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外壁塗装において、足場は塗装の品質を保ち、スムーズに作業を進めるためには欠かせないものだと言えます。
足場は、数多くの鉄パイプを搬入し、組み立てることによって塗装作業に活用しますが、そこでトラブルが発生するリスクもあります。
そのため住宅地や足場のスペースが十分に取れないような建物で外壁塗装を検討されている場合には、トラブルが発生しないか気になっている方も多いのではないでしょうか。
また、「足場代無料」などと銘打って、ほかの費用を底上げしているような、足場には悪質な費用トラブルが起きやすいために注意が必要です。
そこでここでは、外壁塗装の足場トラブルを中心に、重要性や費用、種類、トラブルの対処法も踏まえ、プロの塗装業者が徹底解説していきましょう。
外壁塗装でみられる足場トラブルと対処法
外壁塗装でみられる足場トラブルについて、いくつかのケースについてまとめてみました。
もちろん、塗装業者は足場トラブルについて熟知しており、トラブルが生じないように最新の注意をはらって工事にあたっています。
ただ、リスクとしてどのようなトラブルが考えられるのか、把握しておくことは重要です。
・搬入時や仮設時の騒音
足場の種類については詳しく後述しますが、足場は住宅すべてを囲むように設置することから、数多くの鉄パイプを組み合わさなければなりません。
そのため、塗装作業の開始と同時に、大型のトラックを活用して資材を搬入し、半日から丸一日かけて足場を設置していくことになります。
鉄パイプを組み合わせて設置しますので、搬入時はもちろん、組み立てる際にも大きな音を生じさせてしまうことになります。
トラックから資材の荷下ろしの際はもちろん、単管足場の場合にはインパクトドライバーでの組み立て、くさび式足場であればハンマーを活用して接合させなければなりません。
そのようなことから、ご自宅内での音だけではなく、ご近所にも音が響いてしまう可能性があります。
その対策として、早朝や夜間の作業はしないことを遵守し、事前に近隣には挨拶を行い、ご理解をいただくことが重要になります。
・搬入時に交通や通行の妨げに
足場の搬入は、大型のトラックを活用することになりますが、住宅の近隣にトラックを駐車して荷下ろしをしますので、交通や通行の妨げになってしまうことがあります。
近隣に配慮して駐車することにはなりますが、それでも搬入時の作業において、歩行者が通れなくなってしまう場面や、車両が道にはみ出して車が通れなくなってしまうようなトラブルも考えられます。
もちろん塗装業者は、工事を始める前には、近隣には挨拶と共に工事内容や期間について、納得いただけるまで説明いたします。
さらに、道路に駐車しなければならないような場合には、事前に警察署で道路使用許可を取得したうえで工事にあたります。
・足場が設置できない、敷地内からはみ出す
足場は建物を取り囲むように設置していきますが、十分なスペースが取れない場合には近隣にお願いして使用させていただくケースがあります。
一般的な足場の幅は作業員の踏み板、支柱などを含めると60cmほどですので、70cm程度の幅があれば設置が可能です。
ただ状況によっては、70㎝以上の幅が必要になることもあり、住宅が密集しているような地域であれば、人が通行できないほどの間隔であるケースも珍しくありません。
ただ、十分な幅が取れない場合には、狭いスペースでも設置できるものを活用することになり、それでも難しい場合には近隣にお願いして承諾をいただきます。
・建物や車、庭木などを傷つけてしまった
足場は、多くの鉄パイプをトラックから荷下ろしして設置しますので、十分に注意しないと建物や車などにぶつけてしまって、破損させてしまうようなことがあります。
あってはならないことですので、どうしても足場を設置するために移動が必要だと判断できるプランターや庭木、車などについては、事前にお伺いしたうえで別の場所に移させていただくことになります。
外壁塗装での足場の重要性
上記において足場でのトラブルについてご紹介しましたが、塗装の内容や箇所によっては「足場の設置は必要ないのでは」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、基本的には足場の設置は不可欠なもので、その重要性については次の4つのポイントにまとめることができます。
・作業品質を確保する
足場は、おおむね40㎝の幅があり、作業員がそのうえを歩行して作業できるようになっています。
仮に足場ではなく、ハシゴをかけて塗装するとなれば、片手に塗料を持ち、もう片手に刷毛を持って塗装作業しなければならないことになります。
