住宅の外廻りや屋根には、一般的には聞きなれない部材や箇所があります。
また『アプローチ』と『ポーチ』、あるいは『ベランダ』と『バルコニー』のように違いが分かりにくいものも多くあります。
そこでここでは、外壁塗装や屋根塗装などの際に用いられる、知っておきたい住宅の外廻りや屋根、各部分の名称についてプロの塗装業者が徹底解説していきましょう。
門から玄関
門から玄関には、
- 門
- 門扉(もんぴ)
- 塀
- アプローチ
- ポーチ
と呼ばれる箇所があります。
住宅の顔とも呼べる部分になり、またプライバシーや防犯、災害対策においても重要な部分であると言われます。
・門
道路と住宅敷地の境界部分に設けられているもので、住宅の顔とも言えるでしょう。
門からアプローチを経て玄関に向かうことから、まず最初に来客と相対する場所になります。
近年においては門がなく、道路から直接玄関に向かう住宅も多いですが、だからこそ門は住宅のイメージを決定付ける重要な箇所なのです。
・門扉(もんぴ)
門に備え付けられている扉のことを指しており、建物の外構設備です。
門扉には、前後に開閉する『開き戸』、左右に開閉する『引き戸』に分けることができます。
また、開き方には、住宅の内側に開く『内開き』、住宅の外側に開く『外開き』、一枚の扉を前後に開閉する『片開き』、二枚の扉を左右に移動させる『両開き』があります。
・塀
敷地の境界に沿って設置した壁のことを指しており、区画のためだけではなく、外側からの目隠し、防犯、防火などの目的によって設けられています。
塀に用いられる素材は、石材や煉瓦、コンクリートブロックなどが使われており、活用されている材料によって築地塀、練り塀、煉瓦塀、ブロック塀などと呼ばれます。
・アプローチ
主に敷地の入り口から玄関までのことを指しており、戸建て住宅の場合には、門から玄関に向かうまでの通路のことを言います。
建物の外観と共に建物を演出する重要な部分で、通路の取り方や植栽、カーポートなど、さまざまな演出によって外観イメージも大きく変わります。
段差があるような場合には、スムーズな出入りを図るためにスロープが設けられていることや、死角があるような場合には防犯カメラの設置が検討されるようなこともあります。
・ポーチ
『玄関ポーチ』と呼ばれることも多く、玄関前の屋根(庇:ひさし)がある空間のことを言い、アプローチを含めた全体のことを指す場合もあります。
玄関ポーチは建物の外観イメージで重要な箇所となるため、見た目のデザインや美しさにこだわるケースが多く、また使いやすさとのバランスが重要であると言われます。
現代の住宅においては、浸水した場合のリスクに備えて、段差が設けられていることが多くなっています。
外周り
住宅の『外周り』には
- 犬走り(いぬばしり)
- 入隅(いりすみ)
- 出隅(ですみ)
- 幕板(まくいた)
- 基礎
- 雨戸
- 戸袋(とぶくろ)
- 霧除け(きりよけ)
といった箇所があり、建物の外溝部分や外壁部分に存在する名称になります。
・犬走り(いぬばしり)
建物の周囲を取り囲むように設けられている、幅1メートル前後の砂利やコンクリートなどでできた通路のことを指しています。
まさに犬が走れるくらいの幅しかないことから、そのように呼ばれていますが、サイズや素材については明確に定められている訳ではありません。
旧日本家屋に雨樋がなかったために、雨から建物を保護するために設けられてきました。
・入隅(いりすみ)
外壁において、壁など2つの面が向かい合って内側の隅(角)、凹んでいる部分のことを指しており、外壁だけではなく内壁でも同じように入隅と呼びます。
建物の形状によっては、入隅が存在しない場合もあります。
・出隅(ですみ)
『出隅(ですみ)』とは、入隅のまったく逆の部分であり、壁など2つの面が向かい合ったときにできる外側に向いた角、凸の部分を指しています。
一般的には90度になっており、入隅は存在しない場合がありますが、出隅は必ず存在します。
外壁にタイルを貼るような場合に、基準としているポイントから出隅まで何枚というようなケースで活用されています。
・幕板(まくいた)
建物の1階部分と2階部分の間、瓦屋根の淵の部分などといった境界部分に設置された、横長の板のことを指しています。
特に深い役割はなく、あくまで美観的な意味合いで活用されていることが多いです。
例えば、薄いブラウン系の外壁色に、濃いブラウンの幕板を使用することによって、重厚感のあるツートンカラーの外観に仕上げることができます。
・基礎
地面と建物の間に存在するコンクリート部分のことを指しており、建物の上部構造を支える重要な部分であると言えます。
