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外壁塗装で活用される塗料にはさまざまなグレードが存在しますが、その中で最もハイグレードな塗料『無機塗料』が注目されています。
耐久性の高さが優れており、一般的には10年程度で塗り直しが必要であると言われる塗料の中で、20年経過しても劣化が少ない無機塗料も登場しています。
ただ、注意すべき点もあるため、無機塗料で外壁塗装を検討しているのであれば、どのような塗料なのか把握しておくことが大切です。
そこでここでは、外壁塗装の無機塗料について詳しくお伝えし、特徴やメリット・デメリット、費用相場、種類などについてプロの塗装業者が徹底解説していきましょう。
外壁塗装のハイグレード塗料『無機塗料』の特徴
外壁塗装で使用される『無機塗料』は、さまざまな種類がある塗料の中でも最高ランクに位置づけられる優れた性能を持っています。
一般的には、シリコン塗料やフッ素塗料などが活用される機会が多い外壁塗装なのですが、無理塗料とどのような違いがあるのでしょうか。
・無機塗料とは
無機塗料は、ガラスや石などの無機物が主成分である塗料のことで、高い耐久性が大きな特徴となっています。
そもそも塗料は、いくつかの素材によって構成されており、大きく『顔料』『樹脂』『添加剤』『水もしくは溶剤』に分けることができます。
塗料を構成する素材の中で、『樹脂』がシリコンだとシリコン塗料になり、フッ素だとフッ素塗料になるように、無機物だと無機塗料になります。
無機物は有機物と区別されるもので、シリコン塗料やフッ素塗料など、無機塗料以外の塗料はすべて有機塗料に分類されます。
無機塗料に含まれているガラスや石などの無機物は、塗料の劣化症状の原因であると言われる紫外線ダメージを受けにくいため、高い耐久性を発揮することができるのです。
・無機塗料とその他の塗料との違い
無機塗料とその他の塗料を比較した場合、塗料を構成する樹脂の内容に違いがあることが分かります。
つまり、無機物と有機物の違いが、そのまま塗料の違いであると言うことができるのです。
無機物と有機物の違いを端的に説明すると、無機物は自然界に存在する鉱石をはじめ、ガラスや陶器などは有機物を含んでいない物質であり、有機物は炭素を含んでいる物質を言います。
例えば、無機物に熱を加えてみても何も変化は起きず、有機物であれば二酸化炭素が発生することが知られています。
このような化学反応をみても分かる通り、無機物を含んだ塗料は、紫外線や風雨などの影響を受けにくいので、有機物を含んだ塗料よりも耐久性が高いのです。
・無機塗料の特徴
外壁や屋根に使用する塗料は紫外線や風雨などの影響を受けて少しずつ劣化が生じますが、無機塗料は影響を受けにくいため高い耐久性を備えています。
大手塗料メーカーである日本ペイントが行った、塗膜に人工太陽光を3000時間、当て続ける実験において、同社の無機塗料では95%以上の光沢率を維持でき、シリコン塗料では80%程度にまで減少することが分かりました。
無機塗料においては、一般的に15年~25年程度の耐用年数があると言われており、近年開発された塗料の中には20年~30程度と公表しているものも存在します。
人気の高いシリコン塗料では、おおむね10年前後で塗り替えが必要になると言われていることから、その耐久性の違いがよく理解できるのではないでしょうか。
外壁塗装の無機塗料のメリット・デメリット
無機塗料は優れた耐久性を持っており、その他にもさまざまなメリットが存在します。
ただその半面でデメリットであると考えられる部分もあることから、メリット・デメリットのバランスから採用するかどうか検討すると良いでしょう。
・無機塗料のメリット
- 耐久性に優れており、長く塗料の機能を維持できる
- 親水性に優れており、塗膜に汚れが付きにくい
- 防藻性、防カビ性が高いため塗膜が綺麗に長持ちする
- 耐用年数が長く、塗り替え頻度が少なくて済む
無機塗料は無機物を主成分とした塗料であり、鉱石やガラスなど紫外線や風雨などの影響を受けにくいために、長く塗膜を維持できる性質を持っています。
