目次
外壁塗装や屋根塗装を行うと、塗装業者において一定期間の保証があります。
例えば、その期間内に塗膜にひび割れや剥がれなどの不具合が生じた場合でも、塗装業者が塗りなおしをするなど補修しますので安心してお任せすることができるのです。
しかし、戸建て住宅での外壁塗装や屋根塗装では、塗料のメーカーからの保証はほとんど付くことがありません。
住宅のメンテナンスにおいて外壁材の張り替えや、屋根の葺き替えなどにおいては、メーカー保証を受けられます。
塗装工事においてメーカー保証がないことに疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、塗装工事のメーカー保証はなぜないのか、プロの塗装業者が徹底解説していきましょう。
塗装工事にメーカー保証がない5つの理由
塗装工事にメーカー保証がない理由として、5つのポイントにまとめましたので詳しくご紹介しましょう。
・塗装工事は施工業者が保証するもの
冒頭にもお伝えしている通り、外壁塗装や屋根塗装においては塗装業者が保証を付けているものの、塗料メーカーからの保証は戸建て住宅においてはまずありません。
外壁塗装はメーカーが提供している塗料のマニュアル(設計仕様)通りに作業を進める必要があります。
しかし、実際に施工するのはメーカーではなく塗装業者なので、本当にマニュアル(設計仕様)通りに作業が進められているのか、施工管理することが困難です。
塗装業者は国内で数万社あると言われていますが、そのすべてをメーカーが管理し、常に同じ品質で提供し続けることはとても難しいのです。
ただ、マンションの大規模修繕工事などで外壁塗装が行われるような場合には、メーカー保証が付いてくることもあります。
・塗料は塗膜となってはじめて完成と言えるため
『半製品』という言葉をご存じでしょうか。
外壁や屋根塗装に用いられる塗料は『半製品』であるために、メーカーは保証が付けられないと言われています。
塗料は外壁や屋根に塗装され、乾燥して塗膜となってはじめて完成したと言えます。
『半製品』というのは、このような塗料の役割に対して呼ぶ言葉なのです。
例えば、メーカー保証を受けられる『外壁材の張り替え』や『屋根の葺き替え』などにおいては、完成された建築資材を取り付けるだけですし、無加工でできるものも少なくありません。
塗料の場合には、外壁や屋根に塗装する前に攪拌が必要で、樹脂に溶剤や水、また硬化剤を混ぜたうえで使用しなければなりません。
もちろん、混ぜ合わせる際に一定の比率を守らねばなりません。
また、塗料は三度塗りすることによって塗膜を強固にしていきますが、規定に応じた乾燥時間を設けて塗り重ねなければならないのです。
もちろん、雨の日に塗装ができず、湿度が一定以上高い日においても用いることはできません。
そのようなことを考えると、塗料は建築の仕上げのために用いられるもので、未完成、つまり『半製品』であると言えるのです。
・メーカーが現場での塗装工事を把握できない
塗装業者は全国に数万社存在すると言われており、メーカーがすべての施工現場を管理することはできません。
特に戸建て住宅での施工においては、毎日日本全国で数百、数千もの施工現場になることが予想できるため、それらの管理をメーカーが行うことは現実的ではありません。
メーカーはそもそもの役割として、優れた塗料を提供することであり、より耐久性が高く、より汚れに強い塗料を開発することであると言えます。
近年において新しく開発された塗料を見ても、その技術の進歩を感じることができます。
つまり、塗装業者にその技量があって塗料の良さを引き出すことができるものですから、塗料の品質ももちろんですが、それ以上に施工が大事になります。
だからこそ、施工現場を管理できないメーカーは、保証を付けることができないのです。
・悪質業者がいるため
塗装業者の中には、メーカーが提供するマニュアル(設計仕様)通りに作業を進めていない悪質な業者も存在します。
例えば、三度塗りせずに二度塗りしかしていないケースや、しっかりと乾燥させない間に塗り重ねてしまうようなケースもあります。
また、塗料を撹拌する際に樹脂に溶剤や水を混ぜて薄めていきますが、規定量以上に薄めてしまうようなケースもあると聞きます。
メーカーは耐久性が高く、扱いやすい塗料を開発していますが、そのような間違った使い方をした場合には、どれだけ優れている塗料であっても十分な効果を発揮することはできません。
