株式会社池田塗装の池田です。
今回は「塗装ができない屋根について」お話しします。
屋根は建物を守る重要な部分で、そのメンテナンスはとても大切です。しかし、実はすべての屋根材が塗装に適しているわけではありません。
2004年以降、アスベストの使用が完全に禁止されました。この影響により、アスベストを含まない「ノンアスベスト」の屋根材が登場しましたが、当時の屋根材の中には耐久性が乏しいものも多いです。
これらの屋根材は、8年から10年ほどで不具合が多く報告されるようになり、塗装しても効果がないケースがあります。
このような「塗装ができない屋根材」について理解を深め、適切な対応策を知ることが大切です。これから屋根のメンテナンスを考えている方や、新築を検討中の方に役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
塗装ができない屋根の種類
アスベスト廃止の影響で登場した屋根には、構造上の問題があり、塗装しても効果がなく、場合によってはさらに劣化を促進させてしまうことがあります。
しかし、劣化の初期症状程度であれば見分けることは難しく、知識不足の塗装業者であれば、そのまま塗装してしまっているケースも見かけます。
そこでここでは、具体的にどのような屋根材が塗装に適していないのか、そしてその理由について詳しく解説します。
塗装できないカラーベストとは?
一般的に木造住宅で最も多く使われている屋根材はカラーベストです。カラーベストはコロニアルやスレート瓦とも呼ばれており、外壁塗装と一緒に屋根塗装を行うケースが多いです。
カラーベスト屋根材は、2004年に定められたアスベスト規制の影響を受け、2004年以降にはアスベストを使用しないノンアスベスト屋根材が登場しました。
現在では長寿命のカラーベストも存在しますが、この当時に製造されたノンアスベスト屋根材はとても割れやすく、素地が脆弱な特徴を持っています。
塗装できない屋根材『パミール(ニチハ)』とは
カラーベストの中でも塗装ができない屋根材の代表が「パミール」です。1996年から2008年に製造されたノンアスベスト屋根材の一種です。軽量で施工しやすいという利点がありますが、いくつかの重大な欠点があり、特に塗装に適していない屋根材として知られています。
パミールの最大の問題は「層間剥離(そうかんはくり)」です。層間剥離とは、屋根材の層が分離して剥がれ落ちる現象です。パミールの現象は、屋根材がミルフィーユのように層状に剥がれ落ちる状態を指し、経年劣化でポロポロと崩れてしまいます。
そのため、塗装を行っても表面が剥がれやすく意味がないため、弊社ではパミールの塗装をお勧めしていません。
塗装できない屋根の見分け方
塗装ができない屋根を見分けることは、適切なメンテナンスを行うために非常に重要です。屋根の劣化は外見だけでは分かりにくいことが多いため、具体的なポイントを押さえておく必要があります。
パミールに劣化が進んでいると、上記でもご説明した通り、ミルフィーユ状に割れて剥がれてしまいます。このような特徴的な損傷が見られた場合には、早期に屋根リフォームを検討する必要があります。
ただ、劣化が進んでいる場合は一目瞭然ですが、初期症状のみの場合は見分けが難しいです。知識不足の業者では見分けがつかず、塗装を進めてしまうケースもあります。
そのため図面に記載されている屋根材を確認することをお勧めします。
パミール以外の塗装できない屋根材
塗装ができない屋根材はパミールだけではありません。実は、他にも塗装に適さない屋根材が存在します。
これらの屋根材は、パミールと同様にアスベスト規制の影響を受けて製造された屋根材で、塗装を施しても効果がないか、逆に損害を与える可能性があります。
ここでは、パミール以外の塗装できない屋根材について詳しく解説します。
コロニアルNEOとレサス
パミール以外では「コロニアルNEO」や「レサス」があります。いずれもアスベストを含まないスレート屋根材ですが、ひび割れしやすく、屋根に登って歩くだけで割れてしまうことがあります。
コロニアルNEOは、クボタ株式会社(現ケイミュー株式会社)によって開発されたノンアスベストのスレート屋根材です。しかし、無数のひび割れや大きな欠けが発生しやすく、これらの不具合が原因で現在では製造が中止されています。使用から約10年ほどで劣化症状が顕著に現れ始め、塗装を施してもその劣化を防ぐことはできません。そのため、塗装ができない屋根材の一つとされています。
レサスは、松下電工(現ケイミュー株式会社)が製造したスレート屋根材です。この屋根材もひび割れが非常に発生しやすい特徴があります。地上からの目視や屋根を覗いただけでは確認しづらい微細なひび割れや欠損、塗膜の剥離などが生じやすいのが特徴です。また、業者が屋根に上がると簡単に割れてしまうことがあるため、むやみに人を屋根に上がらせるのは避けた方が安全です。
2004年以前のスレート瓦
2004年以前に製造されたスレート瓦にはアスベストが使用されていました。アスベストは優れた耐久性と防火性を持つため、当時の屋根材として広く利用されていたのです。
しかし、アスベストは健康に対する深刻なリスクがあることが判明し、2004年にその使用が禁止されました。このため、2004年以降にはノンアスベストのスレート瓦が開発され、市場に出回るようになったのです。
アスベストが禁止された直後の2004年から2010年にかけて製造されたノンアスベストのスレート瓦には、問題があることが分かっています。この時期に製造された屋根材は、アスベストを含まない新しい素材への切り替えが急速に進められたため、耐久性や品質にばらつきが生じます。
