目次
屋根のリフォームやメンテナンスが必要な場合に、屋根カバー工法と呼ばれる工事方法をおすすめできるケースがあります。
屋根の葺き替え工事よりもコストを抑えることができ、工期も短く済むメリットがあります。
屋根のメンテナンスでは屋根塗装を検討するご家庭が多いですが、屋根が劣化しているような場合には塗装が不向きの場合があります。
そこでここでは、屋根カバー工法に着目して、どのような特徴があるのか、メリット・デメリットなど、プロの塗装業者が徹底解説していきましょう。
屋根カバー工法とは
屋根カバー工法は、リフォームが必要な古い屋根に対して、新しい屋根材を被せてしまう工法のことを言います。
廃材が出ないために処分や撤去費用を削減させるため、安価で施工できる工法として人気があります。
どのような特徴があるのか、また屋根カバー工法ができない屋根はあるのか詳しくお伝えしていきましょう。
・屋根カバー工法の概要
『屋根カバー工法』とは、既存の屋根のうえに新しい屋根を被せてしまう、まさに文字通り「カバー工法」のことを指しています。
既存の屋根を撤去や処分することなく、そのまま新しい屋根を被せる工法であるため、手間を省き、費用負担を抑えることができます。
被せる新しい屋根は、「ガルバリウム鋼板」「ジンカリウム鋼板」「エスジーエル鋼板」などといった金属製のものが採用されているために、耐久性を向上させることができます。
金属製の屋根を被せるとなると、「屋根が重くなってしまうのでは?」と気になる方もいらっしゃいますが、軽量かつ耐久性の高い屋根材が開発されていますので、それほど心配する必要はありません。
ただし、腐食や劣化などが進んでいる屋根には利用できない可能性があります。
・屋根カバー工法で活用される素材の種類
屋根カバー工法には、とても軽く、しかも耐久性の高い「ガルバリウム鋼板」と呼ばれる素材が多く用いられています。
「ガルバリウム鋼板」とは、アルミニウムや亜鉛、シリコンなどから作られている鋼板であり、屋根材の定番となっているスレート瓦に多く用いられています。
耐久性が高く、費用も高すぎず、しかも施工もしやすい特徴を持っています。
近年では、より耐久性の高い「ジンカリウム鋼板」「エスジーエル鋼板」も見かけるようになりました。
「ジンカリウム鋼板」とは、ガルバリウム鋼板の亜鉛とシリコンの配合比率を変えて作られている鋼板で、耐久性能は30年以上で、塗装によるメンテナンスは不要となっています。
「エスジーエル鋼板」は近年登場した屋根材であり、ガルバリウム鋼板の構成要素にマグネシウムを加えてもので、ガルバリウム鋼板の3倍の耐久性能を持つと言われています。
・屋根カバー工法の特徴
屋根カバー工法では、上記でお伝えした素材を、既存の古い屋根に被せていきます。
まず、既存のスレート瓦に対してルーフィングや下葺き材と呼ばれる防水シートを貼る作業から始め、雨漏りしないように防いでいきます。
もちろん、ガルバリウム鋼板など金属屋根にも防水機能が備わっていますので、屋根の防水を万全に施すことができます。
屋根カバー工法として、差し込み葺き工法が行われることがあるために注意が必要です。
これは、古いスレート瓦に新しい屋根材を接着剤で貼っていくだけの工法で、古い防水シートはそのまま活用し、新しく貼り付ける屋根材には防水機能は備わっていません。
そのため、差し込み葺き工法は屋根カバー工法とはまったく異なるもので、屋根カバー工法ではありませんので、業者から勧められた際には注意が必要です。
・屋根カバー工法ができない屋根は?
