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住宅の外壁は、新築から10年程度が経過すると劣化症状が現れてくることから、塗装によるメンテナンスが必要になります。
また、塗装する塗料にも耐用年数がありますから、塗装後においてもそれぞれの塗料の耐用年数に応じて塗り替えしなければなりません。
つまり、10年程度に一度は塗装によるメンテナンスが必要ですから、「メンテナンスフリーの外壁はないの?」とご質問を受けるようなことがあります。
確かに、ハウスメーカーなどにおいては、メンテナンスフリーとして高性能な外壁材を勧めてくるようなケースがありますが、このような外壁材でもメンテナンスが完全に不要になる訳ではありません。
では、完全なメンテナンスフリーの外壁というものは存在しないのでしょうか。
そこでここでは、メンテナンスフリーの外壁に着目して、外壁材の耐久性やメンテナンスについて、プロの塗装業者が徹底解説していきましょう。
メンテナンスフリーの外壁はある?メンテナンス性能を高めるポイント
戸建て住宅の外壁は、一般的には10年程度で劣化が生じることから、塗装や補修などのメンテンナンスが必要となります。
では、メンテナンスフリーの外壁というものはないのでしょうか。
ここでは、メンテナンスフリーの外壁の存在と共に、どのようにすればメンテナンス性能を高めることができるのかご紹介しましょう。
・そもそもメンテナンスフリーの外壁はある?
『メンテナンスフリー』の外壁についてはご質問をお受けすることがありますが、結論を申し上げますと、そもそも永久的にメンテナンスが必要ないという外壁は存在しません。
外壁材は形のあるものですし、どれだけ優れた素材を活用したとしても、自然環境の影響を受けやすい外壁において劣化を防ぐのは免れません。
また、突発的に発生する台風や地震などの影響は、どうしても避けようがないのです。
では、冒頭にもお伝えした、ハウスメーカーなどが『メンテナンスフリー』として勧めてくる外壁材はどういうものかと言うと、メンテナンスの頻度が少ない耐久性の高い建材のことを指しています。
ハウスメーカーが独自に開発している外壁材の中には、耐候性や耐久性に優れており、かなり長い耐用年数を持つものも登場しています。
しかし、耐用年数が長いと言っても、永久的にメンテナンスが必要ないかと言うと、やはりそんなことはないのです。
また、一般的に活用されている『外壁タイル』は、土や石を高温で焼いて固めたものですから、とても硬く、耐久性や耐候性に優れているため、メンテナンスフリーと言われるようなことがあります。
ただ、外壁タイルに劣化は生じていなくても、目地に充填しているシーリングが劣化することや、外壁タイルそのものが剥がれてしまい、修繕が必要となるケースも珍しくないのです。
・メンテナンス性能を高めるポイント
完全にメンテナンスが必要にならない外壁材は存在しませんが、メンテナンス性能を高め、メンテナンスの頻度を低くすることは可能です。
そのポイントとして、
- 外壁材
- シーリング材
- 塗料
にこだわってみることをおすすめします。
これから戸建て住宅の新築を検討している方であれば、ハウスメーカーや建設会社がおすすめする『外壁材』を使用するのはひとつの方法になります。
上記でもご紹介しましたが、外壁タイルについては耐久性が高く、またデザイン性にも優れており、高級感や重厚感のある外観に仕上げられますから高い人気となっています。
また、近年の住宅では採用率が高いサイディング外壁も耐久性が高くなっています。
サイディング外壁にもいくつかの種類があり、窯業系は無機物や繊維質を混ぜて板状に形成したもので、高い人気を誇っています。
さらに、外壁タイルや窯業系サイディングについては、目地に充填されている『シーリング』の劣化を意識しておくようにするとメンテナンス性能が高まります。
シーリングにもさまざまな種類があり、多くのシーリングでは10年ほどで劣化症状が見られるようになりますが、耐候性の高いものを活用すれば、メンテナンスフリーに近づけることができるでしょう。
また、外壁塗装によるメンテナンスの際に活用される『塗料』を、耐久性の高いものを使用しておけば、メンテナンスの頻度が少なくなります。
