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「ALC外壁にも外壁塗装は必要?」
50年を超える耐用年数を持つと言われるALC外壁。
ALC外壁とは『軽量気泡コンクリート』とも呼ばれている建材で、内部に気泡の穴がたくさんあり、水に浮いてしまうほど軽い素材が特徴となっています。
気泡によって熱が伝わりにくいため、断熱効果に優れている外壁です。
ただ、そのように優れた建材ではありますが、しっかりとメンテナンスに取り組んではじめて、耐久性を維持できるとも言われているのです。
ここでは、ALC外壁への外壁塗装について、必要性やタイミング、塗料の選び方、注意点などを踏まえ、プロの塗装業者が徹底解説していきましょう。
ALC外壁とは?外壁塗装やメンテナンスの必要性
ALC外壁とは、『Autoclaved Lightweight aerated Concrete』の頭文字を取った名称を持つ、セメント、生石灰などを主成分とした外壁のことを指します。
優れた耐久性や断熱性を持つことから、戸建て住宅だけではなく、マンションや高層ビルなどで外壁や屋根、床、間仕切などで活用されています。
ここでは、ALC外壁とはどのようなものなのか、メンテナンスや外壁塗装の必要性などについて詳しくご紹介していきます。
・ALC外壁とは
ALC外壁は、コンクリート外壁でありながらとても軽量であるのが特徴で、一般的なコンクリートと比較すると4分の1程度の重量であると言われています。
『軽量気泡コンクリート』と呼ばれている通り、内部に無数の気泡の穴が存在しているために、軽量を実現しているのです。
しかも、この気泡によって空気の層をつくり出すことができ、熱が伝わりにくい性質を持っており、夏や冬においても室内を一定の温度に保っておくことが可能です。
さらに、耐久性が高く、一般的には50年程度の耐用年数を持つために、戸建て住宅の外壁や屋根はもちろんのこと、マンションや高層ビルにも活用されています。
戸建て住宅で活用シーンの多い窯業系サイディングの耐用年数は40年程度、モルタル外壁は30年程度と言われているために、優れた耐久性を持っていることが理解できるのではないでしょうか。
・ALC外壁のメンテナンス
ALC外壁は上記でもお伝えした通り、優れた特徴を持っている半面、メンテナンスの必要性が高い建材であるとも言われています。
コンクリート外壁であり、主成分はセメントであることから、吸水性が高い素材であるため、耐候性が低いというデメリットを持っています。
そもそもコンクリート外壁は、水を吸い込みやすいと言われていますが、ALC外壁は内部が気泡になっていることから、さらに吸水性が高いのです。
ALC外壁の内部に水が侵入してしまうと建材自体が膨張してしまい、熱によって蒸発すると収縮し、この繰り返しによってひび割れを起こしやすいと言われています。
そのため、防水性を高めるメンテナンスが必須であると言われているのです。
・ALC外壁の外壁塗装とシーリングの打ち替えの必要性
ALC外壁は、耐久性や断熱性など優れたメリットを持っていますが、ただ建材自体に防水性はないために、外壁塗装によって防水性を備えています。
そのため、築年数が経過している住宅や建物だけではなく、新築であってもALC外壁を採用されている外壁には、必ず塗装が施されているのです。
また、目地の部分はシーリングと呼ばれる、硬化するとゴム状になる素材を充填して、防水性を高めています。
ALC外壁への塗装で活用される塗料は、グレードにもよりますが、一般的には10年程度で劣化が生じ、またシーリングにおいても耐用年数は10年程度であるといわれます。
そのため、おおむね10年前後で外壁塗装、シーリングの打ち替えといったメンテナンスが必須となっています。
つまり、適切なメンテナンスに取り組むことによって、ALC外壁は高い耐久性を維持できると言えるのです。
ALC外壁の外壁塗装~劣化症状やタイミング、塗料について
上記では、ALC外壁の特徴についてご紹介しましたが、高い耐久性を維持するためには、ウイークポイントである吸水性を防止しなければならないことが理解できたかと思います。