基礎部分は底盤や立上り、地中梁、杭などで構成されており、鉄筋コンクリートで作られています。
仮に地盤が軟弱な場合においても、地盤の硬い部分まで杭を打って、地震など大きな揺れが生じたとしても建物が傾いたり一部分が沈んだりしないように防いでいます。
・雨戸
建物の外側に取り付けられる建物を雨や風から守るためのもので、防寒や防犯、防音、防火のために活用されることも多くみられます。
かつてガラス窓がなかった時代には障子窓の外に木製の雨戸が設置されていましたが、現代においては、アルミや鋼板製の雨戸シャッターが主流になっています。
近年ではリモコンで開閉できる電動シャッターや、雨戸シャッターを閉めても採光を確保できるものもあります。
・戸袋(とぶくろ)
引き込みの雨戸を開けた際に収納しておく箱状のもので、窓の敷居や縁側に作られています。
近年においては、シャッター雨戸が普及したこともあり、戸袋のない住宅も増えていますが、外側の雨戸だけではなく、室内の間仕切や室内扉など建物の内側にも活用されています。
戸袋には板で戸袋全体を支える『妻板戸袋』、複数の雨戸に対して柱を建てて支える『柱建戸袋』があります。
・霧除け(きりよけ)
『霧除け』とは『庇(ひさし)』と呼ばれることもあり、雨や霧が入ってこないようにするための、玄関や窓の上部に設置する小さな屋根のことです。
霧除けは小さなものであるために意味があるのかとお考えの方も多いですが、雨の日には雨の吹き込みを防ぐ役割もあります。
そのため、あるのとないのとでは建物の利便性が大きく変わると言われています。
ベランダ・バルコニー
住宅のベランダとバルコニーはよく混同されてしまいますが、その違いはお分かりでしょうか?
また笠木(かさぎ)と呼ばれる箇所も存在します。
・ベランダ
『ベランダ』は、建物の2階以上にあるもので、建物から外に張り出して設置してある、屋根のあるスペースのことを指しています。
建物の外側にあるものの、屋根が存在するために雨風をしのげるようになっているのが特徴で、雨の日でも洗濯物が干せるようになっています。
そのため、急に雨が降ってきたとしても、すぐに取り込まなくても濡れなくて済むというメリットがあります。
・バルコニー
『バルコニー』は、ベランダ同様に建物の2階以上にあるもので、屋外に設置してある、屋根のない平らなスペースのことを言います。
つまり、屋根があればベランダ、屋根がなければバルコニーということになります。
屋根がないために日光に遮られるようなことがなく、しっかりと室内に光を取り込むことができます。
・笠木(かさぎ)
『笠木』とは、ベランダやバルコニーの手すり壁、あるいは塀などの頂部に取り付けられている仕上げ材のことを指しています。
もともと鳥居や門などの縁に渡す木のことを指していましたが、笠木の下にある壁などを保護するものすべてを笠木と呼ばれるようになりました。
そのため、ベランダやバルコニーに設置されているステンレス製のものだけではなく、室内においても階段の手すり上部の仕上げ材のことも笠木なのです。
屋根の側面部分
屋根の側面部分には、
- 破風(はふ)
- ケラバ
- 鼻隠し
- 軒天(のきてん)
と呼ばれる箇所があります。
主に雨風から建物を守る箇所や設備である特徴があります。
・破風(はふ)
建物屋根の妻側の端の部分のことを指しており、その部分に設置されている板を破風板と呼んでいます。
屋根内部への風に吹き込みや雨水の吸い込みを防ぐ役割を持っており、雨から壁面を守るためにも重要な部分です。
かつては丸みを帯びた郷かな彫刻を施した『唐破風(からはふ)』と呼ばれる破風板が貼り付けられていましたが、現在の建物においてはシンプルなデザインとなっています。
・ケラバ
切妻屋根や片流れ屋根において雨樋が付いていない屋根の先端部分のことを『ケラバ』と言います。
破風と混同されてしまうことがありますが、破風は屋根の端部に付けられた部材のことで、ケラバは屋根の先端部分のことを指しており、破風板もケラバに含まれています。
雨除けや日よけの効果があるため、外壁の劣化を防止することができ、雨漏りの原因を防ぐこともできると言われています。
・鼻隠し
屋根の先端部分、雨樋が付いている軒先に取り付けられている横板状の部材のことを指しており、地面に対して水平に設置されています。
かつては木材の鼻隠しが多かったのですが、近年では耐久性の高い窯業のものやガルバリウム鋼板で作られたものが主流となっています。
雨樋を設置するための下地の役割がありますが、屋根内部に雨風が侵入しないように取り付けられています。