そのような状況では、職人が丁寧に塗装することはできません。
外壁塗装は、戸建て住宅の場合には、2階や3階といった高い場所でも安定した塗装作業を行わねばなりません。
そのため、ハシゴのようなものでは品質を確保することができず、ムラなく綺麗に塗り上げるには足元が安定した足場が必要になるのです。
・作業効率を高める
外壁塗装は、塗装期間内に外壁や屋根を高圧洗浄機でしっかりと汚れを落とし、外壁材の補修を行った後に、塗料を三度、重ね塗りをしていく必要があります。
上記でも例としてお伝えしましたが、仮にハシゴをかけて作業を行った場合には、場所を移動するごとに上り下りしなければならず、常にハシゴを移動させなければなりません。
外壁隅々にさまざまな工程が施されることになりますから、スムーズに作業を進めるためには、高い場所や外壁の端まで容易に手が届く足場が不可欠なのです。
・作業員の安全を確保する
足場は作業品質や作業効率のために重要なものですが、作業を行う塗装職人が安全に進めるためにも設置されています。
外壁塗装の作業は、とても高い場所に重い高圧洗浄機や、塗料を抱えて持っていかねばならないことがあります。
塗装職人は高所に慣れているとはいえ、それは安定した足場が設置されているからです。
仮に不安定であれば、安心して作業できませんし、場合によっては足を滑らせてしまって転落してしまうような事故が起きてしまうリスクもあります。
・塗料の飛散を防止する
足場の設置は、塗料の飛散を防止する養生シートを設置する目的もあります。
養生シートとは、飛散防止シートと呼ばれることもあり、高圧洗浄の水しぶき、塗装時の塗料の飛散を防止する目的で、建物全体に設置されます。
工事期間中には設置して、近隣に飛び散らないようにするだけではなく、外部からのホコリや砂などが塗膜に付着しないように防止するためにも役立ちます。
外壁塗装の足場費用~相場や高くなる、無料になるケース
外壁塗装は30坪程度の戸建て住宅の場合では、相場として50万円から100万円程度になりますが、その一定の割合で足場費用が含まれています。
足場の費用は、一般的にはあまり理解されていない部分であることから、費用をわざと高くすることや、あるいは安く見せかけて、ほかの部分を上乗せしているような悪質なケースがあります。
そのため、相場はもちろんのこと、高くなってしまうケース、「足場代無料」と謳っている塗装業者は本当に安いのか解説していきます。
・足場の費用相場
- 単価の相場:1㎡あたり700~1,000円
- 足場費用=(建物の外周m+8m)×建物の高さm×単価(円)
- 一般的な30坪程度の戸建て住宅であれば15万円前後
足場の費用は、見積書を見ると、単価と総額が記載されています。
単価は1㎡あたりの費用で、総額は住宅周りに足場を設置した場合の面積によって算定されることになります。
住宅周りに足場を設置するとはいえ、少し大きめに設置するために、実際には外周に少しプラスして計算するのが一般的となっています。
上記の計算式においては、外周に8mをプラスして、外壁から足場までの数値として加え、計算しています。
もしこれから外壁塗装に取り組まれるご家庭であれば、目安としてどれくらいの費用になるのか計算してみましょう。
相場と比較して、あまりに高すぎたり安すぎたりする場合には、注意が必要です。
・足場費用が高くなるケース
足場は住宅に合わせて設置するため、状況によっては相場より高くなるケースが出てきます。
足場費用が相場より高くなるケースとして、
- 3階建て以上の住宅
- 敷地内で安定した足場を設置するのが難しい
- 道路使用許可や道路占有許可が必要なケース
などといったものがあります。
建物の高さが高くなると、それだけ頑丈に設置しなければならないため、一般的な2階建てと比較すると、200~300円/㎡程度、高くなる可能性があります。
また、敷地内に足場が設置しにくい場合や、高い場所に建物が建っていているような場合には、費用が上乗せされることがあります。
隣の家との間隔がとても狭く、人1人がやっと通れるようなスペースの場合、足場設置の運搬や組み立てに手間や時間がかかってしまうためです。
また、もともと切り立った場所に建てられている住宅の場合であれば、住宅の敷地ではなく、下から足場を設置しなければならないようなこともあるのです。
また、道路との関係で、搬入や解体時のトラックの駐車でどうしても『道路使用許可』『道路占有許可』が必要な場合にも、申請手数料のほかに、場合によってはガードマンの人件費などが必要になるケースもあります。
・足場費用が無料になるケースはある?
