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外壁塗装でよく『塗膜』という言葉を耳にして、塗膜とは何を指しているのか、よく分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
塗膜とは、塗料を塗り重ねることによって形成する膜のことを指しており、外壁や屋根に塗装する際には、強固な塗膜を作ることが重要だと考えられています。
単に塗り重ねていけば簡単に作れるというものではなく、適切に塗装していない場合には、あとから不具合が出てしまうことがあります。
不具合が生じると、塗料の持っている防水性や防汚性、断熱性などといった機能が果たせなくなりますので、塗膜の役割や作り方について知っておくべきでしょう。
そこでここでは、外壁塗装の『塗膜』について、役割や塗装方法、不具合などを踏まえ、プロの塗装業者が徹底解説していきましょう。
外壁塗装の『塗膜』とは?役割や作る工程について
塗膜とは、塗料を塗り重ねることによって作られる膜のことで、この膜がしっかりと形成することによって、外壁材や屋根材の耐久性を守れるのです。
仮に、外壁や屋根に対して塗装しない状態で放置していると、紫外線や風雨の影響によって、すぐに建材が損傷してしまいます。
ここでは、塗膜について、役割や作る工程について詳しくご紹介していきましょう。
・外壁塗装の『塗膜』とは?
冒頭からお伝えしている通り、塗膜とは塗料を塗布することによって作られる膜を指しており、紫外線や風雨から建材を守るために必要なものです。
塗料はもともと液体状ですが、外壁や屋根に塗装し、一定の時間が経過すると乾燥して、塗膜が形成されます。
乾燥してはじめて、塗膜が強固に仕上がるということを把握しておきましょう。
では、なぜ乾燥すると塗膜が強固になるかというと、塗料に含まれている成分が乾燥することによって塗膜が形成される仕組みになっているからです。
塗料は『顔料』『樹脂』『添加材』で構成されており、そこに『水、または溶剤(シンナー)』を加えることによって外壁や屋根に塗装できるようになります。
塗膜を構成するものは『顔料』『樹脂』『添加材』であり、『水、または溶剤(シンナー)』は塗装する際に粘土を調整するために活用されており、塗装後には揮発するため塗膜にはなりません。
・塗膜の役割
塗膜の役割については、外壁材や屋根材を守るため、さらに言えば、住宅そのものを守るためであると言っても過言ではありません。
外壁材や屋根材は、セメントや金属で造られているものが多いですが、セメントは雨を吸い込んでしまいますし、金属であれば錆びが生じてしまいます。
セメントの建材に雨水が染み込んで膨張し、また暑い日には蒸発して伸縮して、その繰り返しによって、建材そのものが割れたり欠けたり剥がれたりしてしまうのです。
割れた状態でそのままにしていると、割れた箇所から雨水が侵入し、建物内部を腐食させてしまい、最悪の場合には雨漏りや耐震性にまで影響を及ぼします。
塗膜は、外壁材や屋根材をコーティングするためのものですから、雨水が侵入することを防ぎ、雨漏りを防止し、建物自体を守ることにも繋がります。
・塗膜を作る工程
上記でもお伝えした通り、塗料は『顔料+樹脂+添加材』で構成されており、そこに『水、または溶剤(シンナー)』を規定量、加えて塗装できる状態にします。
水、または溶剤(シンナー)をどのくらい加えるかについては、塗料のメーカーが提供している仕様書などに記載されており、その割合を守って希釈していきます。
希釈する割合のことを『希釈率』と呼ばれており、その割合を守ることによって、塗料の機能を引き出せると言われています。
そのため、規定より濃くしても、薄くしても強固な塗膜は作りだせないのです。
また、塗装は三度塗りを基本としており、『下塗り』『中塗り』『上塗り』の工程を経て、塗膜を作りだすことができます。
下塗りは、シーラーやフィラーと呼ばれる下塗り材を活用して、中塗りや上塗りの塗料がしっかりと定着させることを目的としています。