・軒天(のきてん)
外壁よりも突き出ている屋根の裏側部分のことを指しており、上記でご説明したケラバの裏側部分が軒天になります。
『軒天上(のきてんじょう)』と呼ばれることがあり、軒の裏側にあることから『軒裏(のきうら)』と呼ばれることもあります。
太陽の紫外線や雨などから外壁を守る効果があり、また火災が生じた際に屋根に燃え広がらないように防ぐ効果もあると言われています。
屋根の上部分
屋根の上部分には、
- ドーマー
- 大棟(おおむね)
- 隅棟(すみむね)
と呼ばれる箇所があります。
・ドーマー
屋根の上から突き出ている小さな三角の屋根付き窓を『ドーマー』と言い、『ドーマーウィンドウ』と呼ばれることもあります。
屋根裏部屋のある建物や、洋風住宅によく見られます。
窓から太陽の光を取り込むことができ、風通しも良くなると言われています。
・大棟(おおむね)
屋根材同士が結合する棟の中で、もっとも上部にある棟のことを『大棟(おおむね)』と言います。
屋根上部の中心にある水性な部分であり、棟板金や棟瓦などを設置して、雨水の侵入を防いでいます。
・隅棟(すみむね 下り棟)
屋根のもっとも上部にある大棟から下った位置にある個所のことを指しており、『下り棟』と呼ばれることもあります。
方形屋根(ほうぎょうやね)や寄棟(よせむね)と呼ばれる屋根の形状では、大棟から下るように隅棟が存在します。
雨樋の各部分
雨樋の各部分には、
- 雨樋(あまどい)
- 横樋(よこどい)
- 竪樋(たてどい)
- 上戸(じょうご 集水機)
- 這樋(はいどい)
- エルボ・呼び樋・つかみ金物
と呼ばれる箇所・資材があります。
・雨樋(あまどい)
屋根や屋上に降り注ぐ雨水を、排水口に誘導する役割のある筒状の排水管のことを『雨樋』と呼んでいます。
建物内部の雨樋のことを『内樋』、外部に這して設置するものを『外樋』と言います。
・横樋(よこどい)
屋根に降った雨水を集めるため、軒下や屋根の横に取り付けられている雨樋のことを『横樋』と言います。
・竪樋(たてどい)
縦方向に設置されている雨樋のことを『竪樋』と呼び、屋根に降った雨水を地面や下水にまで導いていきます。
・上戸(じょうご)
横樋と竪樋が交わっている部分に取り付けられている箱状の集水器のことを『上戸』と呼んでいます。
横樋から流れてきた雨水を、竪樋に流し込む役割があります。
・這樋(はいどい)
屋根面に這うように設置されている雨樋のことを『這樋』と呼んでいます。
2階以上の建物で取り付けられており、竪樋から流れてきた雨水を1階の雨樋へと流すために設置されているもので、主に1階の屋根に設置されています。
・エルボ・呼び樋・つかみ金物
『エルボ』とは、L字型の接続管のこと、『呼び樋』とは軒樋と竪樋をつなぐ横引きの樋のこと、『つかみ金物』とは雨樋を壁に固定するための金具のことを指しています。
まとめ
外壁塗装や屋根塗装などの際に用いられる、知っておきたい住宅の外廻りや屋根、各部分の名称について詳しくお伝えしました。
建物にはさまざまな名称の箇所があり、外壁塗装や屋根塗装の際に担当者や職人などがその名称を活用しています。
できる限り、専門用語は用いずにご説明していますが、分かりにくいことがあれば、お気軽にご相談ください。
外壁塗装や屋根塗装は、地元に密着し、実績豊富な地元の塗装業者に相談しながら進めていくことをおすすめします。
「こんな相談しても嫌がられないかな?」
「まだやるか決めていないんだけれど…」
など、ご心配不要です。
「HPを見たのですが…」と、0120-711-056(年中無休8時〜19時)まで、お気軽にお電話下さい。
川崎市・横浜市(青葉区)を中心に神奈川県全域が施工エリアになります。お家の外壁塗装、屋根塗装は職人直営専門店の「池田塗装」にお任せください。
【本 店】TEL:0120-711-056
【青葉店】TEL:0120-824-852
本店:〒216-0042 神奈川県川崎市宮前区南野川2-35-2
アクセスはコチラ
青葉店:〒225-0024 横浜市青葉区市ケ尾町1603-2
アクセスはコチラ
【公式】YouTubeはコチラ
【公式】Instagramはコチラ
【公式】Facebookはコチラ
この記事の著者について
-
2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
一人でもそういう方がいなくなり、私たちが地元の皆さまに貢献できればと思っています。川崎市・横浜市にお住まいで、外壁塗装についてお悩みの方はお気軽にご相談下さい。(会社概要・本店について|青葉店はこちら)