外壁塗装の飛び込み営業などにおいて「今なら足場代が無料になる」というキャンペーンを見かけることがあります。
上記でもお伝えした通り、30坪程度の戸建て住宅であれば15万円程度にもなる足場代ですから、無料ならばお得だろうと考えてしまうのではないでしょうか。
ただ、足場の設置は、誰にでもできるようなものではなく、『足場の組立て等作業主任者』と呼ばれる資格を取得している作業員が行う必要があります。
足場そのものを所持していない塗装業者も多いため、外の足場業者に依頼しなければならないケースも多いのです。
そのため、足場を無料にすることはまずありえません。
ただ、
- 自社で『足場の組立て等作業主任者』が存在する
- 自社で足場を保有している
というケースにおいては、相場よりもかなり安くなる可能性もあります。
外壁塗装で活用される足場の種類
- 単管足場
- クサビ(ビケ)足場
足場にはさまざまなものがありますが、戸建て住宅の外壁塗装においては、一般的に上記のものが活用されています。
・単管足場
単管足場とは、単管と呼ばれる鉄パイプを組み立てて、足場を作っていく工法です。
作業員が歩く床となるアンチ(踏み台)はなく、2本のパイプの上に足を乗せて、作業を行うこととなります。
そのため、安全面において現在では使用される機会が減っており、次にご紹介するくさび(ビケ)足場の活用が多くなっています。
ただ、足場のスペースが狭いケースなどでは、今でも単管足場が活用されています。
・くさび(ビケ)足場
くさび(ビケ)足場とは、足場の骨組みとなる鉄パイプに、作業員が歩く床となるアンチ(踏み台)によって構成されている足場です。
くさび足場にもいくつかの種類があり、その中で戸建て住宅の外壁塗装でもっとも活用されているのがビケ足場になります。
ビケ足場は設置や解体が手早くできるメリットがあり、耐久性が高いため、コストパフォーマンスが良いと考えられています。
まとめ
外壁塗装でみられる足場トラブルと対処法を中心に、足場の重要性や費用相場、種類などについて詳しくご紹介しました。
外壁塗装で活用する足場は鉄パイプを組み立てるもので、住宅を取り囲むように設置するために荷下ろしや組み立てなどでの騒音など、さまざまなトラブルが想定されます。
中には、高額な費用を請求するケースや、無料キャンペーンなどと謳って、ほかの費用を水増ししているようなケースがあるために注意が必要です。
ただ、足場の設置は塗装の品質や作業効率、また職人の安全確保のためにも重要になるものです。
外壁塗装を検討しているご家庭であれば、どのように足場を設置し、どのくらいの費用になるのか、しっかりと説明を受けながら進めていくといいでしょう。
外壁塗装は、地元に密着し、実績豊富な地元の塗装業者に相談しながら進めていくことをおすすめします。
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この記事の著者について
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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
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