池田塗装の池田です。
今日は屋根塗装において「タスペーサーと縁切りの重要性」について、詳しくお話ししたいと思います。
屋根塗装を検討している方にとって、「縁切り」や「タスペーサー」といった言葉は馴染みがないかもしれません。しかし、これらは屋根の寿命や機能性を保つために非常に重要なのです。そのため、適切な屋根塗装工事を行うためには、「縁切り」と「タスペーサー」の役割を理解し、その重要性を把握しておくことが不可欠です。
そこで本記事では、これらの要素が屋根塗装においてなぜ必要なのか、そしてどのような効果があるのかを詳しく解説します。これを知ることで、適切な施工を選択する際の判断材料にしていただければと思います。
なお、動画内では、屋根を再現した模型を活用して、屋根の構造をはじめ、タスペーサーや縁切りについて詳しく解説しております。ぜひ併せてご覧ください。
目次
【屋根の構造】屋根はひび割れや欠けなどで雨漏りするの?
タスペーサーと縁切りの重要性を知るうえで、まず屋根の構造を理解しておくことが大切です。
屋根の構造
まず、屋根の構造を解説していきましょう。(動画内では実際の屋根材、実際の屋根と同じものを再現して解説しています。)
実際の木造住宅の屋根の構造は、野地板(のじいた)と呼ばれる下地のコンパネがあって、その上にルーフィングと呼ばれる防水シートが張られています。そして、その上に屋根材が張られています。屋根は、カラーベスト(コロニアル)でも、瓦屋根の場合でも、トタン屋根の場合でも、基本的な構造というのはこのような形になっています。
屋根はひび割れや欠けなどで雨漏りするの?
屋根の調査やメンテナンスで上がったときに、新築から10年ぐらい経過しているお宅だと、何か所かはひび割れが見られます。
そのような報告を行うと、「雨漏りするんじゃないか」と、心配されたりすることが多いです。しかし、実際には簡単に雨漏りしないような構造になっているのです。
屋根材というのは、あくまで1次防水で、仮にひび割れや欠けなどの損傷によって、雨水が屋根材の内部に入ってしまったとしても、防水シートが2次防水となって防いでくれるのです。そのため、屋根材が損傷しているとしても、すぐに雨漏れにつながるという心配はないので、その辺はご安心ください。
タスペーサー・縁切りとは?その特徴と重要性
それでは、タスペーサーと縁切りの特徴と、その重要性について解説していきましょう。
縁切りとは
縁切りとは、主に薄型化粧スレート屋根と呼ばれる、カラーベストやコロニアルといった製品の塗り替え時に行われる重要な作業です。塗装後に、スレート瓦が隣接する部分で塗料によってくっついてしまうことがあります。これが原因で雨水の排水が悪くなり、最悪の場合、雨漏りの原因となることがあります。この問題を防ぐために、塗装後の屋根の一枚一枚がくっついてしまった部分をカッターなど用いて切り離す作業を行うのが「縁切り」です。
縁切りは、地味で手間のかかる作業ではありますが、屋根の機能を長持ちさせるためには欠かせません。この作業を怠ると、塗装が美しく仕上がっていても、屋根全体の耐久性が低下し、最終的には修繕費用がかさんでしまうことになります。そのため、屋根塗装の際には、必ずこの縁切り作業が適切に行われているかを確認することが大切になります。
また、近年では縁切りをより効率的かつ確実に行うために「タスペーサー」という道具が用いられることが一般的になってきました。
タスペーサーとは
タスペーサーとは、縁切り作業をより効率的かつ確実に行うために開発された専用の道具です。従来の縁切りでは、カッターなどを使って手作業で一枚一枚のスレートを切り離す必要がありましたが、タスペーサーを使用することで、作業時間を大幅に短縮し、より確実に隙間を確保することが可能となります。
タスペーサーは小さなプラスチック製の部品で、スレート瓦の間に差し込むことで、自然に隙間を作り出します。この隙間が雨水の排水をスムーズにし、雨漏りを防ぐ役割を果たします。特に、屋根の傾斜が緩やかな場合や、地域的に雨が多い場所では、このタスペーサーを使うことで、より効果的に雨水を排出できるため、屋根の寿命を延ばすことができます。
また、タスペーサーを使用することで、手作業での縁切りと比較して作業の精度が向上します。従来のカッターを使った手作業では、均一な隙間を作ることが難しく、場合によってはスレートが破損するリスクもありました。しかし、タスペーサーを使用すれば、スレート同士の接触を防ぎつつ、必要な隙間を簡単に確保できるため、塗装後の仕上がりも美しく保つことができます。
タスペーサーの導入により、縁切り作業が効率的かつ安全に行えるようになったことで、屋根の塗装工事全体の品質が向上しています。屋根塗装を考えている方は、このタスペーサーの使用について施工業者に確認しておくことが重要です。
タスペーサー・縁切りの重要性
カラーベスト(コロニアル)の屋根塗装を行うと、重なり目の部分が塗料で詰まって、埋まってしまいます。
普通に考えると、隙間なく埋めた方が、水が入らなくていいんじゃないかと思いがちです。しかし実際には、隙間から入った水や、中で発生した結露など、水分が抜けなくなってしまうのです。