すべての屋根に屋根カバー工法が適している訳ではなく、屋根材や屋根の状態によって施工できないケースもあります。
例えば、瓦屋根にはカバー工法は適していません。
屋根カバー工法は、屋根面がフラットである必要があり、昔からある瓦のように波型の形状では新しい屋根材を被せることができないのです。
そもそも屋根瓦はとても重いので、さらに負担をかけてしまう屋根カバー工法は適していないことも考えられます。
また、古いトタン屋根にも適していないと言えるでしょう。
技術的には可能ではありますが、古くなったトタン屋根の場合には、屋根の下地が損傷しているケースが多く、そのまま新しい屋根材を被せてしまうのはリスクが大きいのです。
さらに、屋根カバー工法の対象になっているスレート瓦においても、損傷が激しい場合においては下地まで痛んでいる可能性があるため適していません。
屋根カバー工法が向いているケース
屋根リフォーム・メンテナンス方法には、屋根カバー工法のほかにも、「葺き替え工事」「屋根塗装」があります。
屋根カバー工法には多くのメリットがありますが向き不向きのシーンがあり、屋根の状態に応じて適切なリフォーム・メンテナンス方法を選ぶことが大切です。
・屋根リフォーム・メンテナンスの種類とその特徴
- 屋根カバー工法
- 葺き替え工事
- 屋根塗装
屋根カバー工法は、もともとの屋根を残して新しい屋根を被せる工法ですが、『葺き替え工事』とは既存の屋根材や下地などを撤去して新しく屋根を作り直す工法を言います。
屋根カバー工法は手軽に安価で取り組めるというメリットがありますが、屋根の劣化がかなり進んでいる状態や瓦屋根など適していないケースもあります、
そのようなケースにおいても葺き替え工事であれば柔軟に対応することができます。
屋根のメンテナンス方法には『屋根塗装』もあります。
塗料にはさまざまな種類があり、耐久性の高いものや断熱性に優れているものなどが存在します。
塗装によって住宅の持っている重厚感や高級感などを引き出すことができるため、外壁塗装と共に行われるケースが多くなっています。
コストを抑えることもできますから、ほかにも工事を検討しているような予算が限られているケースではおすすめです。
ただし、雨漏りが生じているなど屋根や下地に劣化が生じているような場合には、屋根カバー工法や葺き替え工事が適していると言えるでしょう。
・屋根カバー工法が向いているケース
- リフォーム・メンテナンス費用を抑えたい
- 屋根や下地に大きく劣化していない
- できるだけ短い工期で済ませたい
- 屋根の断熱性を高めたい
- 既存の屋根がスレート屋根や金属屋根
- アスベストが含まれている屋根
屋根カバー工法が向いているケースをいくつかのポイントでまとめてみました。
葺き替え工事と比較すると、費用面で大きなメリットがあります。
葺き替え工事は屋根や下地を新しいものへと交換するために、その処分や撤去費用が必要となりますが、屋根カバー工法ではその費用が不要となります。
また工事自体も新しい屋根材を被せるだけですから、工期も葺き替え工事よりも短くなる傾向にあります
住宅の断熱性能を高めたいと考えておられるご家庭においても、おすすめの工法であると言えるでしょう。
また、屋根材としてスレート瓦や金属屋根などが適しており、屋根材にアスベストが含まれている場合にも屋根カバー工法が選ばれています。
特にアスベストは2000年代前半までの住宅によく活用されてきたために、それ以前の住宅であればアスベストが使用されている可能性があります。
もしアスベストが含まれている屋根であった場合には、撤去や処分が割高になってしまいます。
屋根カバー工法であれば、新しい屋根材を被せるだけですので、人体への影響はありません。
屋根カバー工法で活用する屋根材の種類と特徴
- ガルバリウム鋼板
- ジンカリウム鋼板
- エスジーエル鋼板
屋根カバー工法で良く活用されている屋根材には「ガルバリウム鋼板」があり、近年ではさらに耐久性の高い「ジンカリウム鋼板」や「エスジーエル鋼板」も活用されています。
どのような違いがあるのか詳しくお伝えしていきましょう。
・ガルバリウム鋼板
『ガルバリウム鋼板』とは、アルミニウム55.0%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%でメッキされている鋼板のことで、耐久性に優れているために屋根カバー工法で一般的に活用されています。
ガルバリウム鋼板の普及以前は亜鉛でメッキされたトタン屋根が多かったのですが、アルミニウムを配合することによって高耐久を実現しました。
