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外壁塗装の見積書を確認すると『付帯物塗装』と記載されていることがあります。
付帯物塗装』とは、どの部分の塗装工事なのかと、疑問を持った方も多いのではないでしょうか。
付帯部とは、雨樋や雨戸、軒天などといった、外壁に付帯している住宅のパーツのことを指しています。
しかし、そのような付帯部に対して、塗装工事は本当に必要なのでしょうか。
そこでここでは、付帯部塗装とはどのようなものなのか、その必要性やメリット、費用相場などについてプロの塗装業者が徹底解説していきましょう。
付帯部塗装とは?必要性やメリット
外壁塗装というと外壁だけのイメージをする方も多いですが、同時に付帯されているパーツにも塗装されるケースが多くなっています。
外壁と同時に劣化や損傷を防ぐことができ、また付帯部にこだわりの色を塗装することによって、お気に入りの外観イメージにすることも可能です。
付帯部塗装とはどのようなものなのか、その必要性やメリットについて詳しくご紹介しましょう。
・付帯部塗装とは?
『付帯部塗装』とは、外壁塗装においては外壁と同時に住宅周りに付帯されている雨樋や雨戸、軒天などといったパーツに対して行われる塗装工事のことを指しています。
塗装業者によっては『付帯工事』と呼ばれることがありますが、同じ意味となっています。
住宅の外壁周りだけを見渡してみても、多くの付帯部が存在していることがお分かりになるでしょう。
雨水を屋根から排水へと流す『雨樋』をはじめとして、風雨をしのぐためのシャッターを格納するためのシャッターボックス、雨戸を格納する『戸袋』、玄関や窓の上に設定されている雨除けのための『霧除け(庇)』などが付帯部の代表です。
これら付帯部は、飾りで付けられているものではなく、その多くは風雨などから住宅を守るために付けられている、住宅建築上での知恵の結晶です。
そのため、紫外線や風雨などに晒されてしまうことが多く、劣化が生じることによって汚れが目立つと共に、損傷を起こすようなこともあります。
そのため、付帯部塗装によって、今後も本来の機能を果たすことができるようになり、また美観を向上させて、こだわりの外観イメージに仕上げることもできるのです。
・付帯部に塗装は必要?
一般的には付帯部への塗装は、外壁塗装のタイミングで同時に行われます。
そのため、
「付帯部への塗装はまたの機会でもいいのでは?」
「付帯部に塗装する必要はあるの?」
というご意見をお聞きすることも少なくありません。
ただ、外壁塗装と同時に塗装される理由として、
- 足場を組む必要がある箇所もあるため足場費用の削減に繋がる
- 外壁だけ塗装すると付帯部の劣化や汚れが目立ってしまう
- 塗装して劣化や損傷を防ぐ必要のある付帯部も存在する
といったものがあります。
雨樋など足場を設置しないと届かない付帯部で、塗り替えを先送りしてしまうと、本当に塗装が必要になった際に、また足場を設置する費用が必要になってしまいます。
しかも、足場は住宅を囲むように設置しますので、どうしても日常生活の負担にもなってしまうことになりますので、一度で済ますほうが効率的なのです。
また、外壁塗装だけ取り組むと、当然ながら外壁はとても綺麗になりますが、付帯部は劣化したままで、汚れが悪目立ちしてしまうことになります。
やはり、外壁塗装と同時に綺麗にしておくことが大切です。
また何よりも、付帯部の中には定期的に塗装して劣化や損傷を防ぐことが必要な箇所も存在します。
住宅設備として重要な箇所も多いために、外壁塗装の際には点検の意味も込めて、付帯部塗装されることも多いのです。
・付帯部に塗装しておくメリット
付帯部は上記でもお伝えした通り、住宅設備として重要な箇所もあることから、暮らしの安全や安心を守るために塗装されることが真の目的です。
しかし、それだけではなく、外壁と付帯部をこだわりの色やデザインで塗装することによって、イメージするような外観に仕上げることも可能です。
例えば、外壁と付帯部を濃い色と薄い色に分けたツートンにすれば、重厚感やモダンなイメージを演出することも可能です。
近年では外壁塗装の際には、付帯部も踏まえてデザインされることが多くなりましたので、こだわりのイメージをお持ちの方であれば、塗装業者に相談してみると良いでしょう。
他の住宅での塗装例などもみていると、うまく付帯部を踏まえた外壁塗装に取り組まれていることがお分かりになるかと思います。
今までの住宅イメージとは、まったく違うような演出もできますので、付帯部塗装も楽しみながら取り組むと良いのではないでしょうか。
・付帯部は何回塗り?
