外壁塗装の仕上がりや耐久性において重要なのは、塗る作業だけではありません。下地調整が適切に行われているかどうかが、その後の塗装の寿命を決定づけるといっても過言ではありません。特に木部や鉄部の塗装において、ケレンは欠かせないプロセスです。
特に木部は外壁に比べて耐久年数が短く、5年ごとのメンテナンスが必要とされていますが、それを知らないまま放置してしまうケースも珍しくありません。
本記事では、ケレンの重要性や具体的な種類、施工のポイントに加え、木部や鉄部の特性と適切なメンテナンス方法について詳しく解説します。また、ケレンの質が保証に与える影響や信頼できる業者の見極め方についても触れています。
目次
下地調整(ケレン)とは?
塗装を長持ちさせるためには、塗装作業そのものよりも、その前段階の「下地調整」が鍵を握ります。下地調整、通称「ケレン」は、塗装面の状態を整える作業のことで、この工程が不十分だと、どれだけ高品質な塗料を使っても塗装の耐久性が大幅に低下する可能性があります。
ケレンの役割と重要性
ケレンの主な役割は、塗装面の不純物を取り除き、塗料がしっかり密着する下地を作ることです。塗装面に錆やホコリ、古い塗膜が残ったままだと、新しい塗料が剥がれやすくなり、短期間でメンテナンスが必要になることもあります。
具体的には、以下のような問題が発生します。
- 塗装の剥離: 古い塗膜や錆びた部分が塗料の密着を妨げる。
- 耐久性の低下: 塗料が適切に密着しないため、塗装の寿命が短くなる。
- 見た目の悪化: 凹凸が目立ち、仕上がりの美観を損ねる。
丁寧なケレン作業を行うことで、これらの問題を未然に防ぎ、塗装の密着性や耐久性を大幅に向上させることができます。特に木部や鉄部の塗装では、この工程が非常に重要です。
ケレン作業が必要な部材とは
木部や鉄部は、外壁やコンクリートに比べて劣化が進行しやすい素材です。これらの部材が特にケレンを必要とする理由には以下があります。
- 木部: 水分や湿気に弱く、腐食や割れが生じやすい。下地が整っていないと塗料が浸透せず、剥がれやすくなる。
- 鉄部: 錆びやすく、錆が進行すると塗膜だけでなく構造そのものが弱くなる。錆を放置したまま塗装すると、耐久性が大きく低下する。
これらの部材は劣化が進むと塗装だけでは対処できなくなり、交換が必要になる場合もあります。そうなる前に、適切なケレン作業を行うことが重要です。
ケレンの種類とその特徴
ケレンには状況や下地の状態に応じて複数の工法があり、それぞれの特徴と目的に基づいて選択されます。この章では、代表的な4つのケレン工法について詳しく解説します。また、どのような現場でそれぞれの工法が適用されるのか、施工例を交えてご紹介します。
○1種ケレン(ブラスト工法)
サンドブラストやショットブラストなどで古い塗膜を完全に除去し、素地を露出させる方法です。大規模な鉄骨建築や、塗膜が大きく劣化している箇所に適しており、工場や橋梁のメンテナンスで用いられることが多いです。表面が完全にむき出しになるため、新しい塗料の密着性が非常に高まります。
○2種ケレン(部分的な素地調整)
ディスクグラインダーやベビーサンダーなどの工具を使い、錆びた部分や劣化した塗膜を部分的に削り取る方法です。塗膜全体の状態が良好だが、一部に錆や劣化が見られる場合に適しています。鉄柵や外階段の錆びた箇所を削り取り、新しい塗料を塗る準備を整えます。
○3種ケレン(手作業による部分除去)
マジックロンや耐水ペーパー、皮すきなどを用いて、手作業で錆や劣化塗膜を除去します。
主な用途: 小規模な修繕や住宅塗装で最も一般的に用いられます。手すりや窓枠など、細かい部分や工具の使用が難しい箇所での施工です。手作業で丁寧に処理することで、細部の仕上がりが向上します。
○4種ケレン(軽い清掃作業)
表面のホコリや汚れを除去し、塗装面を整える方法です。また、塗装の密着性を高めるために細かな傷をつける作業も含まれます。下地の状態が良好で、軽微な清掃のみで対応できる場合に使用されます。主に外壁塗装の調整として用いられます。
住宅や商業施設の外壁塗装では、3種ケレンと4種ケレンが多く採用されます。特に住宅のように繊細な仕上がりが求められる場合には、手作業での細かな調整が重要です。
木部・鉄部の特性とメンテナンスのポイント
木部や鉄部は、外壁と比べて劣化が早く、定期的なメンテナンスが欠かせません。木部は湿気や紫外線に弱く、特に腐食が進行すると修復が難しくなります。一方、鉄部は錆びやすい性質があり、放置すると構造そのものに影響を及ぼす可能性があります。
それぞれの特性に応じたメンテナンスが重要です。
木部の特性と課題
