池田塗装の池田です。
今日は「モニエル瓦とセメント瓦の見分け方」について、詳しくお話ししたいと思います。
まず、一般的に瓦屋根は塗装が不要と思われがちです。実際、「和瓦」「陶器瓦」は必要ないと考えています。(近年では塗料も進化し、陶器瓦などに塗装ができる塗料も登場しています。弊社では事情がない限り、塗装をおすすめしておりません。)
しかし瓦にも塗装が必要なものもあります。特に、モニエル瓦とセメント瓦は塗装が必要な屋根材の一つになります。どちらも見た目は同じように見えるのですが、モニエル瓦には塗装に注意点が存在しますので、両者を見分けて適切な対応が必要になります。
そこで本記事では、モニエル瓦とセメント瓦の見分け方について、さらには塗装する際の注意点を踏まえ、横浜市の塗装業者が詳しく解説していきます。
目次
セメント瓦とは?その特徴・塗装について
セメント瓦は、セメントを成形して作られており、表面が少し凸凹しています。切り口を見るとツルツルした質感が確認できます。
その耐用年数は30〜40年と非常に長く、耐火性にも優れています。価格が手頃で、さまざまなデザインが可能なため、多くの家庭で採用されました。
セメント瓦とは?
セメント瓦は1970〜80年代の高度経済成長期に大きく普及した屋根材です。この時期、多くの新築住宅やリフォームにセメント瓦が使われていました。主原料がセメントであるため、瓦自体に重みがあり、風によるズレが少ないという利点があります。特に台風が多い地域・地方では、その安定性が評価され、1995年から1998年頃までは多くの屋根にセメント瓦が活用されていたと言われています。
高耐久性と手頃な価格、そして多様なデザインが可能という点で、多くの家庭に愛用されてきました。耐火性も高く、安全面でも優れているため、長期間にわたり安心して使用することができます。
しかし、後により優れた特性を持つ屋根材が登場しました。例えば、陶器瓦は耐水性や耐久性に優れており、ガルバリウム鋼板は軽量でありながら強度が高いとされています。これらの新しい屋根材が広く流通するようになると、セメント瓦の生産は徐々に減少していきました。
セメント瓦の塗装について
塗装については、一般的なカラーベスト(スレート屋根)と同様の塗装方法で問題ありません。
セメント瓦は、定期的な防水塗装が必要な屋根材です。最初は防水塗装が施されており、雨水をしっかりとはじいています。しかし、時間が経つにつれて紫外線や風雨の影響で塗装が劣化し、セメントの素地がむき出しになると、水を吸収しやすくなります。この水分が原因で、さまざまな劣化症状が生じることがあります。
セメント瓦が劣化し始めると、次のような症状が見られます。この症状が現れたら、塗装の時期と考えましょう。
- 変色や色あせ:最初は鮮やかな色合いだった瓦が、時間とともに色あせてくることがあります。
- カビやコケの繁殖:湿気を吸収しやすくなるため、カビやコケが生えやすくなります。
- ひび割れや欠落:瓦にひびが入ったり、一部が欠けたりすることがあります。
セメント瓦の塗装は、築後約10年が理想的です。これは、最初の塗装の効果が切れて、その後の劣化が進む時期だからです。遅くとも15年経過する前には塗装を行うことが望ましいでしょう。
セメント瓦は厚みがあり頑丈なため、最近の薄型スレート瓦に比べて割れにくいとされています。しかし、万が一大きな割れが発生した場合、補修が難しくなります。現在ではセメント瓦の製造・販売が少なくなっているため、同じ瓦を手に入れるのが難しく、交換が困難です。
モニエル瓦とは?その特徴・塗装・注意点について
モニエル瓦はセメントを主成分としているヨーロッパ発祥の屋根材で、「乾式コンクリート瓦」と呼ばれることもあります。1970年代から80年代にかけて非常に人気がありました。
通常のセメント瓦と似ていますが、モニエル瓦はセメントに砂利を混ぜて作られています。また切り口はざらざら・凸凹しているのが特徴となっています。
モニエル瓦とは?
モニエル瓦は特殊な処理が施されており、耐久性や防水性、耐火性に優れています。「スラリー層」と呼ばれるコーティングによって長期間にわたって美しさを保ち、雨水の侵入を防ぐことができます。
また、セメントと川砂の混合により、素材自体が非常に頑丈です。そのため、夏の暑い日差しを屋根でとどめる遮熱効果があり、防音性にも優れています。雨音や外部の雑音を軽減する効果があるため、静かな室内環境を保つことができます。
しかし、現在は生産されていないため、修理や交換が難しいというデメリットもあります。
モニエル瓦の塗装についての注意点
モニエル瓦の表面は「スラリー層」と呼ばれるコーティングが施されており、コンクリートを保護しています。
このスラリー層によって耐久性やデザイン性に優れているのですが、塗料との相性が悪いため、通常の塗装方法では問題が発生することがあります。塗料の付着を妨げ、早期に塗装が剥がれる原因となってしまうのです。
モニエル瓦を塗装するときの対処法
モニエル瓦の表面にはスラリー層が形成されており、これが塗料の付着を非常に難しくします。このため、再塗装を行う際には、まずこのスラリー層を完全に取り除く必要があります。モニエル瓦の塗装には、以下の2つの対処法があります。
①しっかりと高圧洗浄を行う。ただ、高圧洗浄でスラリー層が取り切れるわけではありません。機械工具を使い、ワイヤーブラシなど手作業でしっかりと除去します。
②スラリー層を固める専用の下塗り塗料(スラリー層強化プライマー)を使用します。
これらの方法を適切に選択することで、モニエル瓦の塗装を長持ちさせることができます。
モニエル瓦の経年劣化と塗装の必要性
モニエル瓦はセメントを主原料としているため、経年劣化による症状が出やすい特徴があります。特に以下のような劣化症状が見られた場合は、塗装の時期と考えましょう。
- ひび割れ:瓦にひびが入ることがあります。
- 塗膜のはく離・チョーキング:塗膜が剥がれたり、チョークのような粉が出たりすることがあります。
- 色褪せ:元の色が薄くなることがあります。
約10年経つと劣化が目立ち始めると言われています。そのため、理想的には10年ごとに、遅くても15年以内に一度は塗替えを行うことが重要です。これにより、瓦の耐久性を維持し、家全体の防水性能を保つことができます。
モニエル瓦とセメント瓦の違い・見分け方のポイント
モニエル瓦とセメント瓦は、形やデザインなど、見た目だけでは判断がつきません。
モニエル瓦とセメント瓦の見分け方としては、切り口を見ることが重要です。
セメント瓦の切り口はツルツルしているのに対し、モニエル瓦の切り口はざらざら・凸凹しています。モニエル瓦はセメントに砂利を混ぜて作られているため、その質感が表面に現れているのです。
形やデザインだけでは見分けがつかないため、このポイントに注目しましょう。
まとめ~横浜市の外壁塗装・屋根塗装のことなら
モニエル瓦とセメント瓦の見分け方と対処法について解説しました。
モニエル瓦はセメントに砂利を混ぜた特殊な瓦であり、スラリー層の存在により塗装が難しい場合があります。対処法としては、スラリー層の除去や強化が有効です。また、見分け方としては切り口の質感に注目することがポイントです。
この情報を参考にして、適切な塗装対策を行いましょう。
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この記事の著者について
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