本日は、「ブリード現象」について説明していきます。
外壁塗装やサイディングの施工をお考えの方は、「コーキング部分に黒ずみが浮き出てくる現象」を見たことがあるかもしれません。これは「ブリード現象」と呼ばれ、外壁の美観を損ねるだけでなく、放置すると塗装の劣化を早める原因ともなります。特に、古い建物やコーキング材が長年経過している建物ではこの現象が発生しやすいため、注意が必要です。
本記事では、ブリード現象の原因、発生メカニズム、そして効果的な対策方法について詳しく解説します。また、使用するコーキング材の種類やそれぞれの特徴についても触れ、最適な選定方法をご紹介します。
ブリード現象に対する理解を深め、外壁のメンテナンスや美観を長く保つための参考にしていただければ幸いです。
ブリード現象とは?
ブリード現象とは、外壁やサイディングの「コーキング部分」に発生する黒ずみのことです。この現象は、特に外壁の目地やひび割れに使用されるコーキング材が関係しています。例えば、外壁のひび割れ補修やサイディングの接合部分にコーキング材を使うことが多いですが、こうした箇所で「ブリード現象」が発生しやすくなります。
ブリード現象が起きる原因
このブリード現象が起きる原因は、コーキング材に含まれている「可塑剤」という成分です。可塑剤は、コーキング材を柔らかくする役割を持つ成分で、コーキングがひび割れなどの隙間にしっかりと充填できるようにするために含まれています。
しかし、この可塑剤が経年劣化などによって表面に滲み出してくると、外壁や塗装の汚れと反応して黒ずんでしまうのです。この「滲み出して黒ずんでくる現象」こそが、ブリード現象と呼ばれるものです。
ブリード現象の具体的な例
「ビルなどでコーキング部分が黒くなっているのを見たことがあるかと思いますが、それがまさにブリード現象です。」実際にビルやマンションなどの大きな建物で見られる黒ずんだ外壁の目地は、ブリード現象の典型的な例といえるでしょう。
特に、1980年代から2000年代初期にかけて施工された建物では、現在ほど防止対策が進んでおらず、可塑剤を含んだコーキング材が広く使われていたため、時間が経つにつれて表面に黒ずみが浮き出てくるケースが多くなっています。
ブリード現象の発生しやすい条件
ブリード現象は、特定の条件が揃うと発生しやすくなります。具体的には、次のような場合に黒ずみが生じる可能性が高くなります。
①古いコーキング材が使用されている場合
現在の施工で使われるコーキング材は、ブリード現象を防ぐための「ノンブリードタイプ」が主流です。しかし、10年から20年以上前に施工された建物では、可塑剤が含まれたコーキング材が使用されていることが多く、黒ずみが出やすいです。
②外壁やコーキング材が劣化している場合
経年劣化により、可塑剤がコーキング材の表面に移行しやすくなります。このため、古くなった建物ではブリード現象が発生しやすくなります。
③日光や雨などの外的環境
直射日光や降雨などの影響で、コーキング材が外部からのストレスを受けやすくなり、劣化が早まります。この劣化が進むと、可塑剤が滲み出やすくなり、黒ずみが表面に現れることがあります。
ブリード現象は、美観を損ねるだけでなく、建物の印象を暗く見せてしまう原因にもなります。そのため、特に古い建物や目地部分にコーキングが施されている箇所には注意が必要です。
ブリード現象の対策方法
ブリード現象を防ぐためには、まず「ノンブリードタイプのコーキング材」を使用することが最も効果的な対策です。ノンブリードタイプは、可塑剤が含まれていないため、経年による成分の滲み出しが起こらず、ブリード現象を防ぐことができます。
近年ではノンブリードタイプが主流
最近の施工では、このノンブリードタイプが主流になっており、特に外壁やサイディングの目地など、ブリード現象が発生しやすい箇所にはこのコーキング材が推奨されています。
しかし、既に古いコーキング材が使用されている場合には、ブリード現象が発生しやすいため、塗り替えの際にコーキング材を「打ち替える」ことが必要です。
特に、「サイディングの目地やひび割れ部分には可塑剤を含むコーキング材がよく使われているため」、古いコーキング材は取り除き、新しいノンブリードタイプのコーキング材で打ち替えるのがベストです。これにより、将来的なブリード現象の発生を防ぎ、外壁の美観を保つことができます。
ブリード防止塗料の使用
「もしブリード現象が既に発生している場合、専用の『ブリード防止する塗料』を使う方法もあります。」現在、各塗料メーカーからブリード現象を抑えるための専用塗料が提供されています。こうした塗料は、黒ずみが発生した部分に塗布することで、可塑剤の滲み出しを抑え、ブリード現象の進行を防ぐ役割を果たします。