メーカーはすべての施工現場を管理することができないため、どうしてもこのようなケースも想定して、保証を付けることができないのです。
・設計仕様通りに塗装してもやり方や道具によって仕上がりが異なる
塗装作業は、同じ塗料だからと言って同じように仕上がる訳ではありません。
塗料メーカーが提供するマニュアル(設計仕様)通りに作業を進めているとしても、塗装業者によってやり方は異なりますし、また使用している道具も異なります。
また、職人の技量によっても、仕上がりはまったく違ったものになることがあります。
さらに言えば、塗装前の高圧洗浄によって、しっかりと汚れなどを落としておかなければなりませんし、高圧洗浄後は充分に乾燥させたうえで塗装に取り掛からなければなりません。
そのようなさまざまな工程を経て、強固な塗膜は作られていくものですから、どうしても施工現場の管理が難しいメーカーにとっては、保証が付けられない理由も理解できるのではないでしょうか。
塗料メーカーのマニュアル『塗装仕様』とは
塗料メーカーは各塗料に対して『塗装仕様』と呼ばれるマニュアルを用意しており、塗装業者はその塗装仕様に準じて塗装作業を行うことになります。
そのポイントは『湿度』『乾燥時間』『希釈量』の3つにまとめることができます。
・湿度
多くの塗料では塗装の条件として、湿度85%以下の環境下で使用するよう求めています。
塗料の品質を引き出すためには湿度がとても重要になり、塗装の仕上がりに大きな影響を及ぼします。
湿度が高い状況であれば、塗装してもしっかりと乾燥しないことや、塗料が垂れてくる可能性があるからです。
例えば、雨が降っている日には、湿度が高くなり、雨水によって塗料が垂れてしまうリスクがありますので塗装作業を行うことはできません。
・乾燥時間
塗料には乾燥時間が定められており、規定時間以上の時間を開けるようにしなければなりません。
間隔は3~4時間以上というものが多く、下塗り・中塗り・上塗りの三度塗りする間には、規定された乾燥時間を設けておく必要があります。
例えば、塗装作業に半日かかるとすれば、乾燥時間も含めると、ひとつの工程に丸1日が必要となることが分かります。
つまり、三度塗りの場合には、おおむね3日程度必要になります。
施工知識が乏しい塗装業者の場合には、手触りなどで判断して重ね塗りしてしまうケースもありますが、そのような施工では十分な機能を引き出すことができないのです。
さらに塗料は1週間以内に次の施工を行わねばなりません。
例えば、下塗りしたあとに雨が降り続いて次の工程が一週間以上できなくなった場合、また最初の下塗りから施工する必要があります。
・希釈量
塗料は溶剤や水と薄めるための希釈量が決められており、おおむねどの塗料でも5%~10%となっており、10%以上に薄めないよう指示されています。
外壁や屋根塗装で使用される塗料は、塗料缶をそのまま直接使用するのではなく、水性塗料の場合には水、油性塗料の場合には溶剤(シンナー)で薄めて使います。
これは、塗料の性能や耐久性を最大限に引き出すために必要なもので、その基準として希釈量を決めているのです。
塗料の希釈量はそれぞれで、5%~10%の最適な割合が設定されており、塗装業者はその希釈量を確認してから薄めるようにしています。
メーカーからは10%以上で薄めないように指示されているのですが、悪質な業者の中にはコストを削減させるために、規定以上に薄めるようなことが起きています。
もちろん、規定以上に薄めてしまうと、本来ならば10年以上の耐久性のある塗料であるとしても3年や5年で劣化してしまうようなことがあります。
外壁塗装の塗装業者選びの注意点
冒頭からお伝えしている通り、塗装工事にはメーカー保証がないため、それだけ塗装業者選びが重要になってくると言えます。
技量も備わっており、アフターフォローも万全な塗装業者を選んでおけば、塗料の良さをしっかりと引き出し、しかも何かあった時にはすぐに補修してもらうことができます。
逆に言えば、悪質な業者を選んでしまうことによって、泣き寝入りしてしまうことにもなりかねません。
・塗装工事の方が塗料よりも重要
外壁塗装となると、どうしても塗料の品質ばかりに目が行きがちですが、塗料はメーカーから優れた製品を提供していますので、あとはその品質を塗装業者が引き出せるかどうかです。