これらの屋根材は、使用から10年未満でひび割れや欠け、層間剥離などの劣化症状が現れることがあります。特に、ノンアスベスト化による素材の脆弱さから、通常の塗装メンテナンスでは対応しきれないケースがあるのです。
塗装できない屋根の解決方法
塗装ができない屋根材をお持ちの方にとって、その対策方法を知ることは非常に重要です。劣化や損傷が進むと、建物全体の寿命に影響を与える可能性があるからです。
では、塗装ができない屋根に対してどのような解決方法があるのでしょうか?ここでは、塗装以外の効果的なメンテナンス方法について詳しく解説します。
カバー工法
塗装できない屋根材の場合、弊社ではカバー工法をお勧めしています。古い屋根材の上に新しい屋根材を被せる方法で、ガルバリウム鋼板などの薄くて軽い素材を使用します。これにより古い屋根材への負担を減らします。ガルバリウム鋼板は軽量で耐久性が高く、耐食性にも優れているため、長期間にわたって屋根を保護します。
カバー工法の最大のメリットは、既存の屋根材を撤去する必要がないため、工事期間が短く、コストも抑えられる点です。既存屋根材の上に新しい屋根材を重ねることで、廃材の処理費用や撤去作業の手間を省くことができます。
防水性能の向上も見逃せません。新しい屋根材と防水シートの組み合わせにより、防水性能が向上します。これにより、雨漏りのリスクが低減し、建物内部の劣化を防ぎます。さらに、屋根が二重になることで断熱性能も向上します。これにより、夏は涼しく、冬は暖かい快適な室内環境を保つことができます。
カバー工法は、塗装できない屋根材に対して効果的なメンテナンス方法として広く採用されています。特に、ガルバリウム鋼板を使用することで、耐久性と美観を兼ね備えた屋根を実現できます。塗装できない屋根にお悩みの方は、ぜひカバー工法を検討してみてください。
葺き替え
葺き替えも可能ですが、古い屋根材の撤去や処分費用がかかるため、カバー工法より費用が高くなります。そのため、弊社のお客様はカバー工法を選ぶケースが多いです。
葺き替えとは、既存の劣化した屋根材を完全に撤去し、新しい屋根材に交換する方法です。屋根の寿命を大幅に延ばすことができ、長期的なメンテナンスコストを削減する効果があります。
葺き替えの最大の利点は、屋根全体を新しいものに交換するため、劣化や損傷が完全に解消される点です。古い屋根材を撤去することで、下地の状態を詳しく確認でき、必要に応じて補修や強化を行うことも可能です。これにより、新しい屋根材がしっかりと設置され、耐久性が向上します。
しかし、葺き替えにはいくつかの課題もあります。まず、既存の屋根材を撤去する際には、廃材の処理費用が発生します。また、撤去作業には時間と労力がかかり、その分コストが増加します。さらに、古い屋根材を撤去することで、一時的に建物内部が露出するため、天候の影響を受けやすくなります。
これらの要因から、葺き替えはカバー工法よりも高額になる傾向があるのです。
まとめ~横浜市で外壁塗装のことなら池田塗装へご相談を
この記事では、塗装ができない屋根材について詳しく解説し、その見分け方や解決方法についても触れました。
塗装ができない屋根材として代表的なものにはパミール、コロニアルNEO、レサスがあります。これらの屋根材は劣化が早く進行し、塗装しても効果がないため、適切なメンテナンス方法を選ぶことが重要です。
塗装ができない屋根材に対する適切な対応を選ぶためには、専門家の助言を仰ぎ、屋根の状態を正確に把握することが不可欠です。
横浜市の外壁塗装・屋根塗装なら、地元に密着し、実績豊富な池田塗装にご相談ください!
お客様の屋根の状態やご要望に応じて最適なメンテナンス方法を提案させていただいております。
「こんな相談しても嫌がられないかな?」
「まだやるか決めていないんだけれど…」
など、ご心配不要です。
「HPを見たのですが…」と、0120-711-056(年中無休8時〜19時)まで、お気軽にお電話下さい。川崎市・横浜市を中心に神奈川県全域が施工エリアになります。お家の外壁塗装、屋根塗装は職人直営専門店の「池田塗装」にお任せください。
- 【川崎本店】TEL:0120-711-056
- 【川崎南店】TEL:0120-711-056
- 【横浜青葉店】TEL:0120-824-852
川崎本店:〒216-0042 神奈川県川崎市宮前区南野川2-35-2
アクセスはコチラ
川崎南店:〒210-0804 神奈川県川崎市川崎区藤崎4-18-22
アクセスはコチラ
横浜青葉店:〒225-0024 横浜市青葉区市ケ尾町1603-2
アクセスはコチラ
【公式】YouTubeはコチラ
【公式】Instagramはコチラ
川崎市・横浜市を中心に神奈川県全域が施工エリアになります。お家の外壁塗装、屋根塗装は職人直営専門店の「池田塗装」にお任せください。
- 【川崎本店】TEL:0120-711-056
- 【川崎南店】TEL:0120-711-056
- 【横浜青葉店】TEL:0120-824-852
川崎本店:〒216-0042 神奈川県川崎市宮前区南野川2-35-2
アクセスはコチラ
川崎南店:〒210-0804 神奈川県川崎市川崎区藤崎4-18-22
アクセスはコチラ
横浜青葉店:〒225-0024 横浜市青葉区市ケ尾町1603-2
アクセスはコチラ
【公式】YouTubeはコチラ
【公式】Instagramはコチラ
この記事の著者について
-
2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
一人でもそういう方がいなくなり、私たちが地元の皆さまに貢献できればと思っています。川崎市・横浜市にお住まいで、外壁塗装についてお悩みの方はお気軽にご相談下さい。(会社概要・本店について|青葉店はこちら)