防水性を高めるために、外壁塗装とシーリングの打ち替えが必須となっています。
そこでここでは、ALC外壁の劣化症状をはじめ、塗り替えのタイミング、活用する塗料について詳しくご紹介していきます。
・ALC外壁の劣化症状
- チョーキング現象
- 色褪せ・汚れ
- クラック(ひび割れ)
- シーリングの痩せ、ひび割れ、剥がれ
- 爆裂
ALC外壁によくみられる劣化症状について、いくつかにまとめてみました。
何度も言うように、ALC外壁は吸水性が高い素材であるために、防水性を高めることがもっとも重要なポイントとなります。
そのため、外壁塗装での塗膜や目地に充填されているシーリング材に劣化症状が生じると、たちまち浸水のリスクが高くなってしまうのです。
もっとも多くみられる劣化症状には『チョーキング現象』があります。
チョーキング現象とは、外壁を手で触れると白い粉が付く症状のことを指しており、外壁の塗膜の劣化症状の一つです。
塗膜が紫外線などの影響によって劣化すると、塗料の成分が分離するようになり、白色の素材だけが浮き上がってしまうために生じます。
チョーキング現象とともによくみられる症状として『色褪せ・汚れ』があります。
こちらも塗膜の劣化症状ですが、色褪せしている時点で塗料の持つ機能が衰えている証拠ですから、そのまま放置してしまうと外壁材に雨水が浸水してしまうリスクがあります。
汚れが目立つ場合においても、そもそも塗料には汚れが付きにくい機能が備わっていることから、劣化症状を引き起こしていることが見て取れるのです。
『クラック(ひび割れ)』はALC外壁そのものに割れがみられる症状であり、そのまま放置していると、その箇所から雨水が浸水してしまうことになります。
そのため、上記の劣化症状と比較すると、速やかに修繕が必要な症状であると言えるでしょう。
『シーリングの痩せ、ひび割れ、剥がれ』については、ALC外壁の目地部分に充填されているシーリングに対する劣化症状です。
シーリングは紫外線によって劣化が生じ、目地に対して十分充填しているにもかかわらず、痩せやひび割れ、剥がれなどによって、防水機能が衰えてしまいます。
その箇所から雨水が侵入してしまうリスクがかなり高くなっている状態ですから、速やかに新しいシーリングに打ち替えする必要があります。
ALC外壁にどんどん雨水が浸水してしまうと、内部の鉄筋にまで達して錆びが生じ、内側から外側に向かってコンクリートを押し出してしまうことがあります。
その症状のことを『爆裂』と呼んでおり、外壁表面が割れたり、欠けたりしてしまう状態が見受けられます。
この症状が現れることがないように、早めのメンテナンスが重要です。
・ALC外壁の外壁塗装のタイミング
- 塗料の持つ耐用年数にあわせて
- ALC外壁に劣化症状がみられる場合
ALC外壁の耐久性を維持するためには、基本的なメンテナンスとして定期的な外壁塗装が必要となります。
外壁塗装に取り組むタイミングとしては、大きく上記の2点となります。
1点目の『塗料の持つ耐用年数』ですが、これは塗料のグレードによっても大きく異なります。
例えば、現在塗装されている塗料がシリコン塗料の場合、おおむね7年~15年程度が耐用年数になっていますので、7年前後で塗装業者に点検してもらい、必要なタイミングで外壁塗装に取り組むといいでしょう。
新築の戸建て住宅の場合でも、ALC外壁であれば必ず外壁材を設置後に、塗装が施されています。
まずは新築時の塗装工事に関する資料などから、どのグレードの塗料が活用されているのか調べてみることをおすすめします。
当時の塗装業者が分かるのでしたら、問い合わせしてみるといいでしょう。
どの塗料か分かれば、メーカーのホームページなどを確認して、耐用年数を調べてみれば、次の塗装工事のタイミングを知ることができます。
また、どうしても現在の塗料が分からない場合には、塗装業者に相談して適切なタイミングに取り掛かるようにします。
上記でもご説明した劣化症状がすでにみられている場合にも、塗装業者に外壁の状態を確認してもらうといいでしょう。
・ALC外壁で使用する塗料
ALC外壁に使用する塗料ですが、吸水性が高い外壁に対して防水性を維持するために、どの塗料を活用するか、その選択はとても重要です。