付帯部については、その箇所の状態によって塗装することや、損傷が激しい場合には交換をおすすめするようなこともあります。
多くのケースにおいては、汚れや錆びを表面から落とすために研磨を行い、2回塗りで表面の塗膜をつくり上げていくことがみられます。
付帯部の箇所によっては、さらに透明のプライマーを塗装する3回塗りするようなケースもあります。
ローラーで塗装を仕上げていくのが主流となっており、細かい部分については刷毛で塗装していきます。
・付帯部塗装でおすすめの塗料
外壁と付帯部では、デザインによっては違う色が用いられることがありますが、グレードについては同じものを選択されるケースが多いです。
住宅に一般的に活用されている塗料は、シリコン塗料やフッ素塗料です。
近年、塗料メーカーから発売されているシリコン塗料は、耐久性に優れており、10年以上の耐用年数を持つものも出てきています。
フッ素塗料は、シリコン塗料よりもやや費用が高めではありますが、耐久性に優れており、15年以上の耐用年数を持つものも提供されるようになりました。
コストパフォーマンスや塗り替えの頻度によって、選択肢が異なることになりますので、塗装業者に相談しながら進めていくと良いでしょう。
外壁と一緒に塗装しておきたい付帯部
『付帯部』と言っても住宅周りにはさまざまなものがあり、その中でも塗装が必要な箇所がいくつか存在します。
特に必要になる付帯部をピックアップしてみましたので、ご紹介しましょう。
・雨樋
『雨樋』とは、屋根に降り注いだ雨を下水にまで導くためのもので、紫外線や風雨の影響を受けやすい付帯部であるために、汚れと共に損傷も生じやすい部位だと言えます。
そのため、外壁塗装の際には、塗装される箇所の一つに挙げられます。
塗装しておけば雨樋の耐久性が高まり、割れや欠損を生じさせにくくなります。
ただ、雨樋は劣化や衝撃などによって損傷が生じることも多く、気づかないうちに外れるようなことによって、正しく排水されていないようなこともあります。
そのようなケースの場合には、外壁塗装の際に交換されることもあります。
・軒天
『軒天』とは『軒天上(のきてんじょう)』とも呼ばれることがある箇所で、外壁よりも突出した屋根やベランダの裏側部分のことを指しています。
主に紫外線や雨から外壁を守る効果が期待できる箇所ですが、外壁と同様に塗装が施されています。
そのため、劣化によって塗膜の機能が衰えてしまい、色あせや塗膜のひび割れ、膨れ、剥がれ、カビや藻の発生などが生じやすくなります。
屋根の湿気を逃がす必要がある箇所でもあるために、透湿性の高い塗料によって塗装されることになります。
・雨戸・シャッターボックス・戸袋
『雨戸』は風雨から建物内部を守るための扉であり、かつては木製の雨戸が、近年ではアルミ製や鋼板製の雨戸シャッターが主流となっています。
雨戸シャッターを収める箱状のものを『シャッターボックス』、引き戸の雨戸を収納するものを『戸袋』と呼んでいます。
特に風雨の激しい日にはシャッターを閉める機会が多くなりますので、劣化が生じやすい部位であると言えるでしょう。
いずれも現代の住宅においては金属製などのものが主流になっており、劣化することによって錆びが発生してしまいますので塗装が必要になります。
・破風板・鼻隠し
『破風板(はふいた)』とは、雨樋が設置されていない屋根の先端部分の部材を指し、『鼻隠し(はなかくし)』とは、雨樋が設置されている屋根の先端部分の部材のことを言います。
いずれも美観を向上させるために設置されていますが、鼻隠しは雨樋を設置するための金具を取り付ける下地材の役割もあります。
近年では金属系や窯業系の素材が活用されるケースが多いですが、かつては木材が主流であったため、どうしても痛みやすい部位であると言われてきました。
劣化の生じやすい部位であるために、外壁と共に塗装される部位になっています。
・帯板・幕板
『帯板(おびいた)』『幕板(まくいた)』は、『胴差(どうざし)』と呼ばれることもある装飾材・化粧材のことを指しています。
1階部分と2階部分の境目、ベランダに沿って設置、あるいは縦に設置されているケースもあります。