従来からあるトタン屋根と比較し、耐久性能は3倍から6倍程度であると言われており、加工も容易であることから急速に普及するようになりました。
1〜3mm程度と非常に薄い素材なのに耐久性に優れており、しかも瓦の1/10程度の重さであることから、屋根カバー工法においても屋根に負担をかけず、さらに地震の揺れにも強いことが知られています。
・ジンカリウム鋼板
『ジンカリウム鋼板』とは、アルミニウム55.0%、亜鉛43.5%、シリコン1.5%でメッキされている鋼板のことで、耐用年数は30年~50年といった優れた耐久性能を持っています。
ガルバリウム鋼板と比較してそれほど活用シーンは多いとは言えませんが、表面はガラス質になっているため色あせを起こさず、塗装によるメンテナンスが不要となっています。
さらに断熱性能が高く、耐震性や防音性、防火性にも優れていることが知られています。
ただし、劣化すると表面が剥がれてしまうことがあり、国産の製品が少ないことからコストが高くなる傾向があります。
・エスジーエル鋼板
『エスジーエル鋼板』とは、アルミニウムと共にマグネシウムも含んでメッキされているもので、ガルバリウム鋼板よりも高耐久であることが知られています。
近年では、屋根材にエスジーエル鋼板が採用されるケースが増えており、次世代の屋根素材であるとも言われるようになりました。
エスジーエル鋼板は錆びにくい特徴を持っており、ガルバリウム鋼板よりも3倍程度も錆びにくかったという研究データも存在します。
そのため、沿岸部など塩害の影響が大きい地域などでは、積極的に活用されるようになりました。
屋根カバー工法のメリット・デメリット
屋根カバー工法にはさまざまなメリットがありますが、デメリットも存在します。
屋根のリフォームを検討している場合には、メリット・デメリットの両面を把握しておくことが大切です。
・屋根カバー工法のメリット
- 工事費用を安く抑えることができる
- 葺き替えよりも短期間で施工できる
- 断熱性能や防音性能が向上する
屋根カバー工法は、既存の古い屋根を撤去せずに新しい屋根を被せていきますので、撤去や処分にかかる費用を抑えることができます。
古い屋根を撤去しないために葺き替えよりも短期間で施工できる特徴があり、葺き替えの場合では一般的に1週間から10日程度、屋根カバー工法であれば1週間弱が目安になります。
また、屋根カバー工法は新しい屋根を被せていく工法であるために、屋根が二重になることから、断熱性能や防音性能が向上させることができるメリットもあります。
・屋根カバー工法のデメリット
- 下地が劣化している屋根には施工できない
- 瓦屋根に施工することは不向き
- 施工可能な業者が少ない
さまざまなメリットがある屋根カバー工法ではありますが施工できない屋根も存在します。
特に、下地の劣化が進んでいる屋根の場合には、仮にスレート瓦であるとしても施工できません。
そのまま屋根カバー工法を施工したとしても、すぐにメンテナンスが必要なるため、状態によっては葺き替え工事が向いているケースもあるのです。
また、瓦屋根のようにフラットではない屋根に対して屋根カバー工法は向いていません。
さらに施工ができる業者も、外壁塗装業者などと比べるとそれほど多くありません。
まとめ
屋根カバー工法について、その特徴やメリット・デメリット、向き不向きなケースなどをまとめてご紹介しました。
屋根カバー工法は、既存の古い屋根に新しい屋根材を被せる工法のことを指しており、屋根の撤去や処分が必要となる葺き替え工事よりもコストを抑えることができます。
しかも、「ガルバリウム鋼板」や「エスジーエル鋼板」といった屋根材は耐久性能がとても高く、軽く扱いやすい安いために工期が短いというメリットもあります。
ただ、屋根や下地に劣化が進んでいるような場合や瓦屋根など、適していないケースもあります。
そのため、屋根カバー工法とともに葺き替え工事や屋根塗装なども踏まえ、実績豊富な地元業者に相談しながら進めていくことをおすすめします。
地元に密着し、実績豊富な屋根塗装業者を選ぶといいでしょう。
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この記事の著者について
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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
一人でもそういう方がいなくなり、私たちが地元の皆さまに貢献できればと思っています。川崎市・横浜市にお住まいで、外壁塗装についてお悩みの方はお気軽にご相談下さい。(会社概要・本店について|青葉店はこちら)