本日は「ベランダ防水のメンテナンス方法について」について詳しくお話しします。
ベランダは、雨風や紫外線の影響を受けやすく、放置すると防水層が劣化し、最終的には雨漏りや下地の腐食につながることもあります。そのため、適切なメンテナンスを定期的に行うことが非常に重要です。しかし、防水工法の種類や劣化の判断基準、メンテナンス方法について具体的に知っている方は少ないかもしれません。
本記事では、ベランダ防水の基本知識をはじめ、防水のメンテナンス方法やメンテナンス判断基準、工事時のポイントを分かりやすくまとめています。これからご自宅のベランダ防水の状態を確認しようと思っている方、または業者に依頼する際に無駄な工事を回避したい方にとって役立つ内容です。
目次
ベランダ防水の基本知識
ベランダの防水メンテナンスについて知る前に、まずはベランダ防水の基本知識を押さえておきましょう。ベランダ防水にはいくつかの工法があり、状況に応じて最適な工法が選ばれます。中でも、戸建て住宅で多く使われているのは「FRP防水」です。
防水工法の種類
ベランダ防水にはさまざまな種類があります。代表的なものとして、「ウレタン防水」「FRP防水」「シート防水」、そして「アスファルト防水」があります。
「ウレタン防水」は液状の防水材を塗り広げる工法で、複雑な形状にも施工しやすいのが特徴です。一方、「シート防水」は塩ビシートやゴムシートを敷設する工法で、屋上や大面積の施工に向いています。また「アスファルト防水」は耐久性が高く、大規模建物に使われることが一般的です。
しかし、私たちが施工することが多い戸建て住宅のベランダでは、FRP防水が主流となっています。FRP防水は、コストパフォーマンスや耐久性の面で優れており、施工の自由度も高いため、多くの住宅で採用されています。
FRP防水とは
FRP防水とは「繊維強化プラスチック」を使った防水工法のことです。お風呂の浴槽やサーフボード、自動車のパーツなどにも使われる素材で、非常に硬く、耐久性に優れています。
FRP防水は特に複雑な形状のベランダに適しており、下地を選ばず施工できる点が大きなメリットです。そのため、戸建て住宅のベランダではほとんどがこのFRP防水になっています。
では、FRP防水のメンテナンスはどのように判断するのでしょうか。ポイントは下地の状態です。ひび割れや剥がれがなく、見た目に問題がなければ、トップコートの塗り替えだけで十分です。これだけで5年から10年は防水性能を維持できます。逆に、下地が腐っていたり、FRPの表面に深刻な劣化が見られたりする場合は、防水工事のやり直しが必要になります。
メンテナンスの判断基準
ベランダ防水のメンテナンス判断基準は、表面的な劣化の状態と下地の状況によって大きく変わります。
例えば、FRP防水の表面に軽微なひび割れや剥がれが出始めた場合は、トップコートの塗り替えだけで対応できます。これにより、表面を保護し、5年から10年ほど防水性能を延命することが可能です。この段階で適切にメンテナンスを行えば、費用も数万円程度に抑えることができます。
しかし、下地にまで腐食が進んでしまっている場合は注意が必要です。FRP防水の下地はベニヤ板が使われていることが多く、ここが劣化すると、部分的な補修では済まなくなります。下地の補修や防水工事のやり直しが必要になり、費用も10万円以上かかることがあります。
メンテナンスのタイミングとしては、
- トップコートの剥がれが出始めた時
- 表面にひび割れが見つかった時
- 下地が浮いている感じがある時
これらの症状が見られたら早めに対応することが大切です。適切な時期にメンテナンスを行うことで、コストを抑えつつベランダの防水性能を維持できます。
防水メンテナンス時の対処方法
ベランダ防水のメンテナンスでは、不具合の状況によって対処方法が大きく分かれます。一見何も問題ないように見えても、底にある下地が悪くなっている場合があります。ここからは、下地腐食の対処方法や排水動きの問題、なおさら無駄な工事について解説します。
下地が腐食している場合の対応
防水層の下にある下地の腐食は、ベランダの準備や結果に大きな影響を与えます。ベランダに踊り上がって「ぶかぶか」する感覚がある場合、これは下地腐食の可能性が高いです。その場合、次のような対処が必要となります。
- 部分補修の場合
ベニヤの腐食が少ない場合は、腐食した部分を切り取り、新たな下地を補修してから防水層を付け直します。他の部分はそのまま使えるため、補修費用も減らすことができます。
- 全面やり替えの場合
腐食が大きく進んでいる場合は、下地を全面でやり替え、その上に新たな防水層を作り直します。この場合は付け替えの仕事が大きく、10万円以上の費用がかかることが一般的です。しかし、これは広がった腐食をしっかり治し、長期的に防水性能を保持するために必須の工事と言えます。
