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外壁塗装の塗料選びで数多く採用されている『フッ素塗料』。
塗料にはさまざまなグレードのものがありますが、フッ素塗料はその他の塗料と比較してどのような違いがあるのでしょうか。
塗料選びで悩んでいる方や、フッ素塗料を検討している方にとっては、フッ素塗料とはどのような塗料なのか、注意点も含め知っておくべきでしょう。
そこでここでは、外壁塗装のフッ素塗料について詳しくお伝えし、特徴やメリット・デメリット、費用相場、種類などについてプロの塗装業者が徹底解説していきましょう。
外壁塗装でよく使われる『フッ素塗料』の特徴
外壁塗装で使用される『フッ素塗料』は、耐久性が高くコストパフォーマンスに優れている塗料として注目されています。
人気のあるシリコン塗料と比較される機会も多いのですが、どのような違いがあるのかご紹介しましょう。
・フッ素塗料とは
フッ素塗料は、蛍石(ほたるいし)を主成分にした塗料のことで、優れた耐久性を持っていることから、多くの住宅の塗装で活用されています。
塗料には『顔料』『樹脂』『添加剤』『水もしくは溶剤』と分けることができますが、この中で樹脂がフッ素であるものがフッ素塗料ということになります。
この樹脂がウレタンであればウレタン塗料、シリコンだとシリコン塗料になりますが、一般的に活用されている樹脂よりも、フッ素は高価であると言われます。
ただ、この蛍石は紫外線の影響を受けにくいと言われており、耐久性や耐熱性、親水性、防カビ性に優れているために、むしろコストパフォーマンスが高いと注目されています。
そのため、一般の住宅やマンションだけではなく、東京スカイツリーや明石海峡大橋などといった建造物、あるいは飛行機、フライパンなどにも採用されています。
・フッ素塗料とシリコン塗料との違い
フッ素塗料 | シリコン塗料 | |
耐用年数 | 8~15年 | 5~10年 |
施工単価(㎡) | 3,000円~5,100円 | 1,700円~3,500円 |
外壁塗装の塗料選びにおいて、最終的にフッ素塗料・シリコン塗料の2つに絞られるケースが少なくありません。
シリコン塗料はもっとも活用されている塗料の一つですが、同時に人気の塗料がフッ素塗料であるからです。
ただ、比較してどちらが良いということは言えず、それぞれに特徴があります。
耐用年数と施工単価で比較してみました。
一般的には上記表の通りですが、研究開発が盛んな塗料であるために、近年開発された塗料においては、フッ素塗料で15年以上の耐用年数のものが増えており、シリコン塗料でも10年以上であるものが多くなりました。
費用はフッ素塗料の方が高いのですが、コストパフォーマンスで比較した場合には、それほど大きな差がないように感じます。
例えば、30年というスパンで見た場合、フッ素塗料の場合なら塗り替えは1~2回、シリコン塗料の場合では2~3回になるからです。
そのようなことから、
- フッ素塗料:塗り替え頻度を下げてコストパフォーマンスをよくする
- シリコン塗料:1回の費用を下げて小まめに塗り替えする
といった選び方になるのではないでしょうか。
・フッ素塗料の特徴
フッ素塗料は主成分として蛍石が配合されており、炭素とフッ素の結合が強力であることから、紫外線の影響を受けにくく、耐久性が高い特徴を持っています。
費用相場はシリコン塗料よりも高くなるものの、耐用年数を踏まえたコストパフォーマンスで比較した場合に、優れていると言えるのではないでしょうか。
またその他の機能として、
- 防汚性
- 耐候性
- 耐熱性
- 親水性
- 防カビ性
などに優れています。
艶ありのフッ素塗料が多いために、塗装の際に艶を出したい、いつまでも艶を維持したいというご家庭に選ばれる機会が多くなっています。
外壁塗装のフッ素塗料のメリット・デメリット
フッ素塗料は、紫外線の影響を受けにくく優れた耐久性を持っているため、住宅だけではなくマンションや飛行機、建造物などにも採用されています。
ただデメリットの部分も備わっているために、メリット・デメリットのバランスを比較してみて、採用するかどうか検討すると良いでしょう。
・フッ素塗料のメリット
- 耐久性に優れており、耐用年数が長い
- 酸性雨に強く、光沢が長持ちする
- 長期的に見ればコストパフォーマンスが良い