一般的によく活用されているシリコン塗料は、紫外線の影響を受けて色あせや汚れなどが目立つようになり、10年程度で塗り直しが必要になります。
無機塗料では、20年程度が経過しても品質を保つことができるとメーカーから公表されているものもあり、高い耐久性を実感することができるでしょう。
機能として優れている点に親水性があります。
親水性とは、塗膜に付着した汚れを、雨水によって洗い流してしまうという機能で、雨によって汚れやホコリを浮き上げらせることができるため、汚れが付きにくいのです。
また、苔や藻、カビなどの影響源となる有機物の含有が少ないため、これらの発生を防止させることが可能です。
そのようなさまざまな機能によって、長きにわたって塗膜を守り続けることができることから、塗り替え頻度が少なくて済みます。
シリコン塗料では10年程度で塗り替えが必要であると言われますが、無機塗料によっては20年程度でも品質を保つことができますので、コストパフォーマンスの良さで選ばれるケースが多くなっています。
・無機塗料のデメリット
- 価格がほかの塗料よりも高めである
- 無機物が主成分であるためにひび割れしやすい
- 職人の塗装技術が必要になる
無機塗料のデメリットもまとめてみました。
塗料はグレードが高くなるに連れて、機能性も高くなり、優れた耐久性が特徴となっているのですが、同様に価格も高くなる傾向があります。
費用相場については次の章で詳しくご紹介しますが、一般的によく活用されるシリコン塗料と比較すると、次のような違いがあります。
シリコン塗料 | 1,700円~3,500円/㎡ |
無機塗料 | 4,400円~5,500円/㎡ |
単純に比較すると、大きな差があることがご理解いただけるでしょう。
できるだけコストを下げて外壁塗装をしたい場合においては、無機塗料を選択しにくいと言えるのではないでしょうか。
また、無機塗料の主成分は鉱物やガラスなどの無機物であるため、塗装後の塗膜はとても硬いのが特徴です。
そのため、外壁に木材を使用しているケースや、外壁にひびが入るような揺れや災害などが生じた場合には、一緒に塗膜もひび割れしてしまう可能性が高くなってしまいます。
また、そのような硬く固まる性質があるため、経験がなければ塗料の扱いがとても難しいと言われています。
もし、技術力の低い職人が塗装してしまうと、本来有している機能を引き出すことができず、早期に塗り替えが必要になってしまうような可能性もあるのです。
そのため、無機塗料を選択する場合には、同時に塗装業者選びも重要になってきます。
無機塗料の費用相場・耐用年数
塗料の種類 | 耐用年数 | 施工単価(㎡) |
シリコン塗料 | 5~10年 | 1,700円~3,500円 |
フッ素塗料 | 8~15年 | 3,000円~5,100円 |
無機塗料 | 15~25年 | 4,400円~5,500円 |
外壁塗装における塗料の費用相場、耐用年数の比較のために、一般的によく活用されているシリコン塗料、フッ素塗料も掲載してみました。
一般的に塗料はグレードが高くなると、耐久性も高くなり、さらには費用も高くなる傾向があります。
費用面だけみると、シリコン塗料やフッ素塗料に人気が出ることもご理解頂けるのではないかと思います。
ただ、コストパフォーマンスの観点で言えば、むしろ無機塗料に軍配が上がるケースも多いため、塗り替えの頻度を低くするために、無機塗料を選択するご家庭も多いのです。
例えば、30年というスパンで見た場合、シリコン塗料であれば3回以上の塗り替えが必要となり、無機塗料であれば2回、もしくは1回だけで済む可能性もあります。
一時的なコストは高くなるものの、このようなパフォーマンスの観点で選択することも重要でしょう。
外壁塗装でおすすめできる無機塗料の種類
無機塗料はさまざまな種類のものが提供されていますが、ここでは塗料の3大メーカーと言われる『日本ペイント』『関西ペイント』『エスケー化研』から代表的な塗料をご紹介しましょう。
・日本ペイント株式会社(パーフェクトセラミックトップG)
日本ペイントの『パーフェクトセラミックトップG』は、期待耐用年数は15年以上と公表されており、劣化が生じにくいラジカル制御技術に優れています。
