上昇に悩まされているというご家庭であれば、西側の壁に遮熱塗装しておくと効果的です。
南側においては、冬場には南からの日射が暖かく心地よさを感じているというご家庭も多いことから、夏と冬のバランスを比較して検討する必要があります。
・屋根への遮熱塗装
住宅の中でもっとも太陽光の影響を受けている部位と言えば間違いなく屋根でしょう。
特に夏場においては、屋根がジリジリと太陽に照りつけられることによって、どんどん室内の温度が上昇します。
住宅内の1階と屋根の下にある階では、室温の違いを感じられているご家庭も多いのではないでしょうか。
屋根には勾配があるものの遮熱塗装しておくことによって、太陽光を反射させることができますので、特に住宅の上階の温度上昇が気になるご家庭ではおすすめできます。
特に、夏場には外壁よりも屋根への日射量の方が多いことが分かっているために、コストパフォーマンスを考えると効果が高いと言えるでしょう。
まとめ
遮熱塗装の効果について、その特徴やメリット・デメリット、費用相場などをまとめてご紹介しました。
遮熱塗装は太陽光を反射させて熱を逃がすことに優れていることから、夏場の温度上昇に悩んでいるご家庭におすすめできる方法です。
屋根からの熱、あるいは西日による影響を受けやすい外壁などに塗装しておけば、夏場の温度上昇を抑え、快適に過ごすことが期待できます。
ただ、建物の向きや配置などによっても条件は異なることから、塗装においても実績豊富な地元業者に相談しながら進めていくことをおすすめします。
地元に密着し、実績豊富な塗装業者を選ぶといいでしょう。
「こんな相談しても嫌がられないかな?」
「まだやるか決めていないんだけれど…」
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「HPを見たのですが…」と、0120-711-056(年中無休8時〜19時)まで、お気軽にお電話下さい。川崎市・横浜市を中心に神奈川県全域が施工エリアになります。お家の外壁塗装、屋根塗装は職人直営専門店の「池田塗装」にお任せください。
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この記事の著者について
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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
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