木部は、雨水や湿気を吸収しやすい素材です。そのため、放置すると内部から腐食が進む恐れがあります。また、日光にさらされることで紫外線の影響を受け、割れや変色が発生しやすくなります。塗膜が剥がれたまま放置すると、保護機能が低下し、腐敗がさらに加速します。
そのため、定期的なケレンと塗装が必要です。特に5年ごとを目安に塗装を見直すことで、木部を長持ちさせることが可能です。木部が腐食すると、塗装では対応できず交換が必要になります。このような事態を防ぐためには、塗膜の状態を定期的に確認し、劣化が進む前に適切な対応を行うことが大切です。
鉄部の特性と課題
鉄部は、湿気や空気中の酸素との接触で錆が発生しやすい特性があります。錆が発生すると、塗膜が浮き上がり、さらに錆が広がるという悪循環に陥ることがあります。このような状況を未然に防ぐため、劣化が見られたらすぐにケレンを行い、塗装をやり直す必要があります。
鉄部のメンテナンスは、木部と同様に定期的な点検が重要です。特に、錆びた部分を削り取り、錆止め塗料と仕上げ塗料を丁寧に塗布することで、耐久性を向上させることが可能です。一般的には、5~7年ごとに状態を見直すことが推奨されています。
メンテナンスの効果
木部や鉄部に対する定期的なメンテナンスは、見た目の美しさを保つだけでなく、建物全体の耐久性や資産価値を維持する上でも重要です。これを怠ると、塗装だけでは対処できず、交換や大規模な補修が必要になることもあります。
結果として、長期的なコストが増加するため、こまめなメンテナンスは経済的な視点からもメリットが大きいと言えます。
木部・鉄部塗装の保証について
塗装工事の品質を判断する上で、ケレンの質と保証内容は非常に重要です。多くの場合、外壁塗装には保証がつけられますが、木部や鉄部については保証の対象外とされることが一般的です。
ここでは、ケレンの質が保証にどのような影響を与えるのか、そして信頼できる業者を選ぶ際のポイントについて解説します。
ケレンの質が保証に与える影響
保証の有無や範囲は、業者ごとに異なりますが、ケレンの質が保証の対象範囲に影響を及ぼすことは少なくありません。例えば、ケレン作業が不十分であった場合、塗膜の剥離や錆の再発が起きやすくなり、それが原因でトラブルが発生した場合には保証の対象外とされることがあります。
一方で、ケレンを丁寧に行い、錆や汚れ、古い塗膜をしっかり除去してから塗装を行うことで、塗料の密着性が向上し、耐久性も大幅に高まります。このような施工を行う業者は、木部や鉄部の保証にも対応している可能性が高く、長期的なメンテナンスの安心感につながります。
信頼できる業者を選ぶ基準
ケレンの質や保証内容を重視することは、信頼できる業者を選ぶ際の重要なポイントです。
信頼できる業者は、ケレンの重要性や作業内容について丁寧に説明してくれます。1種〜4種ケレンの使い分けや、実際に使用する工具・方法について具体的に説明できる業者は、高い施工品質を提供する可能性が高いです。
また、外壁だけでなく、木部や鉄部の保証も含まれているかどうかを確認しましょう。保証がついている場合、業者は施工品質に自信を持っていると考えられます。
実績豊富で評判の良い業者を選ぶことも大切です。過去の施工事例や顧客の口コミを確認することで、ケレンや塗装の品質を判断する材料にできます。
まとめ~横浜市での外壁塗装・屋根塗装なら
木部や鉄部の塗装において、「下地調整(ケレン)」がいかに重要かを解説してきました。適切なケレン作業を行うことで、塗装の耐久性が大きく向上し、塗膜の剥離や錆の進行といったトラブルを防ぐことができます。一方で、ケレンの質が保証や施工後の満足度に直結するため、業者選びの際には慎重に検討する必要があります。
木部は湿気や紫外線による腐食が進みやすく、5年ごとのメンテナンスが推奨されます。鉄部についても錆びやすい特性があるため、定期的なケレンと塗装が欠かせません。これらの素材は、放置すると修復が難しくなり、交換が必要になることもあるため、こまめなメンテナンスが建物の寿命を延ばす鍵となります。
塗装はただ見た目を整えるだけでなく、建物を長期間守る重要な役割を果たします。そのため、施工前の準備であるケレン作業を軽視せず、業者選びやメンテナンス計画をしっかり立てることが大切です。この記事を参考に、建物を長く美しく保つための適切な行動を始めてみてください。
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この記事の著者について
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