ほとんどの住宅では、破風板と同じ素材のものが設置されており、外壁と共に紫外線や風雨の影響を受けやすい部位ですので、外壁と一緒に塗装されることがほとんどです。
デザイン性を高めるために、外壁と違う色で塗装されるようなケースも増えています。
・霧除け(庇)
『霧除け(きりよけ)』は、『庇(ひさし)』とも呼ばれる部位で、扉や窓の上に取り付けられている、出っ張っている箇所のことを指しています。
霧除けとは言うものの、雨除けとしての機能もあり、また陽ざしの厳しい日には紫外線除けの役割も果たします。
そのため、風雨による汚れや紫外線による劣化を防ぐ重要な部位であると言え、それだけに劣化も進行しやすく、外壁と同時に塗装されるケースが多くなっています。
・水切り
『水切り』とは、外壁と基礎の間にある板金のことで、基礎に直接、雨があたるのを防ぐことができ、雨の侵入を防ぐために設置されています。
基礎に雨が侵入すると、床下がどんどん湿気がたまっていくことになり、最悪の場合にはシロアリの発生の原因や耐震性を損なうことになってしまいます。
そのため、水切りの素材を保護し、劣化が進行しないようにするためにも、外壁と同時に塗装することが大切なのです。
・換気フード
『換気フード』とは換気扇が設置されている大きな覆いのことで、室内から換気された空気を外に排出させることができます。
換気フードもスチールが塗装されているケースが多く、劣化によって錆びが生じていることも多いために、外壁と同時に塗装されます。
付帯部塗装の費用・単価相場
付帯部 | 費用・単価の目安 |
雨樋 | 500~1,500円/m |
軒天 | 600~1,800円/㎡ |
幕板 | 600~1,800円/㎡ |
雨戸(引き戸タイプ)・戸袋 | 2,000~4,000円/枚 |
雨戸シャッター | 1,500~2,500円/枚 |
シャッターボックス | 1,500~2,500円/箇所 |
破風板・鼻隠し | 600~1,500円/㎡ |
霧除け(庇) | 1,500~2,500円/箇所 |
水切り | 300~700円/m |
換気フード | 500~1,500円/箇所 |
付帯部塗装の費用や単価の相場を調べてみました。
ほとんどのケースで『m(メートル)』もしくは『㎡(平方メートル)』、あるいは一箇所ごとの費用となっています。
また別途塗料にかかる費用が必要になりますので、付帯部塗装がどれくらい必要になるのかについては、塗装業者に相談してみると良いでしょう。
まずは見積りを確認して、付帯部塗装について明確に記載されているのかチェックしておくようにしましょう。
塗装業者によっては『一式』などと省略されているケースがありますが、そのような場合には多く見積もられている可能性があるため注意が必要です。
まとめ
外壁塗装と同時に取り組まれる、付帯部塗装について、その必要性やメリット、塗装箇所、費用相場などについて詳しくご紹介しました。
付帯部とは住宅の周囲に設置されているパーツであり、さまざまな役割を持っています。
外壁と同様に紫外線や風雨によって劣化が生じやすく、割れや欠損など損傷によって交換などが必要なケースもあります。
そのため、外壁塗装の際には必ず状態の確認と共に、塗装をはじめ、必要なメンテナンスが必要になります。
付帯部塗装の具体的な内容については、地元に密着し、実績豊富な地元の塗装業者に相談しながら進めていくことをおすすめします。
「こんな相談しても嫌がられないかな?」「まだやるか決めていないんだけれど…」
など、ご心配不要です。
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この記事の著者について
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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
一人でもそういう方がいなくなり、私たちが地元の皆さまに貢献できればと思っています。川崎市・横浜市にお住まいで、外壁塗装についてお悩みの方はお気軽にご相談下さい。(会社概要・本店について|青葉店はこちら)