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外壁・屋根ともに『ガルバリウム鋼板』が採用されるケースが増えてきました。
しかし、金属建材であることは理解できるものの、どのような特徴を持っているのか、そもそも錆びないのか、どのようにメンテナンスすればいいのか、ご存知でない方も少なくありません。
ほかの外壁材にはない優れた性質をたくさん持っており、近年の研究開発によって耐久性能はどんどん高まっているため、今後も採用が増えることが見込まれています。
ただし注意点もありますので、ガルバリウム鋼板についてしっかりと理解しておくようにしましょう。
そこでここでは、ガルバリウム鋼板に着目して、どのような外壁なのか、その特徴やメンテナンス方法、メリット・デメリットなど、プロの塗装業者が徹底解説していきましょう。
ガルバリウム鋼板の外壁の特徴
ガルバリウム鋼板とは、外壁材や屋根材に多く活用されている素材であり、高い耐久性能を兼ね備えている金属建材のことを指しています。
金属建材には、ガルバリウム鋼板のほかに、『ジンカリウム鋼板』『トタン』『鋼板』『ステンレス』『チタン』がありますが、その中でもっとも採用されている建材がガルバリウム鋼板であると言えるのです。
屋根材は現在、金属屋根の割合が高くなっていることから、ガルバリウム鋼板を採用した住宅にお住いの方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、ガルバリウム鋼板とは何か、特徴や耐久性なども踏まえ、詳しくご紹介していきましょう。
・ガルバリウム鋼板とは
ガルバリウム鋼板は、従来の亜鉛メッキ鋼板よりも耐久性・耐食性を高めた金属建材のひとつで、外壁材のほかにも屋根材、サイディング、雨樋といった建材としてだけではなく、空調ダクトや自動車部品など、さまざまな用途で使用されています。
ガルバリウムの名称は、アルミニウムと亜鉛から構成されていることを意味する「galvanized」と「aluminum」の組み合わせに由来しており、『アルミ亜鉛合金メッキ鋼板』と呼ばれることもあります。
金属鋼板に対して、重量比でアルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%の構成によってメッキされているのが特徴です。
この組み合わせにより、各成分が強固に結合し、極端な温度や塩水、酸性雨などの厳しい環境条件にも耐えうる耐久性の高い仕上がりになっています。
また、断熱性に優れている外壁材も登場しているため、夏の暑い時期に建物を涼しく保ち、年間を通じてエネルギー効率を維持することもできます。
さらに、ステンレスや銅のような重い素材に比べ、軽量であるため施工も容易です。
全体的に、ガルバリウム鋼板は、従来の亜鉛メッキ鋼板よりも優れた性能と洗練されたモダンな外観を備えており、美観を損なわずに耐久性を必要とする建設のために優れた選択肢となっています。
・ガルバリウム鋼板は錆びる?
金属建材というと、「錆びるのでは?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
結論から申しますと、ガルバリウム鋼板は表面酸化を防ぐ層でコーティングされているため、通常の非コーティング鋼板のように錆びることはありません。
市販されている金属建材の中でもガルバリウム鋼板は特に耐久性が高く、その性能が長持ちすることから、近年ますます人気が高まっています。
従来の亜鉛メッキ鋼板と比較すると、ガルバリウムはその特徴的な合金組成により、湿気や沿岸環境に見られる塩分などの酸性物質による錆びの発生に対して優れた耐性を発揮し、腐食から保護します。
また、日光や雪に長時間さらされても、他の仕上げ材のようにひび割れたり剥がれたりしないので、他の種類の金属コーティングよりも長持ちする傾向があります。
そのようなことから、ガルバリウム鋼板は、ほかの金属建材では腐食がすぐに生じるような状況をはじめ、降雨が多い地域、沿岸の環境でも採用されるケースが増えています。
しかし、この材料は外部からの腐食に非常によく耐える優れた性質を持っていますが、寿命が来るまで定期的な保守や点検を行わずに放置していると、錆びが発生してしまうことがあるために注意が必要です。
ガルバリウム鋼板のメリットとデメリット