塗料の中には『防水塗料』と呼ばれる、防水性に優れており、ひび割れに対して追随できる柔軟性を持っているものが存在します。
防水塗料とは、高い防水性によって水の侵入を防ぎ、さらには塗膜がゴムのように弾力があるために、ひび割れが生じた箇所でも追随でき、その箇所からの水の侵入も防ぐことができるものです。
そのため、ALC外壁に対して防水塗料での塗装を相談されるケースがあります。
ただ、ALC外壁に対しては、『透湿性塗料』が採用されるケースが多くなっています。
透湿性塗料とは、塗膜を形成しても湿気を逃がす作用のある塗料のことで、雨水は通さずに、湿気だけを通す、優れた性質を持っています。
先ほどお伝えした防水塗料は、確かに防水性は高いですが、湿気の溜まりやすいALC外壁に使用した場合、内部の湿気の逃げ道がなくなり塗膜の膨れや剥がれの原因になってしまいます。
しかし、透湿性塗料を使用しておけば、塗装した後も外壁内部の湿気を外に逃がしてくれますので、外壁材そのもののひび割れが生じにくくなり、しかも雨から守ることもできるのです。
もちろん、塗膜自体の膨れや剥がれ、浮きなどといった劣化症状の防止にも繋がります。
ALC外壁の外壁塗装の注意点
冒頭からお伝えしている通り、ALC外壁は高い耐用年数を持つ優れた外壁材ではありますが、適切な時期に外壁塗装に取り組んでおくことによって維持できるものです。
ただ、外壁塗装時には注意点もありますのでお伝えしておきましょう。
・ALC外壁の塗装時の注意点
ALC外壁は、外壁材の内部だけではなく表面にまで気泡が存在するために、この気泡を埋めていくように塗装されていきます。
しかし、経験や知識のない塗装業者の中には、その塗装方法を知らないという塗装職人も存在するので注意が必要です。
もし適切に塗装されずに、塗り残しなどがある場合には、その箇所から雨水が侵入し、塗料の耐用年数よりも早期に劣化症状が生じる可能性があります。
そのため、実績のある塗装業者に依頼することが重要です。
・屋根の経年劣化が生じている可能性も
ALC外壁を活用している戸建て住宅の場合、屋上などフラットな形状であるケースが多く、外壁の状態と共に屋根の劣化症状にも着目しておくことをおすすめします。
屋上には防水層が形成されていますが、紫外線の影響を受けやすい箇所ですので、10年程度で劣化症状がみられます。
劣化症状が進行すると、雨漏りを起こしてしまうリスクが高まりますので十分注意が必要です。
そのため、外壁塗装のメンテナンスのタイミングで、屋根の点検も依頼しておき、必要に応じて屋根塗装や防水工事などに取り組んでおくことをおすすめします。
まとめ
ALC外壁への外壁塗装について、必要性やタイミング、塗料の選び方、注意点などを踏まえ、詳しく解説しました。
ALC外壁は『軽量気泡コンクリート』とも呼ばれている建材で、内部に気泡の穴がたくさんあり、軽い素材であるにもかかわらず50年を超える耐用年数を持つと言われています。
さらに、断熱性能にも優れているために、室内の環境を一定に保ちやすいため、活用されるシーンは増えています。
そのような高い耐久性を持つ外壁材ではありますが、吸水性が高く、水が侵入すると不具合が生じてしまいますので、定期的にメンテナンスが必要です。
主に必要なメンテナンスは外壁塗装であり、目地に充填されているシーリング材の打ち替えも必要になります。
ただ、外壁材の表面には気泡が多数存在することから、塗装には知識と経験が必要になりますので、塗装業者選びがとても重要になります。
塗料の持つ機能をしっかりと引き出し、本来の耐久性を保つためには、経験豊富な塗装業者に相談することが大切です。
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この記事の著者について
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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
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