一般的にはシリコン塗料が採用されるケースが多く、10年ほどで劣化がみられますが、耐久性の高い塗料であれば、20年程度が経過しても耐候性を維持できるものも数多く登場しています。
次の章では、『外壁材』『シーリング』『塗料』から、どのようなものの耐久性が高いのかご紹介していきましょう。
メンテナンス性能の高い外壁材・シーリング・塗料について
メンテナンスが永久に不要な外壁は存在しませんが、メンテナンスの頻度が少なくて済む、メンテナンス性能の高い外壁材やシーリング、塗料が開発されています。
そのため、メンテナンスの頻度を少なくしたいという方であれば、これらの製品にこだわってみることをおすすめします。
・メンテナンス性能の高い外壁材
戸建て住宅の外壁材でもっとも採用の多いものは『窯業系サイディング』ですが、サイディングボードにもさまざまな材質のものが提供されています。
その中でも高い耐久性を誇るものが、『樹脂系サイディング』であり、プラスチックの仲間である塩化ビニル樹脂を主原料とした外壁材となっています。
まったくメンテナンスが必要ないという訳ではありませんが、高い耐久性と共に凍害にも強い性質を持っていることから、海外では北米などでシェアが高いことでも知られています。
ただし、国内でのシェア率はわずか1%程度であると言われており、窯業系サイディングが70~80%程度であるのと比較すると、圧倒的な違いがあります。
先ほどもお伝えした通り、凍害に強い特徴があるために、北海道をはじめ寒冷地で活用される例が多いものの、その他の地域ではそれほど採用の事例がないのです。
そのため、扱いがあるハウスメーカーや工務店には限りがあると言われています。
そのようなことから、寒冷地でもない限り、現実的にはタイル外壁や窯業系サイディング、金属系サイディングを活用し、シーリングや塗料にこだわってみるのが、コストパフォーマンスの観点からしてもおすすめの方法になります。
・メンテナンス性能の高いシーリング
シーリングとは、外壁材や外壁タイルの目地などに充填している、ゴム状の素材のことを指しています。
サイディング外壁や外壁タイルはとても硬くて頑丈ですが、これらを外壁に繋ぎ合わせていくと、どうしても繋ぎ目にすき間ができてしまい、そこから雨水が侵入してしまうことになりますので、シーリングによって塞いでいます。
しかし、一般的に活用されているシーリングは、10年ほどで痩せや剥がれ、ひび割れなどが生じるようになり、そこから雨水が侵入する原因になってしまいますので、劣化症状が現れたら打ち替えなどの補修が必要になるのです。
ただ、近年開発されたシーリングの中には、耐久性の高いものが登場しましたので、メンテナンス性能を高めることができます。
例えば、オート化学工業が提供する『オートン イクシード』と呼ばれるシーリングは、長期耐久型と言われており、30年の耐用年数があると言われています。
メーカーの研究開発によって、過酷な環境によるテストにおいても高い耐候性が確認できており、密着性にも優れていることから、塗装業者での採用が増えています。
シーリングの打ち替えが30年に一度ということになれば、かなりの手間や費用負担も軽減できるのではないでしょうか。
・メンテナンス性能の高い塗料
外壁塗装に活用する塗料には、さまざまなグレードのものが提供されており、グレードが高いものほど耐久性が高い特徴を持っています。
一般的に提供されている塗料と、耐用年数の目安についてご紹介してみましょう。
塗料の種類 | 耐久年数 |
アクリル塗料 | 3~5年 |
ウレタン塗料 | 5~8年 |
シリコン塗料 | 5~10年 |
ラジカル塗料 | 7~15年 |
フッ素塗料 | 8~15年 |
ナノテクノロジー塗料 | 10~15年 |
セラミック塗料 | 10~25年 |
光触媒塗料 | 12~18年 |
無機塗料 | 15~25年 |
この中でもっとも採用の多い塗料は『シリコン塗料』になっています。
塗料の中でも比較的費用が安価であり、しかも耐用年数が長く、メーカーから提供されている塗料の種類も多いことが理由となっています。