つまり、塗料よりも塗装工事の方が重要なものになると言えます。
上記でもお伝えした通り、塗装は誰が塗っても同じような品質になるものではなく、正しい管理のもとで施工することによって引き出すことができます。
また、長年にわたる知識と経験の積み上げによって、塗料の良さを十分に引き出すことができるようになります。
塗料は半製品と呼ばれる通り、完成させるのは塗装業者の仕事であり、塗料メーカーではありません。
また、塗装業者によっては、専門の職人が塗装するのではなく、下請けを活用しているようなケースも珍しいことではありません。
そのため、そのような点にも着目して、知識と経験を兼ね備えているのか、口コミや評判なども参考にしながら塗装業者を選ぶことが大切です。
・きちんと管理を行っているか
優れた塗料を活用したとしても、塗装業者側が塗装工事に必要な工程にしっかりと取り組まないと、塗料の品質を引き出すことはできません。
例えば、高圧洗浄によってしっかりと外壁の汚れを落とし、下地調整によって手作業で錆びなどを落としておかないと、強固な塗膜を作り出すことはできません。
塗装においても管理しなければならないことがたくさんあります。
塗装すれば乾燥時間を十分に設けなければなりませんし、乾燥せずに重ね塗りしてしまうと、仕上がりが不十分で耐久性も低下してしまうことになります。
そのために、天候と向き合いながら作業を進めていく必要があります。
雨が降ると塗装できなくなりますし、湿度が高くなってせっかくの塗膜がしっかりと乾燥しない可能性もあります。
そもそも塗装する塗料を、溶剤や水で希釈せねばならず、メーカーの定めた希釈範囲に沿って薄めていく必要があります。
悪質業者であれば、余計に薄めてしまうことや、目分量で行っているケースもあります。
メーカーの保証がない分、このような点にも注意して塗装業者を選んでいく必要があります。
・アフターフォローからが本当のスタート
外壁や屋根塗装は、塗装してからがスタートであると言えます。
塗装後に何か不具合が生じるようなことがないとは言い切れません。
そのため、塗装業者ではメーカーにはない保証制度を独自に設け、必要に応じて補修などに対応しています。
どんな小さな補修であるとしても、嫌な顔一つせず対応してくれる業者を選ぶことがとても重要になります。
まとめ
塗装工事にメーカーが保証を付けない理由についてご紹介しました。
塗料メーカーは、塗装業者が施工する工事をすべて管理することはできないため、戸建て住宅においてはほとんど保証を付けることはありません。
優れた塗料を開発し提供していくのが塗料メーカーの役割であり、その塗料を塗装し、しっかりとした塗膜に完成させるのが塗装業者です。
そのため、ほとんどのケースでは塗装業者が独自に保証を付け、アフターフォローを行っているのです。
ただ、塗料の品質を最大限引き出すには、十分な知識と経験が必要であり、さらに塗料メーカーが提供するマニュアル通りに施工する管理能力の高さも必要になります。
そのため塗装業者選びはとても重要であると言えます。
地元に密着し、実績豊富な地元の塗装業者に相談しながら進めていくことをおすすめします。
「こんな相談しても嫌がられないかな?」
「まだやるか決めていないんだけれど…」
など、ご心配不要です。
「HPを見たのですが…」と、0120-711-056(年中無休8時〜19時)まで、お気軽にお電話下さい。
川崎市・横浜市(青葉区)を中心に神奈川県全域が施工エリアになります。お家の外壁塗装、屋根塗装は職人直営専門店の「池田塗装」にお任せください。
【本 店】TEL:0120-711-056
【青葉店】TEL:0120-824-852
本店:〒216-0042 神奈川県川崎市宮前区南野川2-35-2
アクセスはコチラ
青葉店:〒225-0024 横浜市青葉区市ケ尾町1603-2
アクセスはコチラ
【公式】YouTubeはコチラ
【公式】Instagramはコチラ
【公式】Facebookはコチラ
この記事の著者について
-
2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
一人でもそういう方がいなくなり、私たちが地元の皆さまに貢献できればと思っています。川崎市・横浜市にお住まいで、外壁塗装についてお悩みの方はお気軽にご相談下さい。(会社概要・本店について|青葉店はこちら)