そうなると、下地のコンパネを腐らせてしまう可能性があるので、必ず「縁切り」といって塗料で詰まった部分を切る必要があります。もしくは「タスペーサー」を使って、きちんと隙間を作って、通気できるようにする必要性があるのです。
タスペーサー工法や縁切り工法がされていないとどうなる
屋根塗装において、タスペーサー工法や縁切り工法が適切に施されていない場合、屋根全体の機能性が大きく損なわれる可能性があります。もしこれらが行われないと、内部に結露が発生したり、毛細管現象が生じたりするなど、さまざまなトラブルが引き起こされます。
その結果、屋根の耐久性が低下し、修繕の必要が出てくるだけでなく、最悪の場合、建物全体に深刻なダメージを与えることになります。
※動画では実際に、タスペーサー工法や縁切り工法がされていないとどうなるのか、屋根を再現した模型を活用して実験を行っていますので、ぜひご覧ください。
①屋根内部に結露が発生してしまう
タスペーサー工法や縁切り工法が適切に行われていない場合、屋根内部に結露が発生することがあります。
特に冬場になると、家の中は暖かく保たれていますが、外は冷たい空気に包まれています。この温度差が原因で、屋根の内部、特にスレート瓦の裏側に水分がたまりやすくなります。この状態が続くと、結露(けつろ)と呼ばれる現象が起こります。
結露が発生すると、屋根材の内部に水分が溜まり、これが原因でカビが生えたり、木材が腐ったりするリスクが高まります。また、結露が長期間放置されると、建物全体に影響を及ぼし、修繕費用が高額になる可能性があります。
②毛細管現象が生じる
タスペーサー工法や縁切り工法が施されていない場合、毛細管現象(もうさいかんげんしょう)と呼ばれる現象が発生することがあります。
これは、屋根材に生じた細い隙間を通じて、雨水などの液体が自然と吸い上げられ、屋根の内部へと浸透していく現象です。たとえば、ジュースにストローを差し込むと、ストローの中の液面がジュースの液面よりも高くなる現象をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
特にスレート屋根で多く発生し、屋根を取り付ける釘穴などから内部屋根裏に漏れ出して雨漏りが起こります。
毛細管現象が屋根に起こると、雨水が屋根材の裏側にまで達し、これが原因で屋根の内部に水分が溜まりやすくなります。この水分は、時間が経つにつれて木材を腐らせたり、カビを発生させたりする可能性が高くなります。また、屋根材の劣化を早め、屋根全体の寿命を縮めることにもつながります。さらに、長期的に見れば、家の構造そのものに悪影響を及ぼし、修繕が必要になるケースも少なくありません。
しかも毛細管現象は、目に見えない部分で起こるため、気づきにくい特徴があります。しかし、適切なタスペーサー工法や縁切り工法を施すことで、これらの隙間を意図的に作り、毛細管現象による雨水の浸透を防ぐことができます。この作業を怠ると、屋根の機能が損なわれるリスクが高まるため、屋根塗装を行う際には、これらの工法がしっかりと施されているか確認することが重要です。
③下地のコンパネを腐らせてしまう
結露が発生し、水が抜けないと、下地のコンパネを腐らせてしまうことになります。
屋根裏を見てみると釘が出ていますが、中に入った水が釘を伝って浸透していきます。そして、この周りが水で染みたり、乾いたりを繰り返して、下地のコンパネ自体が腐ってしまって、ブヨブヨ、ブカブカになってしまいます。
このような状態になってしまうと、もう屋根塗装はできません。
屋根材の補修や差し替え、さらには葺き替えなどのリフォームが必要になりますので、かなり大がかりな工事になってしまいます。
そのようなことにならないように、縁切り・タスペーサーは非常に重要な作業だと言えるのです。
まとめ~横浜市の外壁塗装・屋根塗装のことなら
本記事では、タスペーサーと縁切りの重要性について、屋根塗装におけるタスペーサー工法と縁切り工法の役割、屋根の雨漏り対策を詳しくお伝えしました。
これらの工法が適切に施されないと、屋根内部に結露が発生したり、毛細管現象によって雨水が浸透したり、雨漏りや屋根の劣化を引き起こす可能性があることをご理解いただけたと思います。
屋根の耐久性を保ち、雨漏りを防ぐためには、タスペーサー工法と縁切り工法が不可欠です。もし屋根塗装を検討されているのであれば、信頼できる業者に依頼し、これらの工法が確実に実施されているかを確認しましょう。
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この記事の著者について
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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
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