中塗りと上塗りは基本的には同じ塗料を活用し塗り重ねていくため、『上塗り2回』とまとめて呼ばれることもあります。
三度塗りは、それぞれの塗料が乾燥してから塗り重ねていく必要があり、乾燥時間においても塗料の仕様書などに記載してある内容を守らねばなりません。
塗膜の不具合~2~3年で生じたら施工不良の可能性が
外壁塗装においてよく耳にする『塗膜』ですが、さまざまな工程にしっかりと取り組んで、はじめて強固なものに形成できます。
一般の方の中には、単に塗料を塗装すれば良いようなイメージをお持ちの方がいらっしゃいますが、それだけでは本来の塗料の持つ機能を引き出せないのです。
そのため、外壁塗装には知識や経験が必要であり、仮に一般の方がDIYで塗装するような場合では、すぐに不具合が生じてしまうのです。
また、塗装業者による施工であるとしても、手抜きや悪質な工事が行われたとしたら、耐用年数よりも早く劣化してしまうケースもあります。
では、どのような不具合がみられるのか、詳しくご紹介していきましょう。
・塗装して数年で色褪せがみられる
本来、塗料の持つ耐用年数は、塗料のグレードによっても異なりますが、一般的なシリコン塗料であれば10年程度であるといわれます。
しかし、塗装の際に強固な塗膜が作れない場合においては、2~3年で色褪せがみられることがあります。
色褪せの最大の原因は、太陽光に含まれる紫外線であると言われており、そのほかにも風雨など自然によるものであると考えられます。
塗料に含まれている顔料(色の元)の原子同士の結びつきが壊れてしまうためであると言われています。
原子レベルで塗料をみると、顔料の原子がしっかりと結び付いた状態が強固な塗膜となるのですが、紫外線はこの結合を壊してしまい、色褪せとなってしまうのです。
また、雨が酸性雨の場合に、化学反応によって色褪せを生じさせてしまうという原因も考えられます。
・塗膜にひび割れや剥がれ、浮きがみられる
塗膜の不具合として多いものに、ひび割れ、剥がれ、浮きといった症状があります。
- 紫外線の影響
- 外壁の収縮や膨張
- 地震や台風などの自然災害
などが原因で生じると言われていますが、強固な塗膜であるとしても経年劣化によって発生します。
ひび割れは『クラック』と呼ばれることもある塗料の劣化症状で、髪の毛程度のものであればヘアクラック、外壁材そのものがひび割れを生じているケースであれば構造クラックと呼ばれます。
地震などによる構造クラックでない場合には、早期に生じるようなものではありませんが、塗装の際のそれぞれの工程で規定を満たしていないような場合には早期にひび割れを生じさせてしまうことがあります。
例えば、下塗りをしっかりと乾燥させずに中塗り、上塗りを塗り重ねてしまうと、ひび割れが生じやすいといわれます。
また、下地処理を丁寧に施工されていない場合には、構造クラックが生じやすくなってしまいます。
塗膜の浮きや剥がれは、下地にしっかりと密着していないために生じる不具合で、2~3年程度で生じる場合には、施工不良が原因だと考えられます。
外壁塗装ではまず最初に高圧洗浄機で汚れや古い塗膜を除去する工程を行いますが、この作業が不十分だった場合には、早期に浮きや剥がれが生じやすくなります。
また、シーリング補修やケレンなどの下地処理も丁寧に行われなかった場合や、下塗りが不十分だった場合、塗料の乾燥時間を守らなかった場合などにも起きやすい症状です。
・チョーキング現象がみられる
チョーキング現象とは、外壁に手を触れた際に、白い粉が付く症状のことを指しており、塗膜の劣化によるものだと考えられています。
チョーキング現象は『白亜化現象』とも呼ばれますが、塗料に含まれている成分が、紫外線や風雨、熱などの影響によって分離し、塗膜の表面に浮き上がっている状態なのです。
塗膜は上記においてもお伝えしている通り、一般的によく活用されているシリコン塗料であれば10年程度の耐用年数を持ち、チョーキング現象については塗装から5年以上が経過して少しずつみられるようになります。
そのため、2~3年で現れているような状況であれば、施工不良が原因であると言えるでしょう。