ガルバリウム鋼板は、耐食性に優れ、高いコストパフォーマンスであることから、建設プロジェクトにおいてますます人気が高まっている金属建材の一つです。
多くの人にとって魅力的な選択肢かもしれませんが、ガルバリウム鋼板にはメリットだけではなく、いくつかのデメリットがあり、使用する前に検討する必要があります。
・ガルバリウム鋼板のメリット
- 耐久性と耐用年数
- 錆びにくい
- 独特の美的魅力
ガルバリウム鋼板のメリットの一つとして、『耐久性と耐用年数』があります。
ガルバリウム鋼板は、金属建材であるトタンと比較する数倍程度の耐用年数を持っていると言われており、外壁材として数多く採用されているサイディング外壁よりも長く保つことができます。
このため、メンテナンス費用を節約できるだけでなく、構造物の安全性を長期にわたって維持することができるのです。
ただし、放置していても、あるいはメンテナンスをしなくても耐久性を維持できるというものではなく、塗装による保護によって長持ちさせることができるのです。
また、人気がある理由の一つに、『錆びにくい』という点も挙げられます。
一般的な金属は、湿気や塩分にさらされるとすぐに腐食してしまうことは皆さんも御承知の通りですが、ガルバリウム鋼板は、下地に強力な保護膜を形成し、錆などの腐食に対する抵抗力を大幅に高めることができるのです。
強力な保護膜とはアルミニウム、亜鉛、ケイ素の組み合わせによる溶融亜鉛メッキのことを指しており、錆びに対する優れた保護機能を発揮しています。
また大きな利点として、独特の美的魅力がある外観に仕上がるという点も挙げられるでしょう。
建物をよりモダンに見せる美的センスも兼ね備えているため、長期間の美観と環境要因からの保護に理想的な素材といえます。
・ガルバリウム鋼板のデメリット
- 錆びが発生するリスク
- コロニアルや窯業サイディングに比べるとコストが割高
- 傷や凹みに弱い性質
ガルバリウム鋼板のデメリットの1つとして、錆びるリスクであり、水や湿気に長時間さらされると、腐食や錆びが発生しやすいという点が指摘されています。
錆びたり腐食したりせずにそのまま維持できる期間には一定の限度があると言えます。
メリットとして優れた耐食性を持っているとお伝えしましたが、どうしても金属であるために、塗装などによるメンテナンスは欠かせないのです。
また、コロニアルや窯業サイディングに比べると割高である点についても、デメリットであると言えます。
アルミニウムと亜鉛という高価な素材を組み合わせているため、亜鉛メッキやステンレス製品など他の種類の金属板よりもかなり高価になると言われています。
さらにガルバリウム鋼板の組成上、他の種類の金属よりも施工に時間と技術を要するため、専門的に施工を依頼する場合は人件費がかさむ点も懸念されています。
比較的薄くしなやかなため、傷やへこみに弱い面がある点もデメリットである点も指摘できます。
このため、適切なメンテナンスを行わないと、経年劣化による破損や錆の原因となる可能性があります。
ただし、このような欠点があるにもかかわらず、ガルバリウムはアルミニウムやステンレス鋼などの他の材料に比べて比較的安価で、耐久性にも優れているため、多くの製造用途でよく使われていると言えるでしょう。
その優れた成形性から複雑な形状の成形に適しており、また手頃な価格で優れた構造強度を備えているため、品質や性能を求める住宅にとって最適な選択肢となっています。
ガルバリウム鋼板の断熱性と遮音性について
ガルバリウム鋼板は、断熱性と遮音性に優れている製品が提供されるようになったため、外壁材や屋根材などの建材に広く用いられています。
ガルバリウム鋼板の厚みは0.5㎜以下程度であるため、断熱性や遮音性は低いと考えられてきましたが、近年の技術開発によって大幅に改善されたものが用いられるようになってきたのです。
そこでガルバリウム鋼板の裏側に断熱材が施されており、それまで問題視されてきた断熱性が大幅に改善され、むしろほかの外壁材よりも効果に優れていると言われるようになりました。
断熱材が施されるようになってから、遮音性も改善されています。
メーカーが公表しているガルバリウム鋼板の遮音性に対する実験データを見ても、静かだと感じるに十分なレベルにまで遮音できていることが分かります。
ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法
上記において、ガルバリウム鋼板の外壁材の特徴をはじめとして、さまざまな優れている点をお伝えしてきました。