この防止塗料の効果を高めるためには、通常、塗料を1回塗るだけでなく、「上から塗装を3回重ねること」が推奨されています。まずブリード防止塗料を下塗りとして塗り、その上に中塗りと上塗りを行うことで、可塑剤の表面への滲み出しを防ぎ、再発のリスクを低減します。こうした3層の塗装を施すことで、耐久性も向上し、長期間にわたって外壁をきれいな状態に保つことが可能になります。
定期的な点検とメンテナンス
ブリード現象は、コーキング材や外壁の経年劣化によって発生しやすくなります。特に10年以上経過した外壁やコーキング部分は、劣化が進んでいる可能性が高いため、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。定期的に外壁の状態を確認し、黒ずみが見られる場合には早めの対策を取ることで、ブリード現象の広がりを防ぐことができます。
点検の際には、コーキングの状態だけでなく、外壁の汚れや塗装の剥がれも併せて確認し、劣化が進んでいる部分には適切な補修や塗り替えを行うことが重要です。特に、可塑剤が滲み出して黒ずみが出やすい箇所には、上記のブリード防止塗料を用いたメンテナンスが効果的です。
使用されるコーキング材の種類
コーキング材にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や使用用途が異なります。外壁塗装やサイディングなどで使用されるコーキング材も複数の種類があり、塗装の下地や使用環境に応じて選ぶことが重要です。「塗装の下地として使うのは、ウレタンか変成シリコン系が一般的です」とされており、外壁に使用するコーキング材は耐久性や防水性も考慮した選定が求められます。
ウレタン系コーキング材
ウレタン系のコーキング材は、外壁塗装でも広く使用される一般的なタイプです。ウレタンは比較的柔軟性があり、塗装の下地として適しています。また、塗料との密着性も良いため、塗装面にしっかりと馴染むのが特徴です。経年劣化に伴い硬化するため、長期的な耐久性は少し劣るものの、手軽に使用できることから、外壁やひび割れ補修の際にも多く用いられています。
シリコン系コーキング材
シリコン系のコーキング材は、台所や浴槽周りなど、屋内での使用に適しています。シリコンは水回りでの防水性に優れた特性を持っていますが、「塗装には不向き」であり、塗料が弾かれてしまうため、外壁塗装には適しません。
変成シリコン系コーキング材
変成シリコン系は「塗装可能なタイプのシリコン」で、外壁塗装にも多く使用されるコーキング材です。この変成シリコンは、シリコンの防水性と耐久性を備えつつ、塗装にも対応できるため、外壁やサイディングの目地にも適しています。また、紫外線にも比較的強いため、外部に使用しても耐久性があり、屋外での使用にも適しています。
アクリル系コーキング材
アクリル系のコーキング材は、「内装工事での簡易補修に使われることが多い」ものです。アクリル系は手軽に使える反面、耐久性が低いため、外壁や屋外での使用にはあまり適していません。
ポリサルファイド系コーキング材
ポリサルファイド系のコーキング材は、以前は高い防水性と耐薬品性を持つ材料として使用されていました。しかし、現在では「ほとんど使用されていない」ことが多く、外壁塗装でも一般的ではありません。
コーキング材の選定の重要性
外壁塗装において、コーキング材の選定は施工の仕上がりや耐久性に大きく影響します。「塗装の下地として使うのは、ウレタンか変成シリコン系が一般的」というように、外壁やサイディングの目地には、塗装が可能で耐久性があるウレタン系や変成シリコン系を選ぶのがベストです。選定を誤ると、塗料が弾かれてしまう、あるいは耐久性が低下するなど、塗装の品質を損なうリスクがあるため、コーキング材の選択には細心の注意を払うことが重要です。
まとめ~横浜市の外壁塗装・屋根塗装のことなら
本記事では、外壁塗装における「ブリード現象」を中心に、ブリード現象の原因であるコーキング材の可塑剤、劣化が進んだ場合の対策方法、そして使用されるコーキング材の種類について解説しました。
ブリード現象は、美観を損なうだけでなく、塗装の耐久性にも影響を与えるため、適切なコーキング材の選定と定期的なメンテナンスが必要です。外壁の美観や耐久性を長く保つため、点検や施工の際には、ノンブリードタイプのコーキング材の使用や専用の防止塗料による対策を検討してみてください。
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この記事の著者について
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