フッ素塗料は機能面に優れている塗料で、紫外線に強い性質を持ち、酸性雨や温度変化にも影響を受けにくいために、耐用年数が長いことでも注目されています。
その他の機能においても、親水性や防汚性を持っているために、汚れが外壁に付着しにくく、雨によって汚れを浮き上がらせて綺麗を保ちます。
摩耗にも強い性質があるために、光沢が長持ちすることでも知られており、艶ありの外壁塗装で選ばれるケースが多くなっています。
20年を経過しても10%程度の光沢率の低下に過ぎないフッ素塗料も開発されています。
費用はシリコン塗料よりも高くなるものの、耐用年数が長いためにコストパフォーマンスが良いため、できる限り塗り替え頻度を少なくしたいご家庭に向いていると言えるでしょう。
・フッ素塗料のデメリット
- 価格がシリコン塗料よりも高めである
- 塗料が固く、横に伸びにくいためひび割れしやすい
- 次回の塗装の際に特別な下塗りが必要になる
フッ素塗料のデメリットもまとめてみました。
上記でもご説明しましたが、人気の高いシリコン塗料と比較すると費用は割高であるため、1回あたりの塗装費用を抑えたいご家庭にとってはデメリットとなってしまいます。
また、蛍石といった鉱物を原料としていることから塗料自体が固い特徴を持っており、塗装も伸ばしにくい傾向があります。
そのため、塗装には技術が必要になり、ひび割れしやすい外壁材である場合には、同じようにひび割れしてしまうことから適していないと考えられます。
また、フッ素塗料は塗装すると結合力が高く、塗り重ねる場合には新たな塗料を弾いてしまうために、次回の塗装の際には特別な下塗りが必要になることがあります。
そのようなことから、フッ素塗料を選択する場合には、スキルの高い経験豊富な塗装業者を選ぶことが重要になってきます。
フッ素塗料の費用相場・耐用年数
塗料の種類 | 耐用年数 | 施工単価(㎡) |
フッ素塗料 | 8~15年 | 3,000円~5,100円 |
シリコン塗料 | 5~10年 | 1,700円~3,500円 |
無機塗料 | 15~25年 | 4,400円~5,500円 |
フッ素塗料の費用相場と耐用年数を、人気の高いシリコン塗料、もっともグレードの高い無機塗料と比較してみました。
耐用年数においては、開発が進んでいることから、フッ素塗料は15年以上、シリコン塗料は10年以上、無機塗料は20年以上と捉えても良いでしょう。
費用的には、シリコン塗料と無機塗料のちょうど中間点あたりに位置づけられていることが分かります。
このようなことから、フッ素塗料を選択する方を見ると、
- 無機塗料までの費用負担は難しい
- できる限り塗り替え頻度は少なくしたい
といったご家庭に選ばれている傾向があります。
さらにコストパフォーマンスを高めたいのであれば、外壁塗装と同時に屋根塗装も検討してみると良いのではないでしょうか。
足場設置の費用負担も軽減され、塗装頻度もさらに下げることができます。
外壁塗装でおすすめできるフッ素塗料の種類
塗料の3大メーカーと言われる『日本ペイント』『関西ペイント』『エスケー化研』から代表的なフッ素塗料をご紹介しましょう。
・日本ペイント株式会社『ファイン4Fセラミック』
日本ペイントの代表的なフッ素塗料は、
- ファイン4Fセラミック
- サーモアイ4F
- ファイン4Fベスト
といった3点になります。
その中でもっとも知名度が高く、多くの住宅で採用されているフッ素塗料は2液型の『ファイン4Fセラミック』になります。
『ファイン4Fセラミック』の特徴として、
- 高耐候性
- 低汚染性
- 透湿性
- 防藻性・防かび性
といった、フッ素塗料独自の特徴を持っており、さらには『ひび割れ追従性』といった、フッ素塗料のデメリットをも克服していることでも注目されています。
そのため、下地においても特別なものを選ばずに塗装することができます。
費用面においても、上記3点の中でもリーズナブルであり、施工単価の目安は3,000~5,500円/㎡程度になります。
艶については『艶なし』はないのですが、『艶あり』『七分艶』『五分艶』『三分艶』まで用意されていますので、艶をそれほど出したくないご家庭であれば『三分艶』を選択すると良いでしょう。
また、塗料は弱溶剤であり、塗装工事では特有の嫌なニオイが少ないことも、活用する大きなポイントとなるでしょう。
