近年、外壁材として多くの住宅に使用されているサイディング材。木造住宅の外壁材としては、実に60%以上使用されている現在では主流の外壁材です。
しかし、このサイディングの中に塗装の出来ないサイディングがあるのをご存じでしょうか?
お家を建てた時に「この外壁は汚れにくい外壁です」とか「メンテナンスのいらな外壁です」などと言われた記憶のある方などは、もしかするとこの難付着サイディングかもしれません。
この難付着サイディングを知らずに塗装をしてしまい、様々な不具合・トラブルなどが全国的に起こっています。
難付着サイディングの外壁塗装で失敗しないために、注意点やポイントなどをご説明したいと思います。
塗装が出来ないサイディングの種類と特徴
この塗装が出来ないサイディングボードは2001年頃から「メンテナンスがいらない外壁材」という名目で多く使用されるようになりました。一概に難付着サイディングといっても様々な種類があります。
光触媒によるコーティング
光が当たることで化学反応が起こり、汚れを分解し超親水作用が発生します。実際の外壁では日光が当たることにより、汚れが分解されることにより超親水作用でセルフクリーニングが行われます。
無機塗料によるコーティング
硝子や陶磁器などの無機成分が含まれる塗料やコーティングがされた外壁材です。陶磁器は食器や瓦のように表面がツルツルしたガラス質となり、非常に汚れにくく、汚れも落ちやすくなります。陶磁器が色褪せしないように、変色・退色が起こりにくいのが特徴です。
フッ素塗料によるコーティング
フッ素というとフッ素樹脂加工されたフライパン(テフロン加工)などが有名です。表面がツルツルしていて焦げ付きにくく水や油も弾き、汚れにくいのはご存じだと思います。
外壁材も同様の効果を発揮し、水や汚れを付きにくくします。以上のように、難付着サイディングも様々な種類がありますが、最大の特徴は「いつまでも綺麗が長続きする」という事です。色褪せがしにくく、チョーキングが発生しにくい優れた外壁材です。
難付着サイディングに塗装をするとどうなるか?
塗装が出来ないサイディングに塗装をした場合、早ければ数か月で塗膜が膨れたり、剥がれたりといった現象が起きます。
極端な事を言えば、塗装をした翌日にでも爪で削ってみたり、粘着力の強いテープなどを貼って剥がすと簡単に剥がれてしまいます。
業者の知識不足
そもそも塗装業者さんの知識不足により、知らずに塗装を行ってしまう事でこのようなトラブルが起こります。
特に営業を主体としている業者さんなどは信じられない話ですが、ほとんど難付着サイディングの存在すら知らない事も珍しくありません。
知らずに塗装すると大変なことに
具体的にどのようなトラブルになってしまうかというと、難付着サイディングに通常の塗装をすると簡単に剥がれてしまいます。
また、剥がして塗り直せばいいかというと、現実的にはそれも不可能なため最悪の場合、サイディング自体を全面的に貼り直さなければいけなくなってしまいます。
金額的にも塗装の3倍程度かかる工事になるので、取り返しの無い事態になってしまいます。そのようなトラブルにならないようにキチンとした知識を身につけておく必要があります。
普通のサイディングに塗装した場合 難付着サイディングに塗装をした場合
【テープを貼っても剥がれない】 【テープを貼ると剥がれる】
難付着サイディングの見分け方
見分け方なのですが、上でもお話しましたが見た目だけでは判断できないのですが、まずは10年以上経過しているお宅で見た目が非常に綺麗な場合、手で触っても全くチョーキングしていない、などのケースだとまず難付着サイディングの可能性を疑います。
そのような疑いのある場合は最終的にふき取り調査を行います。ラッカーシンナーをウエスに染み込ませてサイディングを擦ってみて、表面塗膜が溶けてくれば通常のサイディングボードなので塗装が可能です。
逆にまったく溶けてこない場合は難付着サイディングになるので、塗装をする際は注意が必要です。
普通のサイディング【強く擦ると溶ける】 難付着サイディング【強く擦っても溶けない】
難付着サイディングボードを塗装する際のポイント
難付着サイディングの場合、塗装をしなければいいか?というとやはり塗装は必要です。難付着サイディングを塗装する際の注意点としては、必ず専用の下塗りを使うという事です。
・日本ペイントなら、弱溶剤高付着浸透形ハイブリッドエポキシシーラーのファインパーフェクトシーラー。
・エスケー化研なら、広範囲適用型弱溶剤特殊エポキシ樹脂シーラーのエスケーハイブリッドシーラーEPO。
各塗料メーカーで様々な専用塗料が販売されているので、専用下塗り塗料を塗装することが非常に重要になります。
難付着サイディングボードについてまとめ
いかがでしたでしょうか?ここまで難付着サイディングの種類や見分け方などについてお伝えしましたが、一番重要な点は見分け方をキチンと理解している業者さんに調査を依頼する事です。
そして難付着サイディングを塗装する場合は必ず専用の下塗り材を使用しましょう。