一般的に無機塗料は『艶なし』が難しいと言われていますが、『艶あり』『七分艶』『五分艶』『三分艶』『艶なし』まで用意されていますので、こだわりの外観イメージを演出することが可能です。
主な機能として、
- 汚れが付きにくい超低汚染性
- 雨水でしっかりと洗い流す親水性
- 美観と清潔を維持する防藻性・防カビ
が備わっています。
また、塗料は水性であり、塗装工事では特有の嫌なニオイも少ないことも、活用する大きなポイントとなるでしょう。
・関西ペイント(アレスダイナミックMUKI)
関西ペイントの『アレスダイナミックMUKI』は、15年以上という超長期耐久性が期待されており、塗膜が劣化する原因物質の発生を抑えるラジカル制御技術に優れていると注目されています。
関西ペイントのデータによると、5000時間にわたる人工太陽光の実験において、90%以上の光沢を保持していると報告されています。
一般的なシリコン塗料であれば、60%程度にまで落ち込むことから、機能性の高さを実感できるのではないでしょうか。
もちろん、超低汚染性や親水性、防カビ性・防藻性においても高い評価が得られていますので、いつまでも美観を維持することが可能です。
水性塗料でニオイも少なく、多くの住宅での外壁塗装に採用されています。
・エスケー化研(エスケープレミアム無機)
エスケー化研の『エスケープレミアム無機』は、期待耐用年数は15年以上の水性塗料です。
ラジカルコントロール技術によって劣化が生じにくく、さらに独自技術であるラジカルキャッチャーによってわずかな劣化因子も防いでいます。
光沢保持率はとても高く、エスケー化研では『業界最高峰』と公表しているほどの塗料なのです。
特に、超低汚染性・超耐候性に優れており、低耐電性によって汚れそのものがつきにくく、付着した汚れは雨水によって浮き上がらせて流してしまいます。
また塗料の性質によって塗膜が緻密に仕上がることから、汚れの定着も起きにくいのです。
そのようなことから、特に汚れに対してこだわりのあるご家庭において、数多く採用されています。
無機塗料での塗装をおすすめするご家庭の特徴
- 美観を長く維持したい
- コストパフォーマンスが高い塗料を活用したい
- 塗り替えの頻度が少ない方がいい
メリット・デメリットの双方から無機塗料を捉えた場合に、おすすめできるご家庭の特徴として上記3つのポイントにまとめられます。
何より、耐久性に優れている塗料ですから、長きにわたって美観を維持したいと考えるご家庭にはぴったりの塗料です。
一般的に活用されるシリコン塗料と比較すると、圧倒的なパフォーマンスを発揮することができます。
そのため、一時的にコストが高くなったとしても、塗り替え頻度が少ない方が良いというご家庭に向いていると言えるでしょう。
まとめ
外壁塗装で活用される『無機塗料』について、特徴やメリット・デメリット、費用相場、耐用年数、種類などについて詳しくご紹介しました。
無機塗料は鉱物やガラスなどといった無機物を主成分とした塗料で、紫外線による影響を受けにくいために、耐久性が高い塗料として知られています。
一般的によく活用されるシリコン塗料であれば10年程度で塗り替えが必要になりますが、無機塗料であれば20年から30年ほどの耐久性を持つ製品も存在します。
ただ、コストが高くなってしまうために、できる限り、安い費用に抑えたいという場合には不向きな製品であると言えます。
また、塗膜がとても硬くなる性質があり、塗装職人であっても扱いが難しい塗料であることから、経験豊富な塗装業者を選ぶことが重要です。
外壁塗装の具体的な内容については、地元に密着し、実績豊富な地元の塗装業者に相談しながら進めていくことをおすすめします。
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この記事の著者について
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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
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