近年の研究開発によって耐用年数が10年を超えるシリコン塗料が登場しているものの、10年ほどで劣化症状が現れるようになることから、10年~15年程度で塗り替えが必要になると言われています。
もっとも耐久性の高い塗料として知られているのは『無機塗料』です。
無機塗料とは、ガラスや鉱石などといった無機物を配合して作られた塗料のことで、硬くて燃えにくいために耐久性が高いと言われています。
一般的な塗料には、有機物であるアクリルやウレタンなどの樹脂が含まれて作られているのですが、有機樹脂は紫外線によって劣化する性質を持っていますので、どうしても一定の経過によって劣化症状が現れてしまうのです。
無機塗料は、ガラスや鉱石といった半永久的に劣化しない無機物が主成分ですから、耐用年数はとても長く、近年提供されるようになった製品の中には、20年~30年が経過しても70~80%程度の維持ができるようなものもあります。
ただ、無機塗料は主成分が硬いために塗装が難しく、近年では有機物を混ぜて使いやすくした『無機ハイブリッド塗料』という製品も登場しています。
無機ハイブリッド塗料は、『無機有機ハイブリッド塗料』と呼ばれることがあり、塗料メーカーによっては無機ハイブリッド塗料のことを『無機塗料』と呼んでいることもあります。
無機ハイブリッド塗料においても耐用年数は20年以上が目安になりますので、外壁のメンテナンス性能を高めたいのであれば、一つの選択肢になるのではないかと考えます。
外壁を長持ちさせるポイント
外壁のメンテナンスフリーに着目して、外壁材やシーリング、塗料についてご紹介してきましたが、近年ではさまざまな建材が登場しているものの、完全にメンテナンスが必要のない外壁はありません。
やはり形あるものはどうしても劣化することになりますし、また紫外線や風雨の影響を受けやすい外壁であれば、一定期間が経過すれば劣化や損傷が起きても仕方ないと言えるのです。
ただ、きちんとメンテナンスに取り組んでいれば、いつまでも外壁を守ることができますし、また安心して暮らし続けることにも繋がります。
そのため、まずは経験豊富で信用ができる塗装業者を見つけ、定期的に点検してもらうことや、相談できる体制を持っておくことをおすすめします。
私たちが『かかりつけ医』を持っておくようなもので、塗装業者はそのような意味において住宅のかかりつけ医的な存在であると言えるのではないでしょうか。
例えば、できるだけメンテナンスの必要のない状態にしたいのであれば、高耐久性のシーリングや塗料を活用してもらうようにすればいいですし、小まめに綺麗を保ちたいのであれば、コストパフォーマンスの高い製品を使用すると良いでしょう。
いずれにおいても、経験豊富な塗装業者であれば、適切に判断して住宅にあった製品やメンテナンスのタイミングについてアドバイスができますから、うまく活用することが大切です。
まとめ
この記事では、メンテナンスフリーの外壁に着目して、メンテナンス性能を高めるポイントやメンテナンス性能の高い外壁やシーリング、塗料についてご紹介しました。
外壁は、住宅の中でも紫外線や風雨などの自然環境の影響を受けやすい箇所にあることから、どうしても経年によって劣化が生じてしまいます。
メーカーが『メンテナンスフリー』と公表する、高い耐久性を持つ外壁材は存在するものの、それでもメンテナンスは必要となります。
そのため、できる限り、メンテナンスフリーの状態にしたいのであれば、新築の際なら外壁材にこだわるようにし、新築以降なら高耐久性能のシーリングや塗料を活用するようにすると良いでしょう。
また、何よりも塗装において実績豊富な地元の塗装業者を見つけ、アドバイスを受けながら進めていくと良いでしょう。
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この記事の著者について
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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
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