施工不良でチョーキングが生じる原因は、塗料の希釈率が守られていないことや、塗装するための塗料の量が不足していることなどが考えられます。
塗料は、原液に対して水、または溶剤(シンナー)を規定量、加えて塗装できる状態にしますが、この量を間違えると塗料の機能を十分に引き出せなくなってしまいます。
また、本来、使用すべき塗料の量でない場合にも、劣化を早めてしまい、あり得ないスピードでチョーキング現象が生じてしまうのです。
強固な塗膜を作るための塗装業者選びのポイント
せっかく外壁塗装に取り組むのであれば、強固な塗膜を作ってくれる、優良な塗装業者を選ばねばなりません。
中には、いくつかの塗装業者に相見積もりを出している方もいらっしゃると思いますが、見積書で見ておくべきポイントを知っておくべきでしょう。
そこでここでは、強固な塗膜を作るための塗装業者選びのポイントをご紹介しましょう。
・見積書をチェックする
相見積もりするために見積書をもらったら、費用を見比べるだけではなく、内容をしっかりと確認しておくことが大切です。
冒頭からもお伝えしている通り、外壁塗装ではさまざまな工程が行われ、見積書においてもその工程にかかる費用が細かく記載されています。
一般的には、工事内容や単価、量などが記載されていますが、塗装業者の中には省略されて、『一式』などと記載されているようなこともあります。
一項目だけ事例を挙げてみると、
工事内容:上塗り
面積:118㎡
単価:4,000円/㎡
総額:472,000円
備考:フッ素塗料(ファイン4Fセラミック)
などと記載されることになります。
しかし、『塗装工事、一式、800,000円』とだけ記載されていると、どのような工事内容なのか、まったく分かりません。
総額が相場よりも安い価格になっている場合であれば、何か必要な工程が省かれている可能性があります。
そのため、しっかりと工事内容を記載している、塗装業者を選ぶようにしましょう。
・経験豊富な地元業者に相談する
塗装業者を選ぶ際に、口コミや評判などをインターネットで検索する方は多いと思います。
その際に、塗装業者が提供している公式サイトを閲覧し、どのくらいの経験を持っているのか確認することが大切です。
冒頭からもお伝えしている通り、塗装には経験と知識が必要になりますので、施工事例などが豊富で、口コミや評判が良ければ信用できます。
さらに、地元で手抜き営業をすれば、すぐに悪い噂が広がってしまうことになりますから、地元業者を選んでおくことが大切です。
アフターサービスや保証も充実している傾向にあります。
また、地元業者であれば、下請けに塗装を任せるようなことがありませんから、大手よりも塗装費用が安くなる可能性もあります。
まとめ
外壁塗装の『塗膜』について、役割や塗装の工程、施工不良、業者選びのポイントなどを踏まえ、詳しくお伝えしました。
外壁塗装でよく聞く『塗膜』とは、塗料を塗り重ねることによって作り上げる膜のことで、強い塗膜を作ることによって外壁や屋根を守ることができます。
塗料を単に塗り重ねればできるというものではなく、希釈率や乾燥時間といった塗装の工程はもちろんのこと、高圧洗浄や下地処理など、すべての工程の積み重ねで造られるものです。
そのため、適切に塗装しないと耐用年数よりも早く不具合が生じてしまう可能性があります。
不具合が生じると、塗料の持っている防水性や防汚性、断熱性などといった機能が果たせなくなりますので、塗装業者選びがとても重要になります。
塗料の持つ機能をしっかりと引き出し、本来の耐久性を保つためには、経験豊富な塗装業者に相談することが大切です。
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この記事の著者について
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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
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