腐食を防ぐためにも、トップコートの塗り替えを5年経つごとに行うことが勤められます。少しのコストで、広がる腐食と大きな修繕を防ぎましょう。
水たまりが発生しやすい
ベランダで常に見られる問題の一つに「水勾配」があります。ベランダの構造上、水は上から下にかけて流れるように傾斜を付けることが基本です。しかし、この水勾配が正しく取れていないと、水がたまりやすくなります。
軽微な逆勾配の問題排水勾配にわずかな誤差がある場合、数ミリ単位の逆勾配であれば「ウレタン防水」を使って調整することが可能です。ウレタン防水は液状のため、不陸(ふりく)と呼ばれる表面の凸凹を均一に整え、排水をスムーズにする効果があります。この場合、部分的な補修で済むため、費用も比較的安く抑えられます。
大きな逆勾配の問題しかし、逆勾配が1センチ以上と大きい場合や、水たまりが頻繁に発生する場合には、ウレタン防水では対応できません。その場合は、下地そのものを作り直す必要があります。下地から傾斜を正しく設け直し、その上に新たな防水層を施工するため、大掛かりな工事となります。
排水の重要性とチェック方法ベランダに水がたまると、防水層の劣化が早まるだけでなく、下地の腐食にもつながります。定期的に排水口(ドレン)の詰まりや、ベランダ表面の勾配を確認することで、排水問題の早期発見が可能です。水たまりが発生している場合は放置せず、専門業者に相談しましょう。
排水勾配の問題は見た目には分かりにくいため、数年に一度は業者に点検してもらうことがベストです。早めの対処で、大掛かりな工事を避けることができます。
必要のない工事を勧められるケース
防水メンテナンスを業者に依頼する際、気を付けたいのが「必要のない工事を勧められるケース」です。例えば、防水層や下地に大きな問題がないにもかかわらず、「全面やり替え」を提案する業者も少なからず存在します。
適切な判断基準を持つことベランダ防水の状態を見極める基本知識があれば、無駄な工事を回避できます。以下のポイントを確認してみましょう:
1.トップコートの状態
剥がれやひび割れが軽微であれば、トップコートの塗り替えで十分です。
2.下地の状態
ぶかぶかしていないか、浮き上がっていないかを歩いて確認します。
3.雨漏りの有無
室内への雨漏りがなければ、部分的な補修で対応できることが多いです。
特にハウスメーカーや一部の業者では、「必ず全面やり替えが必要」と強調することがあります。しかし、実際には部分的な補修やトップコートの塗り替えで防水機能を回復できるケースも少なくありません。
業者からの提案内容に疑問を感じた場合は、他の業者にも見積もりを依頼し、比較することが大切です。必要な工事だけを適切に行うことで、費用を抑えながらベランダの防水性能を維持できます。
タイルマットや人工芝による悪影響
ベランダにタイルマットや人工芝を敷いている場合、防水層に悪影響を与えることがあります。これらの床材は見た目が良く、使い勝手も良いと感じるかもしれませんが、通気性が悪くなり、ベランダ表面が乾きにくくなる原因となります。
床材のリスクには、次のものがあります。
1.湿気がこもる
床材の下に湿気がたまり、防水層や下地の劣化が進みやすくなります。
2.泥やゴミが蓄積する
掃除がしにくくなり、排水口の詰まりや水たまりの原因になります。
特に防水工事を行うタイミングでは、これらの床材を撤去し、その後は敷かないようにすることが望ましいです。防水層が直接日光や風に当たることで、自然と乾燥し、防水性能を長持ちさせることができます。
「紫外線が防水層を劣化させる」という意見もありますが、湿気がこもり続けることと比べれば、紫外線による影響は限定的です。防水層を乾燥させる環境を保つことが、ベランダの健康を維持する最も重要なポイントです。
まとめ~横浜市の外壁・屋根塗装・防水工事のことなら
本記事では、ベランダ防水の基本知識やメンテナンス方法、よくあるトラブルについて詳しくお伝えしました。下地の腐食、排水勾配の問題、不要な工事への注意、そして床材の影響と、ベランダ防水を維持するためのポイントを解説しました。
ベランダの防水は、定期的なメンテナンスが非常に重要です。トップコートの塗り替えや排水口の点検を定期的に行い、異常を感じたら早めに専門業者に相談しましょう。日々の小さなケアが、長期的に大きな修繕費用を抑える鍵となります。大切な住まいを守るために、今日から行動を始めてみてください。
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この記事の著者について
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