確かに高い耐久性を持っており、金属素材であるにもかかわらず錆びにくいというメリットがあるのですが、そのまま放置しているとどうしても錆びてしまうリスクがあるという点もデメリットとして存在します。
そのため、適切なメンテナンスに取り組むことにより、ガルバリウム鋼板の外壁材をいつまでも保護し、建物を守ることができるのです。
では、どのようなメンテナンス方法があるのか、詳しくご紹介しましょう。
・定期的な洗浄
ガルバリウム鋼板の外壁材のメンテナンス方法として、もっとも手軽に取り組め、しかも外壁材を保護するために重要なものと言えば『定期的な洗浄』です。
定期的に外壁全体を見渡してみて、汚れが付着しているところを家庭用のホースや柔らかいスポンジなどを活用して水洗いしましょう。
塗料には汚れが付きにくい機能を有していますが、外壁の箇所によってはどうしても汚れが溜まってしまうことがあるのです。
汚れが付いたままになると、どうしてもその箇所にさらに汚れが付着することや、湿気が多い箇所であればカビや藻が発生してしまうこともあります。
洗浄する方法は、ホースの水で流した後、汚れが付着している部分にスポンジで軽く擦っていくようにします。
なかなか汚れが落ちない場合には、外壁専用の洗剤や中性洗剤(食器洗剤)を使用すると良いでしょう。
家庭用の高圧洗浄機をお持ちの家庭もあるかと思いますが、当て方によっては外壁材を傷つけてしまうことになり、錆びの原因になることがあります。
そのため、軽く擦って汚れが落ちないようであれば、プロの塗装業者に相談することが賢明です。
・定期的な外壁塗装
高い耐久性、耐用年数を誇るガルバリウム鋼板の外壁材ではありますが、あくまでガルバリウム鋼板を適切に管理した場合であるため、定期的に塗装を施して保護しておく必要があります。
外壁塗装のタイミングとしては、一般的には新築から、もしくは前回の塗装から10年程度であると言われていますが、外壁の塗膜に劣化症状が見られている場合には速やかに塗装業者に相談することが大切です。
ガルバリウム鋼板の外壁材の劣化症状には、
- チョーキング現象(手で触れると白い粉が付く)
- 色褪せ
- 傷や凹み
- 錆び
などといったものがあります。
チョーキング現象や色褪せは、塗料の塗膜の劣化症状であり、そろそろ塗り替え時期が来たと判断できる材料になります。
傷や凹み、錆びについては、外壁材そのものの劣化症状や損傷になりますから、速やかに塗装業者に相談して、適切に対処してもらう必要があります。
傷や凹みがある場合には、その箇所から錆びを生じさせる可能性がありますし、すでに錆びが発生している場合には、さらに錆びが広がってしまうリスクが高いです。
錆びが進行していると、外壁塗装では防ぐことができず、外壁材そのものの修繕が必要になる可能性もありますから、早めに相談しておくようにしましょう。
まとめ
ガルバリウム鋼板の外壁材に着目して、どのような外壁なのか、その特徴やメンテナンス方法、メリット・デメリットなどをまとめてご紹介しました。
『ガルバリウム鋼板』は、薄いながらも近年の研究開発によって断熱性や遮音性に優れた製品も登場していることから、外壁や屋根材として採用されるケースが増えてきました。
耐久性が高く、耐用年数は長く、特徴的な美観にも優れているのですが、金属建材であるために錆びのリスクがあるため、定期的にメンテナンスが必要になります。
汚れが付着している箇所を見つけたら水洗いやスポンジで洗浄するようにして、10年に一度程度は外壁塗装によるメンテナンスによって、外壁材そのものを保護するようにしてください。
ただ、ガルバリウム鋼板への塗装は塗装業者にも難しいと言われていることから、塗装において実績豊富な地元業者に相談しながら進めていくことをおすすめします。
「こんな相談しても嫌がられないかな?」
「まだやるか決めていないんだけれど…」
など、ご心配不要です。
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この記事の著者について
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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
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