・関西ペイント『アレスアクアフッソⅡ』
関西ペイントの『アレスアクアフッソⅡ』は、1液型のフッ素塗料であり、同社のシリコン塗料を比較すると抜群の耐候性を持っています。
同社が行った紫外線に限定した促進耐候性試験法において、シリコン塗料においては400時間程度で光沢率が40%を切っていますが、アレスアクアフッソⅡは500時間を経過しても90%程度を維持していることが分かります。
また同様に、低汚染性、防カビ・防藻性などの試験においても、高い水準を維持していると報告されています。
施工単価の目安は3,000~3,300円/㎡程度と、リーズナブルになっています。
しかも、水性塗料ですのでニオイがかなり少なく、健康面においても安全で、多くの住宅での外壁塗装に採用されています。
・エスケー化研(クリーンマイルドフッソ)
エスケー化研の『クリーンマイルドフッソ』は、2液型のフッ素塗料で、独自の特殊技術によってセラミックを複合し、従来にない超低汚染性能を実現しています。
特徴的な機能として、
- 超低汚染性
- 超耐久性
- 防カビ・防藻性
- 透湿性
といったものを保持しています。
また従来のフッ素塗料にはない優れた密着性を持っており、幅広く下地に対して適用性があります。
施工単価の目安は2,700~3,000円/㎡程度と、リーズナブルになっています。
さらに弱溶剤になっており、一般的な油性塗料よりもニオイが少ないために、塗装工事中においても安心して進められます。
フッ素塗料での塗装をおすすめするご家庭の特徴
- 耐用年数が長く、コストパフォーマンスが高い塗料を使いたい
- 機能性が高く、汚れにくい塗料を活用したい
- 艶が長持ちする塗料を選びたい
フッ素塗料は、人気の高いシリコン塗料と比較されることが多いですが、よりフッ素塗料をおすすめできるご家庭の特徴として、上記3つのポイントにまとめられます。
耐久性がとても高く、一般的には15年以上もの耐用年数を持つ塗料も多く登場しています。
シリコン塗料よりも費用負担が高い傾向にありますが、コストパフォーマンス重視であれば、ぜひお使いいただきたい塗料と言えます。
機能性がとても高く、紫外線による劣化が生じにくく、また防汚性や親水性、防藻性、防カビ性などに優れているために、汚れがつきにくく、いつまでも美観を維持します。
デメリットでも紹介した、塗料自体が固く、ひび割れしやすいという点について、改良されているフッ素塗料も多く開発されましたので、安心して選択ができます。
また、フッ素塗料には艶ありの塗料が多く、艶を長きにわたって維持することができますから、艶を出したいご家庭に採用されるケースが多くなっています。
艶を好まれないご家庭であっても、『三分艶』程度であればそれほど艶が強くないので、塗装業者に相談してみると良いでしょう。
まとめ
外壁塗装で活用される『フッ素塗料』について、特徴やメリット・デメリット、費用相場、耐用年数、種類などについて詳しくご紹介しました。
フッ素塗料は蛍石を原材料とした塗料であり、紫外線による影響を受けにくく、耐久性が高いために、耐用年数が長い塗料として知られています。
シリコン塗料と比較されることが多く、費用は割高にはなりますが、コストパフォーマンスが高いために、塗り替え頻度を低くしたいご家庭で採用されています。
近年では、柔軟性があり、ひび割れしにくいフッ素塗料も登場しているため、従来のデメリットを感じさせにくくなっています。
ただ、横に伸びにくい塗料であるため、熟練の塗装職人が扱える難しい塗料であることから、経験豊富な塗装業者を選ぶことが重要です。
外壁塗装の具体的な内容については、地元に密着し、実績豊富な地元の塗装業者に相談しながら進めていくことをおすすめします。
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この記事の著者について
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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
一人でもそういう方がいなくなり、私たちが地元の皆さまに貢献できればと思っています。川崎市・横浜市にお住まいで、外壁塗装についてお悩みの方はお気軽にご相談下さい。(会社概要・本店について|青葉店はこちら)